講義コード 1121501 講義名 日本文学史 講義開講時期 前期 講義区分 講義 基準単位数 2 時間 0.00 代表曜日 水曜日 代表時限 2時限 担当教員 職種 氏名 所属 教授 ◎ 小菅 健一 山梨英和大学 概要 明治・大正・昭和・平成の代表的な作家たちと、その作品群を可能な限り数多く、そして、幅広く読解・分析していくこと で、日本の近現代文学の変遷の歴史を正しく理解出来るような講義にしていきたい。ただ単に、作家の名前と生没年、 執筆した作品の名前や発表年、時代を象徴する雑誌や新聞の名称や刊行年月日、文学思潮や文学の主義・主張、結 社などのキーワードなどを、ただ暗記して事足れりとする知識としての文学史ではなく、日本近代文学史における、それ ぞれの位相・レベルでの本質的な問題点を、常に、現在の文学状況にフィードバックしてくることで、作家や作品、それ ぞれの事柄に内包されている“不易と流行”という核心部分についても、きっちりと理解してもらうつもりである。 到達目標 1.日本の近代文学の歴史の流れを正しく理解することが出来る。 2.日本の近代文学の代表的な作家の生涯とその代表作についての基本的な知識・情報を獲得する。 3.「近代的な自我」という日本近代文学の本質的な問題について説明することが出来る。 4.現代にまでつながる文学や表現の“不易と流行”について理解する。 5.日本の近代文学作品を自分の問題意識に基づいて鑑賞することが出来る。 授業計画表 回 項目 内容 第 1 回 オリエンテーション 日本の近代文学の歴史の基本的な問題を押さえて共通理解を作る。 第 2 回 坪内逍遥と二葉亭四迷 小説を生み出していく先駆者たちの可能性と限界を考察する。 第 3 回 北村透谷 詩・小説・評論に才能を開花させた理論家の悲哀を考察する。 第 4 回 樋口一葉 明治という封建時代に生きた女流文学者としての生を考察する。 第 5 回 国木田独歩 浪漫主義・前期自然主義・社会主義……独歩主義を考察する。 第 6 回 自然主義の文学 日本の近代文学の流れを決定づけた文学の実相を考察する。 第 7 回 夏目漱石と森鴎外 日本の近代文学の二大家の対照性について考察する。 第 8 回 谷崎潤一郎 耽美派としての独特な美意識と思想について考察する。 第 9 回 芥川龍之介 芸術至上主義的な耽美派としての思想について考察する。 第 10 回 志賀直哉 白樺派の代表的な作家として大正文学の特質について考察する。 第 11 回 横光利一 新感覚派の大黒柱としての活躍と昭和初期の文学について考察する。 第 12 回 川端康成 昭和文学の体現者として日本の伝統と美の問題について考察する。 第 13 回 太宰治 芸術と実生活の相克の中で生み出された独特の文学を考察する。 第 14 回 三島由紀夫と安部公房 対照的な世界観から戦後の文学の問題について考察する。 第 15 回 村上春樹 現代文学の旗手として世界文学としての村上春樹の存在について考察する。 第 16 回 まとめ 日本の近代文学と現代文学の問題についてまとめる。 成績評価の方法 最終講義が終わった時に提出するまとめレのポート(70%)、評価基準は、講義の内容をしっかりと理解した上で、自 分なりの問題意識を反映したテーマを設定しているか、その内容の論理化の展開・適否によって見る。そして、平常点 (日頃の出席状況やリアクションペーパーの内容など20%)、ミニレポート(10%)によって総合的に評価する。 教科書・参考書 教科書:特に指定するものはない。基本的にはプリント教材を使用する。 参考書:個々の作家や作品に関しては、必要に応じて別途指示する。 関連科目・前提科目 日本の近代文学の歴史以前の歴史を知識として持っていると理解が広がると思うので、古典文学論(日本古典文学 の歴史)を履修しておくことが望ましい。 履修上の注意 小説を読むのが好きということはもちろん、日本の近代文学の歴史の流れに即して、様々なタイプの作家(表現者)た ちと、その作品群をとにかく数多く取り上げていくことになるので、それらに対して自分の問題意識に応じて興味や関心 を持って、彼らの思想や認識、表現の原理や技法、作品の可能性と限界、そのメカニズムといったものを解き明かして いきたいという意欲を持って、講義に臨んで欲しい。講義で取り上げた作品に目を通すという復習はもちろんのこと、次 の講義で取り上げる作品を予習で読むくらいの意気込みが欲しい。 オフィスアワー 時間: 場所:個人研究室
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