1 2016 年 6 月 8 日 日本銀行釧路支店 道東地域1の金融経済概況

2016 年 6 月 8 日
日本銀行釧路支店
道東地域1の金融経済概況
【全体感】
道東地域の景気は、着実に持ち直しており、生産も下げ止まっている。
すなわち、公共投資は、下げ止まっている。設備投資は、全体としては緩
やかに増加している。住宅投資は、増加の動きが一服している。個人消費は、
底堅く推移している。生産は、総じてみると、横ばい圏内で推移している。
雇用情勢は、着実に改善している。
先行きについては、国内外の需要動向や燃料価格などの各種コストの動向
に加え、生産を巡る環境や為替・金融市場の影響などに注視していく必要が
ある。
【各
論】
1.需要項目別動向
公共投資は、下げ止まっている。
5 月の公共工事請負金額を地区別にみると、管内 3 地域とも前年を上回り、
全体でも 2 か月振りに前年を上回った。
設備投資は、全体としては緩やかに増加している。
主要企業の設備投資をみると、15 年度は、大幅に増加した前年を下回るも
のの、インフラ整備にかかる投資や、営業設備の新設・改修など、積極的な
投資が続いた。16 年度は、大口投資が一服しているものの、年度初としては、
引き続き底堅い投資計画にある。
また、4 月の建築物着工床面積は、前年を上回った。
住宅投資は、増加の動きが一服している。
4 月の新設住宅着工戸数は、貸家が 6 か月連続で前年を下回ったほか、持家
でも 6 か月振りに前年を下回り、全体では 4 か月振りに前年を下回った。
個人消費は、底堅く推移している。
主要小売店の売上高(4 月)は、衣料品の動きに鈍さが残るものの、食料品
を中心に高品質な商品を求める動きがみられることから、前年を上回った。
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道東地域とは、当店の業務区域(釧路、帯広、根室の3市および釧路・十勝総合振興局、
根室振興局の所管区域)を指す。
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耐久消費財をみると、乗用車新車登録台数(5 月、含む軽)は、小型車や軽
自動車が前年を下回ったものの、普通車が新型車効果もあって堅調に推移した
ことから、全体でも前年を上回った。家電販売は、パソコンなどで弱めの動き
が続く一方、テレビや白物家電は堅調に推移している。
この間、旅行・観光関連をみると、主要温泉地の宿泊人数(4 月)は、休日
日数の増加や国内団体客の入込みが堅調なことなどから、前年を上回った。ま
た、市内ホテルの宿泊人数(4 月)や、空港乗降客数(4 月)でも、ビジネス
需要が堅調なほか、休日日数の増加もあって、前年を上回った。
2.生産
生産は、総じてみると、横ばい圏内で推移している。
主要業種の動向(4 月)をみると、水産加工品は、前年を下回ったほか、製
材品も梱包用材の減産などを背景に前年を下回った。一方、乳製品は、原料
となる生乳生産が堅調に推移していることなどから、前年を上回る生産と
なったほか、製紙も前年を上回った。
3.雇用
雇用情勢は、着実に改善している。
4 月の有効求人倍率は、有効求職者数が前年を下回り、有効求人数は前年を
上回っていることから、78 か月連続で前年を上回った。
4.企業倒産
企業倒産は、概ね落ち着いた動きを示している。
5 月の企業倒産は、件数、負債総額ともに前年を下回った。
5.金融情勢
預金残高は、全体としては流動性預金を中心に増加している。
貸出残高は、前年を下回った。
貸出金利は、銀行、信金ともに幾分上昇した。
以
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