1 2015 年 4 月 8 日 日本銀行釧路支店 道東地域1の金融経済概況

2015 年 4 月 8 日
日本銀行釧路支店
道東地域1の金融経済概況
【全体感】
道東地域の景気は、持ち直している。
すなわち、公共投資は、緩やかに減少している。設備投資は、持ち直して
いる。住宅投資は、減少している。個人消費は、総じてみると、横ばい圏内
の動きとなっている。雇用情勢は、着実に改善している。また、生産は、総
じてみると、横ばい圏内で推移している。
こうした下で、3 月短観でみた企業の景況感は、「良い」超幅が縮小した。
先行きについては、燃料価格などの各種コストの動向に加え、為替・金融
市場の影響などに注視していく必要がある。
【各 論】
1.需要項目別動向
公共投資は、緩やかに減少している。
3 月の公共工事請負金額は、9 か月連続で前年を下回った。
設備投資は、持ち直している。
主要企業の設備投資をみると、14 年度は、店舗、工場の新設や、生産・営
業用設備の能力増強投資が実行されており、前年を大きく上回って着地する
見通し。15 年度は、現時点で、大幅に増加した前年を下回っているものの、
インフラ整備にかかる投資や、営業設備の新設・改修などが見込まれており、
例年に比べて積極的な投資計画となっている。
また、2 月の建築物着工床面積は、前年を上回った。
住宅投資は、減少している。
2 月の新設住宅着工戸数は、持家は 12 か月連続で前年を下回ったほか、貸
家も前年を下回ったことから、全体でも前年を下回った。
個人消費は、総じてみると、横ばい圏内の動きとなっている。
主要小売店の売上高(2 月)は、食料品などが底堅く推移しているものの、
衣料品などの動きが引き続き鈍いほか、天候不順などの影響もあって前年を
下回った。
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道東地域とは、当店の業務区域(釧路、帯広、根室の3市および釧路・十勝総合振興局、
根室振興局の所管区域)を指す。
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耐久消費財をみると、乗用車新車登録台数(3 月、含む軽)は、引き続き
消費増税に伴う駆け込み需要がみられた前年を下回った。家電販売は、パソ
コンなどを中心に弱めの動きとなっている。一方、白物家電は堅調に推移し
ているほか、テレビも持ち直しつつある。
この間、旅行・観光関連をみると、市内ホテルの宿泊人数(2 月)や、主
要温泉地の宿泊人数(2 月)、空港乗降客数(2 月)については、外国人観光
客の増加などから前年を上回った。
2.生産
生産は、総じてみると、横ばい圏内で推移している。
主要業種の動向(2 月)をみると、製材品は、梱包用材を中心に前年を上回
る生産となっている。乳製品でも、ヨーグルト、クリーム需要が引き続き旺
盛なことなどを受けて、前年を上回ったほか、製紙も前年を上回った。他方、
水産加工は、原魚の水揚げ減少を受けて減産となった。
3.雇用
雇用情勢は、着実に改善している。
2 月の有効求人倍率は、新規求人数が増加したことなどから、64 か月連続で
前年を上回った。
4.企業倒産
企業倒産は、概ね落ち着いた動きを示している。
3 月の企業倒産は、件数、負債総額ともに前年を上回った。
5.金融情勢
預金残高は、流動性預金を中心に増加している。
貸出残高は、前年を上回った。
貸出金利は、銀行、信金ともに低下した。
以
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上