広島県の金融経済月報

2015 年 3 月 2 日
日本銀行広島支店
広島県の金融経済月報
1.概況
広島県の景気は、基調的には緩やかに回復している。
需要項目別に概観すると、輸出が増加傾向にあるほか、設備投資は持ち直してい
る。個人消費は、基調としては底堅く推移している。一方、住宅投資は弱含んでい
る。この間、公共投資は概ね横ばいで推移している。
こうした中、生産は横ばい圏内の動きとなっている。雇用情勢は着実に改善して
おり、雇用者所得は着実に持ち直している。
なお、昨年8月19日からの豪雨災害の経済的な影響については、注意深くみてい
く必要がある。
2.実体経済
(1)最終需要の動向
個人消費は、基調としては底堅く推移している。
乗用車販売は、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要が本格化していた昨年を下回っ
ているものの、新型車販売の好調が続く中、基調として底堅く推移している。家電量販
店売上高をみると、底堅く推移している。百貨店売上高は、年始に降雪の影響がみられ
たものの、基調として底堅く推移している。また、スーパー売上高は、衣料品が弱めな
がら、食料品が堅調に推移しており、概ね前年並みとなっている。旅行取扱高について
みると、海外旅行が弱めとなっているものの、国内旅行は引き続き堅調に推移している。
主要観光地への入込客数は、年始に降雪の影響がみられたものの、総じて高水準を維持
している。
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住宅投資は、弱含んでいる。
新設住宅着工戸数をみると、持家、分譲が前年割れとなったことから、全体でも前年
を下回った。この間、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動は、徐々に和らぎつ
つある。
設備投資は、持ち直している。
12 月短観における 2014 年度の設備投資計画をみると、製造業、非製造業ともに前年
を上回る計画となっている。
公共投資は、概ね横ばいで推移している。
公共工事請負金額は、県が前年を上回ったものの、国、市町村が前年割れとなったこ
とから、全体では前年を下回った。なお、広島市内では、昨年 8 月の豪雨災害の復旧工
事などの影響により、建設業者の繁忙度は高い状態が続いている。
輸出は、増加傾向にある。
通関輸出金額は、一般機械を中心に増加傾向にある。
(2)生産の動向(主要製造業の動向)
生産は、横ばい圏内の動きとなっている。
自動車は、生産車種の切り替えに伴う操業度の引き下げが一巡しつつある。鉄鋼は、
高操業を続けている。また、はん用・生産用・業務用機械は、建設機械などの一部で生
産水準を引き下げる動きがみられている一方、工作機械では海外向けを中心に操業度を
高めており、全体として高操業を続けている。電気機械も、スマートフォン・タブレッ
ト端末向け部品が高めの操業を続けているほか、設備更新関連向け製品についても内外
からの受注好調により増加している。
(3)雇用・所得の動向
雇用情勢は着実に改善している。雇用者所得は着実に持ち直している。
常用労働者数は前年を若干下回っているものの、有効求人倍率は改善している。現金
給与総額は、所定内給与や特別給与が増加し、前年を上回った。
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3.金融
(1)貸出の動向
県内金融機関の貸出金残高(末残)は、前年を上回っている。
地元金融機関をみると、一般法人、個人、地公体向けが前年を上回っている。
貸出金利は、貸出に積極的な金融機関の競合が激しい中で、低下している。
(2)預金の動向
県内金融機関の実質預金残高(末残)は、前年を上回っている。
地元金融機関をみると、法人預金、個人預金とも、前年を上回っている。
以
本資料はホームページにも掲載しています。
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