日本株式市場の下落について

ご参考資料
2016年4月6日
日本株式市場の下落について
20,000
(円)
(円/米ドル)
120
円/米ドル(右軸)
18,000
17,000
115
16,000
110
3/30
3/23
3/9
3/16
3/2
2/24
2/17
2/10
2/3
1/27
1/20
15,000
14,000
125
日経平均株価(左軸)
19,000
1/6
最近の日本株式市場は米ドル円相場の影響を強く受け
る傾向があり、急速な円高米ドル安を嫌気しての下落と
なったものと考えられます。
期間:2015年12月30日~2016年4月5日、日次
1/13
日経平均株価は新年度に入って3日続落し、1,000円
を超える値下がりとなりました。3月29日にFRB(米連邦
準備制度理事会)のイエレン議長が今後の利上げに対し
て慎重姿勢を示して以降、為替市場で急速な円高米ドル
安が進行、4月5日には110円台を付けました(欧米時間
には109円台)。昨年末から見ると、米ドル円相場は120
円程度から110円程度へ10円程度の円高米ドル安、日
経平均は19,000円程度から16,000円割れへ3,000円
を超える値下がりとなっています(図1)。
図1:日経平均株価と円の対米ドル為替レート
12/30
ポイント① 日本株は円高米ドル安を嫌気して下落
105
(月/日)
(出所)Quickデータより野村アセットマネジメント作成
図2:アナリストによる業績予想の推移
ポイント② 昨夏をピークに業績予想は下方修正
株式市場が下落している理由の一つに業績予想の下方
修正があります。TOPIXベースのEPS予想(アナリストによ
る業績予想)の変遷を振り返ると、昨夏をピークに下方修
正が続いています。足元の市場への影響が大きい2016年
度ベースでは、昨夏に110ポイントのピークを付けたものの3
月には105ポイントへ約5%の下方修正となっています
(図2)。
一 方 、株 式 市場 は昨 夏の ピ ー ク の 約21,000円 から
16,000円割れへと約5,000円、率にして25%程度の大
幅下落となり、業績下方修正を大幅に上回って下落してい
ます。
ポイント③ 更なる下方修正後でも株価は割安
図3は、アナリスト予想EPS(向こう12ヵ月平均値)を
13倍、14倍、15倍した水準を描き、これらの予想利益と
日経平均株価との関係を見たものです。
アベノミクス相場が始まって以降、日本株式市場は予想
EPSの14倍程度の水準を中心に、概ね堅調な上昇が続
いてきましたが、今年に入ってからはそうした水準から大きく
下方に振れ、足元では予想EPSの11.7倍程度まで売り込
まれています。予想EPSの14倍を基準に考えると、この株
価水準は、現状の予想EPSが16%程度下方修正される
ことを示唆しています。市場はこのくらいの業績悪化を織り
込んだ格好となっており、行き過ぎではないかと考えています。
期間:2014年4月~2016年3月、月次
115
110
105
100
95
FY2016
90
FY2015
85
(年月)
(注)TOPIXベースのEPS予想。FY2015は2016年2月まで。
(出所)野村證券データより野村アセットマネジメント作成
図3:日本株式市場のバリュエーション
期間:2012年12月3日~2016年4月5日、日次
22,000 (円)
EPS×15倍
20,000
アナリスト予想EPS×14倍
18,000
16,000
14,000
EPS×13倍
12,000
日経平均株価
10,000
※予想EPSは野村證券予想を優先し、東洋経済予想で補完、時価総額ベース。
8,000
'12/12
'13/6
'13/12
'14/6
'14/12
'15/6
(注)日経平均株価構成銘柄ベースのEPS予想。
'15/12
(年/月)
(出所)Quick、野村證券データより野村アセットマネジメント作成
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