29H-pm05 甘草由来プレニルフラボノイドの PTP1B 阻害活性について 1 1 松本 宏治郎 1 , 小池 一男( 東邦 ◯李 松沛 1 ,李 巍 1 ,桧貝 孝慈 1 ,王 英華 2 , 2 寧夏回族自治区薬品検験所) 大薬, 【目的】プロテインチロシンホスファターゼ 1B(PTP1B)はインシュリングナル伝 達経路の負の調節に関与している酵素である。PTP1B 阻害剤は新規糖尿病治療薬と して大きく期待されている。天然由来の PTP1B 阻害剤の探索研究の一環として、 我々は生薬甘草より新規 PTP1B 阻害活性化合物 glycybenzofuran(IC50=25.5 μM) 及び glisoflavone(IC50=27.9 μM)を単離した1)。今回、更に甘草或いは甘草組 織培養物より得られたフラボノイドについて PTP1B 阻害活性の評価を行い、その 結果について報告する。 【実験y結果】 1.PTP1B 阻害活性:甘草或いは甘草組織培養物由来の 35 種のプレニルフラボノイ ドについて PTP1B 阻害活性を測定した。その結果、4 種の化合物は阻害活性(IC50 <30 μM)示した。これら化合物について、Lineweaver-Burk プロット法を用い て阻害様式を解析した。PTP1B 阻害作用の選択性の評価は T-cell PTP(TCPTP)と Dual-specificity phosphatase(VHR)を用いて行った。 2.細胞内インシュリン伝達系に対する作用:PTP1B 阻害活性を示した化合物につ いて、HepG2 細胞を用いて、インシュリン刺激による Akt のリン酸化に対する影響 を Western blot 法により解析した。その結果、glycybenzofuran はインシュリ ン刺激による細胞内 Akt のリン酸化増強作用が認められた。その他の化合物の細 胞内作用については現在検討中である。 1) Bioorg. Med. Chem. Lett. 20, 5398-5401, 2010.
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