特集1

特集1
にぎわいを取り戻せ!
商店街の挑戦
油 津 は 宮 崎 県 日 南 市 の日 南 海
岸沿いにある。天然の良港に恵ま
れ、 年ほど前まではマグロ漁な
ども盛んで、漁港にほど近い場所
の商店街を活性化!」という人目
を引くキャッチコピーで、油津商
月に認定を
店街を再生する人材を全国から公
募した。これは 年
油津商店街
宮崎県日南市
だ。公募の役職名はテナントミッ
基本計画」に沿って行われた施策
れる人が必要だと。行政側も商店
ためには常駐して専門でやってく
再生のための組織が必要で、その
14
2016.4
◀すっかりシャッター街となってしまっていた商店街
かつて人が集まりにぎわいを見せていた全国の
商店街。しかし、今では人口減少、ヒトやモノ
の流れの変化、商店主の高齢化などの要因が
重なり活気が失われている。
今号はそんななか、
工夫を凝らし、まちなかににぎわいを取り戻そ
うと奮闘している人々をレポートする。
クスサポートマネージャー(通称
街側も意見が一致したのです」
店舗
が応募。公開プレゼンテーション
この募集に対して、まちづくり
の専門家など国内外から333人
サポマネ)
。応 募 条 件は「 採 用 後
は日南市に居住」
「4年で
万
円が支払われるというものだった。
で「自走できる商店街づくり」を
片手間にやるのではなく、商店街
身の商売に忙しい商店街の人間が
強会をしていました。そして、自
とともに商店街で何ができるか勉
計画が認定されたのを受け、行政
「日南市の中心市街地活性化基本
はこのように振り返る。
興会の会長を務める吉川弘範さん
この公募について、油津商店街振
誘 致」
、その委託料として月
20
90
にある油津商店街も活気にあふれ
ていた。しかし、マグロ景気が去
ると、商店街は徐々に衰退。商店
街にある店は一つ、また一つと閉
店していった。日南市の人口は約
5万5000人、油津地区だけで
は5000人強。典型的な地方の
小都市である。今、どこにでもあ
る地方の小都市で、地域の特色を
生かした魅力ある商店街を復活さ
せるために奮闘している人々から
話を聞いた。
90
受けた「日南市中心市街地活性化
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athurstock/Shutterstock.com
昭和 40 年ごろの油津商店街。肩と
肩がぶつかり合うくらい混みあうこ
ともあったという
商店街再生の人材を公募
油 津 商 店 街 は 長 さ 約 400m
(そのうちの半分がアーケード街)
。
昭和 年代には、 店舗以上が並
そんな状況を打破するため、日
南市は平成 年4月、
「月 額 万
舗率も約6割に達するほどだ。
程度にまで減少している。空き店
んでいたが、今ではその3分の1
80
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◀油津商店街振興会の吉川弘範
会長(左)と “ サポマネ ” の木藤
亮太さん(右)
。
「商店街内で新
陳代謝ができる仕組みを考えて
いく必要があると思っています」
(吉川会長)
。
「人口が少ないまち
の商店街なので、あらゆる年代の
人たちに来てもらえる商店街にし
ていきたい」と話す木藤さん
40
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円!あなたの情熱で宮崎県日南市
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地元の人たちが育つ商店街、
自走できるまちづくりを目指す
にぎわいを
取り戻せ!
商店街の挑戦
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