解析学 I 第 3回 略解

解析学 I
第3回
略解
[3-1] 講義ノートの命題 1.13 を用いると
(
)
µ
lim An

= µ
n→∞

∞ ∩
∪
Ak 
n=1 k≥n

= lim µ 
n
∩

Ak 
(1)
k≥n
≤ lim inf µ(Ak )
n k≥n
= lim µ(An ),
(
µ

n→∞

∞ ∪
)
∩
Ak 
lim An = µ 
n→∞
n=1 k≥n

= lim µ 
n
∪

( (∪
µ
Ak 
k≥n
k≥1
)
)
Ak ≤ µ(X) < ∞ より
(2)
≥ lim sup µ(Ak )
n k≥n
= lim µ(An ).
n→∞
または,(2) の代わりに以下のようにしても示せる.
µ
((
)
(
lim An = µ
n→∞
)c )
lim
n→∞
Acn
(
= µ(X) − µ
)
lim
n→∞
Acn
≥ µ(X) − lim µ(Acn )
(ここで µ(X) < ∞ を用いた)
((1) を適用)
n→∞
= lim µ(An ).
n→∞
※ これより,µ(X) < ∞ で lim An が存在する場合は µ
n→∞
(
)
lim An = lim µ(An ) となる.
n→∞
n→∞
[3-2] 定義に従って確かめる.逆像をとる操作と集合演算の順序が交換できることがポイント.
[3-3] (1) x > y ならば,F (x) − F (y) = µ((y, x]) ≥ 0 より F は非減少.また x ∈ R について,
F (x + δ) − F (x) = µ((x, x + δ]) → 0 as δ ↓ 0,であるので右連続.実際,{δn }∞
n=1 ↓ 0
なる任意の数列に対して µ((x, x + δn ]) → µ(∅) = 0 (n → ∞) が成り立つから.(ここで
µ(x, x + δ1 ]) ≤ µ(R) < ∞ を用いている)
(2) F (x) − F (x − δ) = µ((x − δ, x]) → µ({x}) as δ ↓ 0 と F の右連続性より,F が x で連続
⇐⇒ µ({x}) = 0.
[3-4] (1) µ((x − δ, x + δ]) → µ({x}) = 0 as δ ↓ 0 より,ある δ > 0 が存在して µ((x − δ, x + δ]) ≤ ε.
(2) I において稠密な可算集合 A = {a1 , a2 , . . . } ⊂ I をとる (例えば A = I ∩ Q とするか
A = {2−k j | k ∈ N, j = 1, . . . , 2k − 1}
とすればよい).(1) より,各 i に対して ai を含む開区間 Ji で µ(Ji ) ≤ 2−i ε となるものが取
れる.U =
∪
Ji とおけば U は I の稠密な開集合で
i∈N
µ(U ) ≤
∞
∑
µ(Ji ) ≤ ε.
i=1
以上