Page 1 Page 2 トラン ヴァン ジャン氏の学位論文審査の要旨 論文題目

熊本大学学術リポジトリ
Kumamoto University Repository System
Title
Identification of HLA-associated polymorphisms in a
cohort of HIV-1 subtype A/E infection
Author(s)
Tran Van Giang
Citation
Issue date
2015-09-25
Type
Thesis or Dissertation
URL
http://hdl.handle.net/2298/34522
Right
トラ ン
ヴ ァ ン
論文題 目
Identification
of HLA-associated
ジ ャ ン氏 の 学 位 論 文 審 査 の 要 旨
polymorphisms
in a cohort of HIV-1 subtype A/E infection
(HIV-1 サ ブ タイ プ A/E 感 染 コ ホー トに お けるHLAに
関連 した 多 型 の 同 定)
エ イ ズ 原 因 ウ イ ル スHIV」1は 流 行 す るサ ブ タ イ プが 世 界 の 地 域 毎 に異 な る事 が 知 られ て い る 。 これ 迄 に 、
複 数 の 研 究 グ ル ー プの 大規 模 解析 か ら、サ ブ タ イ プB(欧
classI対 立 遺 伝 子 型(HLA型)に
米 や 日本 で 多 い)及 びサ ブタ イ プCに 於 け るHLA
関連 した ア ミノ酸 変異(HLA-associatedpoIymorphism;HLA-AP)が
され て きた 。 しか し一 方 、 東南 ア ジア で 流 行 す るサ ブ タイ プA/Eに
同定
つ い て は大 規 模 か つ網 羅 的解 析 は未 だな
され て い な い 。
そ こで 本 研 究 で は 、 無 治 療 の ベ トナ ム 人HIV-1サ
年)、HLAdassIタ
ブ タイ プAIE慢
イ ピ ング 及 び 末 梢 血 中CD4陽
及 びHIVRNAの
分 離 ・RT-PCR増
性T細
性 感 染者383名
を 対 象 に(2012∼2014
胞 数 測 定 を行 った 。 更 に 、血 漿 中 ウ イ ル ス量 測 定
幅 と配 列 解 析 を行 った 。最 終 的 に3種 のHIV-1蛋
Neff領 域 の ア ミノ酸 配 列 を解 析 して 、HLA-APの
白質(Gag、Pol及
び
同 定及 び それ ら と病 態(末 梢 血 中 ウ イル ス 量 及 びCD4数)
との 相 関 分 析 が な され た 。
本 研 究 で は 先 ず 、 計303個(Gagに79、Polに114及
びNefに110)のHLA-APが
同 定 され た 。個 々 の
HLA-AP解 析 で は、Gag及 びPolに つ い て 共 に6ヶ 所 が 高 い感 染 者 ウ イル ス量 と関連 し、Gagの2カ
所及び
PoIの13カ
所 が 低 い ウ イル ス量 と関連 す る事 が 見 出 され た 。更 に 、Pol領 域 のHLA-AP数
の 相 関 関 係 が 認 め られ(R=0.22,p<0.0001)、CD4数
Gag領 域 で はCD4数
は ウ イ ル ス量 と正
と は負 の相 関 関係 が 認 め られ た(R=-0.32,p<0.0001)。
と負 の 相 関 関係 が認 め られ た(R=-0.13,p<0.01)。
サ ブ タイ プA/E感 染 者 集 団 に於 い て は 、HIV-1Gag及
以上 の結 果 か ら、ベ トナム 人HIV-1
びPol、 特 にPol領 域 のHLA-APが
病 態進 行 に影 響 を
与 えて い る可 能 性 が 示 唆 され た 。
上 述 の 如 く、本 研 究 のHLA-AP解
し、Gagの2カ
所 及 びPolの13カ
析 に 於 いて 、Gag及
所 が 低 い ウ イル ス 量 と関連 す る事 が 見 出 され た 。 この 中で はGagの280
番 目の ア ミ ノ 酸 の み が 、 既 報 の 細 胞 障 害 性T細
HLA-C★01=02拘
束 性Yl9[YSPVSILDI】)。
多型 が サ ブ タ イ プA/E感
びPolに つ いて 共 に6ヶ 所 が高 い ウイ ル ス 量 と関連
胞(CTL)エ
ピ トー プ 内 に 存 在 して い た(具 体 的 に は
本 研 究 で はELISPOT法
染HLA-C*01=02陽
及 び細 胞 内IFN染 色 に よ り、GagのV280T
性 者 に お い てYI9特 異 的CTLか
らの 逃 避 変 異 で あ る事 も実 際 に
見 出 され た 。
審 査 の 過 程 に於 い て は 、(1)本
サ ブ タイ プAIEコ
が ウ イル ス 複 製 に及 ぼす 影 響 、(3)タ
既 報 の サ ブ タ イ プB及 びCコ
数 も含 め て)、(5)本
HLA-APを2つ
ホー トでPoI領 域 にHLA-APが
イの サ ブタ イ プ1VEコ
ホ ー ト結 果(Gag領
コホ ー トでのHLAア
域 にHLA.APが
高 頻 度 に 同 定 され る 理 由 、(8)Nef領
(9)同 定 され たHLA-APの
れら
関 す る相 違 点 、(4)
多 い)と 異 な る理 由(ウ イ ル ス 量 及 びCD4
レル その も のの 特 徴(所 謂protectiveア レル も含 め て)、(6)
の カテ ゴ リー("non-adapted"と"adapted")に
拘 らずHLA-Bに
多 い 理 由 、(2)そ
ホ ー ト研 究 とのHLA-APに
分 類 す る 定 義 、(7)HLAAPが
域 に 同 定 され たHLA-APが
急 性 感 染 期 での 存 在 、(10)今
サ ブ タイ プ に
病 態 と相 関 しな い理 由、
後 の ワク チ ン開 発 へ の 応 用 、 等 につ いて 質 疑 が
な され た が 、 申請 者 か らは概 ね 適 切 な 回 答 や 考 察 が な され た 。
本 研 究 は初 め て 大 規 模 か つ網 羅 的 にHIV-1サ
のHLA-APが
ブ タ イ プA/Eに つ い てHLA。AP解
析 を行 い、特 にPol領 域 内
ベ トナ ム 人 慢 性 感 染 者 集 団 の病 態 に 悪 影 響 を 与 え て い る可 能 性 を示 唆 した もの で あ る。本 集 団
に有 効 なHIVL1ワ
クチ ン開 発 に も つ な が る研 究 と考 え られ 、学 位 論 文 に 相 応 しい と判 断 され た 。
審査委員長 エイズ学lv担当教授/訟
碕
疋