トルコの発行体格付BB+[安定的]を維持

NEWS RELEASE
2016年04月13日
【格付維持】
トルコ共和国
外貨建発行体格付: BB+ [格付の方向性:安定的]
格付投資情報センター(R&I)は上記の格付を公表しました。
【格付理由】
国際金融市場の変動や内政の混乱にも関わらず、経済は堅調に推移している。原油安を背景に対外バ
ランスは改善し、銀行部門の健全性も維持されている。基礎的財政収支は黒字が保たれ、債務負担は軽
い。取り巻く内外の環境は不透明だが、経済及び財政の安定感は保たれると判断している。他方、外貨
準備を大幅に上回る短期対外債務を抱え、国際金融市場の変動を受けやすい構造の改善には相当な時間
がかかろう。以上から、外貨建発行体格付BB+を維持し、格付の方向性を引き続き安定的とした。
2015年の実質国内総生産(GDP)成長率は4%となった。2度の総選挙や国内でのテロ事件、通貨リラの
為替レート急落など取り巻く環境は厳しかったが、民間及び政府消費が経済を牽引した。2016年につい
ては、政府計画では、民間投資や輸出も伸び、実質GDP成長率は4.5%に達するとしている。ただ、国際
金融市場や内政面の先行きに不透明感が漂うなかでは、民間投資の回復ペースは緩やかなものにとどま
ろう。民間及び政府ともに堅調な消費が続くため経済の腰折れリスクは低いが、成長率は4%を下回る可
能性があるとR&Iはみている。
GDP比7%を超えていた経常収支の赤字幅は、2015年には4.5%まで改善した。原油安を受けた輸入額の
減少が影響しているとみられ、構造的に改善しているわけではない。当面、原油価格は低水準が続くと
の前提で、赤字幅は4-5%程度で推移する見込み。対外債務は2015年末時点でGDP比55.3%。徐々に増加
しているうえ、残存満期1年以内の短期対外債務がその4割以上を占めている。また、同短期債務に対す
る外貨準備のカバー率は60%を下回る。
インフレ率は2015年平均で8.8%と高い。通貨リラの為替レート下落や食料品価格上昇の影響によるも
のとみられる。中央銀行の予測レンジは2016年末時点で6.1-8.9%だが、最低賃金引上げなどからインフ
レ圧力は根強く、レンジの上限近くにとどまる可能性が高い。中央銀行は、2016年3月に金融政策の簡素
化に向けた措置として翌日物貸出金利を引き下げたものの、1週間レポ金利は据え置いた。慎重な政策ス
タンスを保っていることはプラスに評価できる。2016年4月にはバシュチュ中銀総裁の任期が満了するた
め、後任人事次第では政策スタンスに変化が生じる可能性があることには留意が必要だ。
中央政府の財政赤字はおおむねGDP比1%程度に抑制されている。2015年の赤字幅は1.2%(政府公表の
暫定値)。中央政府に、地方政府、失業保険基金、社会保障機関などを加えた一般政府では均衡した模
様。中期計画(MTP、2016-2018)では、2016年の中央政府の財政赤字はGDP比1.3%を計画。政府は財政
出動で景気を下支えする姿勢を示している。歳入が見通しを下回る可能性はあり、計画通りに赤字を抑
制できるか注目される。2015年の一般政府債務残高はGDP比32.6%となった見込みで2016年は31.7%を計
画している。基礎的財政収支の黒字を背景に、債務残高は減少基調にある。
銀行部門の不良債権比率は低水準にとどまり、自己資本も十分に確保されている。安定した銀行部門
や健全な財政がアンカーとなり、資金の急激な流出や対外債務の借り換えリスクが高まる状況にはなっ
ていない。とはいえ、国際金融市場の変動を受けやすい構造には引き続き注意が必要だ。内需主導型の
成長構造から転換し、マクロ経済の安定性を高めることが求められる。そのためには、民間部門の貯蓄
率を向上していくと共に、生産性の改善に資する投資を促し輸出を増大するような政策を息長く推進し
ていくことが欠かせない。増大するテロの脅威など内政の混乱に対処しつつ、マクロ経済の安定性に目
配りした政策運営が行われるか注視していく。
■お問合せ先 :インベスターズ・サービス管理部 TEL.03-3276-3511 E-mail [email protected]
■報道関係のお問合せ先 :経営企画室(広報担当) TEL.03-3276-3438
株式
会社
格付投資情報センター
〒103-0027東京都中央区日本橋1-4-1 日本橋一丁目三井ビルディング http://www.r-i.co.jp
信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありませ
ん。また、R&Iは、信用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に
際し関連情報の正確性等につき独自の検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につ
き、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。
ⓒRating and Investment Information, Inc.
NEWS RELEASE
【格付対象】
発行者:トルコ共和国
名称
格付
格付の方向性
外貨建発行体格付
BB+(維持)
安定的
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ん。また、R&Iは、信用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に
際し関連情報の正確性等につき独自の検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につ
き、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。
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NEWS RELEASE
信用格付に関わる事項
信用格付業者
登録番号
株式会社格付投資情報センター
金融庁長官(格付)第6号
直近一年以内に講じられた監督上の措置は、ありません。
主任格付アナリスト
原 一樹
信用格付の付与について
代表して責任を有する者
細田 弘
信用格付を付与した日
2016年04月06日
主要な格付方法
ソブリンの格付の考え方 [2012.03.16]
上記格付方法は、格付を行うにあたり考慮した他の格付方法とともに以下のウェブサイトに掲載して
います。
http://www.r-i.co.jp/jpn/cfp/about/methodology/index.html
評価の前提は、以下のウェブサイトの格付付与方針に掲載しています。
http://www.r-i.co.jp/jpn/ratingpolicy/index.html
格付符号とその定義は、以下のウェブサイトに掲載しています。
http://www.r-i.co.jp/jpn/cfp/about/definition/index.html
格付関係者
トルコ共和国
注 格付関係者は、金融商品取引業等に関する内閣府令第三百七条に基づいて、R&Iが判断したものです。
利用した主要な情報 政府を含む公的機関が作成した財政・経済資料
品質確保のための措置 政府を含む公的機関が作成した、またはそれに準じた信頼性が確保さ
れている資料であること。
情報提供者 -
信用格付の前提、意義及び限界
R&Iの信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定
通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見です。R&Iは信用格付によって、個々の債務等
の流動性リスク、市場価値リスク、価格変動リスク等、信用リスク以外のリスクについて、何ら意見
を表明するものではありません。信用格付は、いかなる意味においても、現在・過去・将来の事実の
表明ではありません。また、R&Iは、明示・黙示を問わず、提供する信用格付、又はその他の意見に
ついての正確性、適時性、完全性、商品性、及び特定目的への適合性その他一切の事項について、い
かなる保証もしていません。
R&Iは、信用格付を行うに際して用いた情報に対し、品質確保の措置を講じていますが、これらの
情報の正確性等について独自に検証しているわけではありません。R&Iは、必要と判断した場合に
は、信用格付を変更することがあります。また、資料・情報の不足や、その他の状況により、信用格
付を保留したり、取り下げたりすることがあります。
利息・配当の繰り延べ、元本の返済猶予、債務免除等の条項がある債務等の格付は、その蓋然性が
高まったとR&Iが判断した場合、発行体格付又は保険金支払能力とのノッチ差を拡大することがあり
ます。
信用格付に関わる留意事項
当該信用格付は、格付関係者からの依頼によるものではありません。
格付関係者から信用評価に重要な影響を及ぼす非公開情報は入手していません。
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信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありませ
ん。また、R&Iは、信用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に
際し関連情報の正確性等につき独自の検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につ
き、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。
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