2015 年 2 月 5 日 日本銀行釧路支店 道東地域1の金融経済概況 【全体感】 道東地域の景気は、持ち直している。 すなわち、公共投資は、緩やかに減少している。設備投資は、持ち直して いる。住宅投資は、減少している。個人消費は、総じてみると、横ばい圏内 の動きとなっている。雇用情勢は、着実に改善している。また、生産は、総 じてみると、横ばい圏内で推移している。 先行きについては、燃料価格などの各種コストの動向に加え、為替・金融 市場、消費税率引き上げの影響などに注視していく必要がある。 【各 論】 1.需要項目別動向 公共投資は、緩やかに減少している。 1 月の公共工事請負金額は、7 か月連続で前年を下回った。 設備投資は、持ち直している。 主要企業の設備投資について、14 年度をみると、工場や店舗の新設のほか、 生産設備増設等の能力増強投資や施設の改修等が計画されており、大幅な増 加が見込まれている。 また、12 月の建築物着工床面積は、前年を上回った。 住宅投資は、減少している。 12 月の新設住宅着工戸数は、持家は 10 か月連続で前年を下回ったほか、貸 家も前年を下回ったことから、全体でも前年を下回った。 個人消費は、総じてみると、横ばい圏内の動きとなっている。 主要小売店の売上高(12 月)は、食料品などが底堅く推移しているものの、 冬物衣料などの動きが引き続き鈍いほか、天候不順などの影響もあって前年 を下回った。 1 道東地域とは、当店の業務区域(釧路、帯広、根室の3市および釧路・十勝総合振興局、 根室振興局の所管区域)を指す。 1 耐久消費財をみると、乗用車新車登録台数(1 月、含む軽)は、引き続き 消費税率引き上げ後の反動がみられていることから、駆け込み需要がみられ た前年を下回った。家電販売は、エアコンやパソコンなどを中心に弱めの動 きとなっている。一方、白物家電は堅調に推移しているほか、テレビも持ち 直しつつある。 この間、旅行・観光関連をみると、空港乗降客数(12 月)や市内ホテルの 宿泊人数(12 月)は、天候不順などの影響から前年を下回った。一方、主要 温泉地の宿泊人数(12 月)は、道内客の増加などから、前年を上回った。 2.生産 生産は、総じてみると、横ばい圏内で推移している。 主要業種の動向(12 月)をみると、製材品は、梱包用材を中心に前年を上 回る生産となっているほか、乳製品でも、ヨーグルト、クリーム需要が引き 続き旺盛なことなどを受けて、前年を上回った。他方、水産加工は、原魚の 水揚げ減少を受けて減産となったほか、製紙も前年を下回った。 3.雇用 雇用情勢は、着実に改善している。 12 月の有効求人倍率は、新規求人数が増加したことなどから、62 か月連続 で前年を上回った。 4.企業倒産 企業倒産は、概ね落ち着いた動きを示している。 1 月の企業倒産は、件数、負債総額ともに前年を上回った。 5.金融情勢 預金残高は、流動性預金を中心に増加している。 貸出残高は、前年を上回った。 貸出金利は、銀行、信金ともに低下した。 以 2 上
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