win-win へ導く総合 M&A 支援

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みずほ総研コンサルティングニュース 2016.5
Mizuho Research Institute Consulting News
win-win へ導く総合 M&A 支援
~中堅・中小企業 M&A の事業計画策定からクロージング支援まで~
1. 中堅・中小企業M&Aの現状
大企業が M&A を行う場合、一般的には買い手と売り手
の双方がファイナンシャル・アドバイザー(以下、FA)
を立てて交渉を進めます(図1)。一方、中堅・中小企
業の場合は、FA を立てずに直接交渉することがありま
す。これは、買い手と売り手のトップ同士が親しい間柄
で M&A を実施する方向性はある程度話がまとまってい
る、あるいは心情的・コスト的に双方が FA を立てたく
ない、といったことが背景と考えられます。
しかし、そのようなケースでは失敗も多々あるようで
す。買い手と売り手の情報の非対称性に起因し、買い手
が後でこんなはずではなかったと後悔し、結果的に両者
の良好な関係にヒビが入ったり、そもそも妥当な取引価
格や条件を見出せないことも、往々にしてあります。
このような状況に陥らないためには、両者が win-win
な結果となるよう、買い手・売り手の双方の間に立ち、
偏らない立場で将来の事業戦略まで踏み込んだ対応を
行う総合的な M&A 支援が有効です(図2)。また、支援
では、①事業の深掘りと、②クロージングに向けた不安
の払拭――の2つがポイントとなります。
【図1. 一般的なM&A取引のイメージ】
A
[買い手]
FA
FA
株式
収益性
財産
B
[売り手]
リスク
【図2. 本紙にて説明するM&A取引のイメージ】
A
[買い手]
弊社
事業の深堀
買い手
の考え
収益性
株式
財産
売り手の
心情
B
[売り手]
リスク
2. 事業の深掘り
事業の深掘りでは、株式価値の算定根拠となるのは対
象企業の事業計画です。事業計画は、将来の話なので唯
一の正解はありませんが、そうかといって何の検討も行
わないまま直近期の数値だけを使って価値算定をすれ
ば、買い手は「直近期はたまたま良かっただけで将来は
もっと厳しい」と主張し、売り手は「たまたま悪かった
だけで将来はもっと伸びるはず」と反論するなど、双方
から異論が出ることになるでしょう。
この直近期の数値が妥当かどうかを知るためには、事
業戦略策定と同じように、対象会社が置かれている外部
事業環境や対象会社の状況を丁寧に分析する必要があ
ります。合わせて、通常の事業戦略策定と比べて非常に
短期間で、その要素を分解して全体像を明らかにするこ
とが必要です。そのためにはコア・ノンコアの事項を的
確に見極めて影響度を分析し、事業計画に反映させます。
事業を深掘りして分析したデータを基礎とする事業計
画は、客観的な数値に基づくので、買い手・売り手から
見ても概ね納得できる計画になります。さらに、そこか
らもう一歩踏み込んで、事業戦略としての意思を盛り込
み M&A 取引後の経営をより見据えた形にしていくケース
も、実際に支援を行うなかでよくあります。例えば、M&A
取引後も売り手のオーナー経営者がしばらく経営を担う
ことが想定されるケースでは、その経営者の将来計画が
少し強めであっても尊重し、その代わりにその事業計画
を経営者がコミットする数値として扱うといった取り決
めを行う場合もあります。
このように買い手・売り手の双方が概ね納得できるた
めに、客観的なデータに加え、必要に応じてそれぞれの
意思も事業戦略という形で盛り込みながら事業計画を策
定していくことで、単に数値計画を作るだけでなく、契
約交渉で話し合えるポイントを明確にしていきます。
3. クロージングに向けた不安の払拭
クロージングに向けた条件交渉では、買い手・売り
手の双方が取引リスク、言い換えれば不安を和らげよ
うと条件を思案します。
この条件交渉中の不安については、買い手と売り手
がともに、直接相手方へ伝え難いとか、確認し難いと
いったことも多々あるように感じますが、第3者が介
在することで情報伝達や確認をスムーズに行うことが
でき、結果として双方の不安の払拭につながります。
合わせて、私たちが客観的な第3者として交渉を支援
する中で見えてくることを伝えることが、双方の不安
払拭の材料になると考えます。
4. 弊社コンサルタントが介在する意義
企業の全社戦略・事業戦略の策定支援を専門的に行う
弊社が M&A の実行を支援することは、ビジネスを深掘り
し、その構造・動き・リスク等を全体的に把握しながら
事業価値を適切な形で捉えることに寄与できると考えま
す。また、法務や税務などの専門家と協業する一方、コ
ンサルタントのノウハウに基づいて取引実行に係る工程
管理を実施することで総合的なサービスを提供します。
M&A は個別の事情があります。その事情に即した提案
をしていますので、お気軽にお問い合わせください。ま
た、これから M&A を考えたいという場合も、ぜひご相談
ください。
みずほ総合研究所 コンサルティング部
主任コンサルタント 中村宏之
[email protected]