kddi

• カメラ付高性能携帯を
2000円で購入し、月
次の利用料金は8000
円で1年間契約の携帯
電話サービス?
• 通話メールのみの携帯
を10000円で購入し、
月次の利用料金は20
00円で年間契約無し
の携帯電話サービス?
携帯電話キャリア業界分析
aubyKDDI次の一手
沼上ゼミ 夏休み課題 10月7日(木)
竹内智和 福住直彦 平澤正春
小堀裕毅 藤江なぎ沙
目次
0.携帯キャリア業界、auを選択した動機
1.業界分析
ⅰ.既存企業間の対抗度
ⅱ.新規参入の脅威
ⅲ.供給業者の交渉力
ⅳ.買い手の交渉力
ⅴ.代替品の脅威
ⅵ.補完財の影響
2.戦略的課題
3.au次の一手とそれに対する他社の反応予測
携帯キャリア業界を選んだ動機
• 毎日使うものなので馴染み深い。
• 業界の事業内容が比較的明瞭。
• ソフトバンクの新規参入や通信規格(3G)の
世界標準の行方など目立つトピックが多い。
auを選んだ動機
• 昨今の「学割」や「W定額」など目を見張る戦
略を打ち出している。
• 業界のチャレンジャーとして今後どのような戦
略をとるのか興味深い。
1.業界分析
新規参入企業
の脅威
供給業者
の交渉力
既存企業間(業界)
の対抗度
代替品
の脅威
買い手
の交渉力
ⅰ.既存企業間の対抗度
新規参入企業
の脅威
供給業者
の交渉力
既存企業間(業界)
の対抗度
代替品
の脅威
買い手
の交渉力
市場の現状(1)
主要3社のシェア
その他, 4.3
ボーダフォ
(2003年度7月時点)
ン, 18.2
ドコモ, 56.1
au, 21.4
ハーフィンダル指数=0.393641
参考~他の業界~
自動車業界(乗用車)=0.19875
インクジェット・プリンタ=0.447905
市場の現状(2)
純増数の変化
1200
1000
800
(
600
)
契
約
数
万
400
200
0
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
成長率:1997年 51.0% 2002年 9.4%
2004年7月末時点で携帯電話の契約数は
8315万件に達し、人口に対する普及率は既に約7割
市場の現状(3)
• 固定費用は電波基地局の設置・維持等にか
かる費用を考えると大きいといえる。
• 携帯電話業界はキャリアがベンダーから一定
量を購入し、在庫をキャリアが保持するシス
テムのため、キャリアは在庫費用を持つこと
になる。
• 退出障壁は高い
• スイッチングコストがかかる。
(auにかえましたサービスを導入して低くする努力はしている)
既存企業間の敵対関係を強める条件
1.競争業者の数が多い、または、規模とパワーに関
して同等
2.産業の成長率が低い
3.固定費が大きい、または、在庫費用が大きい
4.製品に差別化がきかない、または、スイッチングコ
ストがかからない
5.生産能力の拡張が小刻みには行えない
6.多様なバックグラウンドを持つ競争相手がいる
7.戦略的価値の高い業界である(将来性)
8.退出障壁が高い
既存企業間の対抗度は高い
ⅱ.新規参入企業の脅威
新規参入企業
の脅威
供給業者
の交渉力
既存企業間(業界)
の対抗度
代替品
の脅威
買い手
の交渉力
最近の動向
ソフトバンク
総務省の新たな携帯電話向けの周波数帯の割り当てに対して
新規参入を表明(総務省の対してパブリックコメントを提出)
1.「電波の公平かつ能率的な利用を確保する」という電波
法の目的に基づき、透明性のあるプロセスで意思決定を
行い公表するべき
2.NTTドコモとKDDIに新規割り当てを行うという今回の案
には反対
3.800MHz帯において携帯電話事業に新規参入する
参入障壁
• ネットワーク外部性の効果が大きい
• ネットワーク(電波局)構築コストの問題
• 電波の周波数は政府の許認可が必要
参入障壁はかなり高い
新規参入による予想される反撃
業界の成長率が低くなってきている
(1997年 51.0% 2002年 9.4%)
業界内の反撃が強い
参入障壁も高く、
業界からの反撃も強いと考えられるので
コストの面・技術的問題を考慮すると、
新規参入企業が既存企業に脅威を
与えることができるかは未だ流動的
ⅲ.供給業者の交渉力
新規参入企業
の脅威
供給業者
の交渉力
既存企業間(業界)
の対抗度
代替品
の脅威
買い手
の交渉力
端末メーカーのシェア
その他, 4.8
カシオ, 3.8
京セラ, 4.3
NEC, 19.2
三洋, 5.8
富士通, 6.4
松下, 18.7
ソニー, 7.2
三菱, 7.9
東芝, 9.5
シャープ, 12.4
auの端末メーカーは、ドコモに提供していない所が多い。
auの購入量が京セラ、カシオ、日立の携帯電話機の売上
高を大きく左右する。
キャリアと端末メーカーの関係
・携帯電話はOEM供給
キャリアの主導でスペックやデザインが決定される
キャリアから買い取る数量を事前にコミットしてから
生産、納入する。
・携帯キャリア業界は3グループで95%を占め
るので集中度は高い
供給業者(端末メーカー)の
交渉力は弱い
ⅳ.買い手の交渉力
新規参入企業
の脅威
供給業者
の交渉力
既存企業間(業界)
の対抗度
代替品
の脅威
買い手
の交渉力
一般の最終消費者に対する販売チャネル
キャリア
ショップ
端末メーカ
キャリア
インセンティブ販売
消費者
販売代理店
販売インセンティブ制とは?
「インセンティブ」・・・販売奨励金制度、代理店手数料制度
キャリアと端末メーカの関係
• 端末メーカがキャリアから買い取る数量を事前にコミットして
から生産、キャリアに納入する。キャリアが在庫リスクを背負
うため、在庫高の端末に、より多くのインセンティブをつけて
代理店におろす。
キャリアと販売代理店との関係
• キャリアから端末を原価で仕入れて販売。1契約あたり販売イ
ンセンティブをキャリアから得る。収入の大部分はインセンティ
ブ。キャリアに関する専門的知識を研修させたヘルパーを代理
店に送り込み、キャリアの営業マンと連絡をとっている。
例)auの場合1契約あたり4万円
買い手(販売店)の交渉力
①販売店は、販売店やシェルフ・スペースを通じてユー
ザーの意思決定を誘導することができる
②auはユーザー数第2位のキャリアであり、auキャリア
を揃えない販売店は集客に大きな影響が出る
③auは新規獲得に関するインセンティブが高い
auと販売店との間には、
互いに交渉力を保有しているが、
auの交渉力がより高い
ⅴ.代替品の脅威
新規参入企業
の脅威
供給業者
の交渉力
既存企業間(業界)
の対抗度
代替品
の脅威
買い手
の交渉力
脅威となる代替品
1.コスト・パフォーマンス比が急速に向上してるよ
うな代替品
2.代替品の業界が高い利益を上げている場合
IP電話が代替品と考えられるが上記の項目に
当てはまらないので大きい脅威とはならない
ⅵ.補完財の影響
新規参入企業
の脅威
供給業者
の交渉力
既存企業間(業界)
の対抗度
代替品
の脅威
補完財
供給業者
買い手
の交渉力
コンテンツが補完財?
・収益源の移動 音声通話→データ通信
・定額制の導入→収入の上限が決まってしまう
・各キャリアに共通のコンテンツを配信
→差別化しにくい
業界分析のまとめ
補完財
新規参入企業
供給業者
の脅威
強くはない
弱い
既存企業間(業界)
供給業者
の交渉力
買い手
の対抗度
弱い
激しい
弱い
代替品
の脅威
弱い
の交渉力
戦略的課題
現状のままでの将来予測
国内市場の飽和
対抗度が激しい中での3G戦争→価格競争の激化
番号ポータビリティ導入→流動化が高まる
→価格競争の激化
価格競争においてauの勝機は低い
ドコモに対してシェアが低い、財務基盤が弱い
インセンティブに着目
インセンティブが経営上一層の負担となる
(au:インセンティブ料 約4,050億円 営業費用の約1/5)
• インセンティブ制度を廃止し、業界第1位のド
コモと決定的な差別化をおこない、経常利益
の増加および純粋な通信事業者としてトップ・
シェアを狙う
⇒顧客の囲い込みと新規開拓
auがインセンティブ制を廃止したら・・・
顧客囲い込みと新規開拓にむけて
auと端末メーカーの関係
<状況の変化>
• 従来取引端末メーカーは受注生産の廃止によ
る製造計画におけるリスク上昇
• 新規取引を模索する国内外端末メーカーの参
入
auと端末メーカとの関係
<対応>
• 従来取引メーカは、当面auのみとの関係が保たれ
るために、au側のサービス強化責任がある
(初期費用<auサービス=消費者購買)
• 端末メーカは自立性を高め、各キャリア・各国通信
規格を考慮に入れ、「キャリアの欲しい商品」から
「消費者の欲しい商品」を模索
⇒ブランドメーカーとしての生き残り
• 国内外新規取引メーカーを受け入れ、魅力ある端
末を増やす
⇒端末メーカーと市場牽引力を分散化
• 国外端末メーカーとの取り引きのなかで国際進出を
うかがう
auと販売店の関係
<状況の変化>
• 販売店は端末メーカーから端末機種を卸され
ることになり、自己責任で仕入れ・販売を行う
ようになる
→通常のデジカメや固定電話と同様
auと販売店の関係
<対応>
• auは販売店および消費者への説明責任をとる
⇒代理店への説明、消費者への説明のための
auヘルパーの派遣
• 他キャリアがインセンティブ制度をおこなってい
たとしても、auキャリア用製品をおく必要があ
る(業界第2位のシェア、話題性)
• auキャリア用製品を売る必要がある
(在庫責任は販売店)
auと消費者の関係
<状況の変化>
・今まで安価だった端末料金が跳ね上がる
⇒新規ユーザー開拓が困難になる
⇒機種利用年数が増加する
・インセンティブ制度というものが消費者に
知らされる
⇒今まで知らなかった人は、驚き・不満・納得・
無関心などの反応をする
auと消費者の関係
<対応>
• インセンティブ費用を通信料値下げに回す
• 現場販売員の再教育徹底、説明スキル高
• インセンティブ制度廃止のための説明広告費
用を投入、革新的出来事なので広報も期待
・魅力ある端末の増加
顧客囲い込みと新規顧客開拓
インセンティブ廃止のメリット
• 代理店手数(インセンティブ)料負担からの解放
• 在庫リスクからの解放
• 海外メーカーを含めた多数端末メーカーと取引
→海外進出を視野に入れた付き合い
• 「革新者」としての市場イメージ
• 純粋通信事業者としての先行者有利、イニシ
アチブ奪取
ドコモの対応は?
ドコモはインセンティブの廃止に
踏み切れないのではないか
理由
第3世代(FOMA)への移行期
FOMAへの巨額の設備投資額
→第2世代(MOVA)からの機種変更に
多額のインセンティブ投入が必要
市場の現状(2)
2004年7月末時点で携帯電話の契約数は83
15万件に達し、人口に対する普及率は既に
約7割に達している
• 業界の成長率は低くなっている
グラフ
供給業者のパワーを低める要因
1.買い手(わが社)グループの集中度が高い。
または買い手の購入量が供給業者の売上高
にしめる割合が大きい。
2.製品が標準化されていたり、差別化されて
いない。またはスイッチングコストがかからな
い。
3.買い手(わが社)が後方統合するぞと脅す。
4.買い手(わが社)がユーザーの意思決定を左
右できる
供給業者の価格センシティビティを高める要因
1.供給業者の製品の価格が、買い手(わが社)
の製品のコストにしめる割合が大きい。
2.買い手(わが社)の利益水準が低い。
3.供給業者の供給している製品が買い手(わ
が社)の製品の質に重要な差をもたらさない。
携帯電話機の供給業者
NEC (19.2%) ドコモ、ボーダ
松下電器産業 (18.7%) ドコモ、(ボーダ)
シャープ (12.4%) ドコモ、ボーダ
東芝 (9.5%) au、ボーダ
三菱電機 (7.9%) ドコモ、ボーダ
ソニー・エリクソン (7.2%) 3社
富士通 (6.4%) ドコモ
三洋電機 (5.8%) au、ボーダ
京セラ (4.3%) au
auはドコモに提供していない
カシオ (3.8%) au
ベンダーがほとんど
日立製作所 au
インセンティブの内容
• インセンティブ=報奨金
• 新規契約インセンティブ・・新規契約獲得
の報奨金
• 機種変更インセンティブ・・機種変更獲得
の報奨金
• ボリュームインセンティブ・・月次○契約以
上獲得の報奨金
• オプションインセンティブ・・各種オプション
契約獲得の報奨金
買い手のパワーを低める要因
1.買い手グループの集中度が高い。または買
い手の購入量が売り手(わが社)の売上高に
しめる割合が大きい。
2.製品が標準化されていたり、差別化されて
いない。またはスイッチングコストがかからな
い。
3.買い手が後方統合するぞと脅す。
4.買い手(卸売業者や小売)がユーザーの意
思決定を左右できる
買い手の価格センシティビティを高める要因
1.売り手(わが社)の製品の価格が、買い手の
製品のコストにしめる割合が大きい。
2.買い手の利益水準が低い。
3.売り手(わが社)の供給している製品が買い
手の製品の質に重要な差をもたらさない。
業界分析のまとめ
auの利益ポテンシャルを下げる要因は
既存企業間の対抗度と言える。