ご参考資料 2016年4月7日 円高、米ドル安の背景 ポイント① 米国の追加利上げ観測が後退 円米ドル為替レートは、昨年6月に1米ドル=125円台 後半まで円安が進んだ後、円高に転じ、4月5日の欧米時 間には2014年10月末に日本銀行が量的・質的緩和第2 弾を打ち出して以降、初めて110円を割りました。 円高、米ドル安が進んだ背景には、昨年12月の米国の 政策金利引き上げ以降、米国内外の金融市場の混乱や 景気悪化懸念などから、追加利上げの機運が後退したこと があるようです。米国では、インフレ率を割り引いた実質金 利の指標である物価連動国債の利回りは昨年末から低下 しています。日本でもマイナス金利の導入以降、物価連動 国債の利回りは低下しましたが、米国でも利回り低下が続 いたため、日米の利回り格差は拡大していません。 ポイント② 割高になった米ドルの調整 円高、米ドル安のもう一つの背景は、日本の金融緩和に よって円の実質実効為替レートが2012年末から低下した 一方、米国では量的緩和終了などを背景に2014年末か ら米ドルの実質実効為替レートが上昇したことで、米ドルの 割高感と円の割安感が大きくなったことがあるようです。実 質実効為替レートは、円と米ドルだけでなく、他の通貨との 為替レートも含めて貿易額で加重平均し、内外のインフレ 率の格差も加味することで算出されており、その通貨の総 合的な割高・割安感を示す指標です。 米国の企業業績や輸出の悪化などから米ドルの割高感 が市場や政策担当者にも意識されるようになり、米ドル高 の調整が生じ始めたようです。 ポイント③ 割安感が残る円 昨年6月の円の対米ドル為替レートや実質実効為替 レートが最も円安であったところから見ると、円は10%以上 上昇しており、既にかなり円高が進みました。 しかし、日米の物価水準から見た為替レートの適正水準 を示す購買力平価為替レートは、1米ドル=102円程度と 見られ、まだ円に割安感があることには注意が必要です。 4月27日 米金融政策発表 4月28日 米GDP(2016年1-3月期、速報値) 重要 4月28日 日銀金融政策発表 イベント 図1:日米物価連動国債利回りとその格差 期間:2015年7月1日~2016年4月6日、日次 (%) 1.4 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 米日物価連動国債利回り格差(米国-日本) 米国物価連動国債10年物利回り 日本物価連動国債10年物利回り 0.0 -0.2 -0.4 -0.6 2015/7 2015/9 2015/11 2016/1 2016/3 (年/月) (出所)Bloombergデータより野村アセットマネジメント作成 図2:円、米ドル実質実効為替レート 期間:2012年1月1日~2016年4月6日、日次 120 (2010年=100) 115 110 105 100 95 米ドル実質実効為替レート 90 85 80 円実質実効為替レート 割高 75 70 65 2012 割安 2013 2014 2015 2016 (年) (出所)Bloombergデータより野村アセットマネジメント作成 図3:円米ドル為替レートと購買力平価為替レート 期間:2012年1月1日~2016年4月6日、日次 (円/米ドル、逆目盛) 75 80 安倍政権発足 2012年12月 量的・質的緩和第1弾 2013年4月 85 90 量的・質的緩和第2弾 2014年10月 95 100 105 110 115 円高 120 125 円安 130 2012 円/米ドル為替レート 円/米ドル購買力平価為替レート 2013 2014 2015 2016 (年) 購買力平価為替レートは国際通貨基金(IMF)による年次推計値 (出所)IMF、Bloombergデータより野村アセットマネジメント作成 当資料は、投資環境に関する参考情報の提供を⽬的として野村アセットマネジメントが作成したご参考資料です。投資勧誘を⽬的とした 資料ではありません。当資料は市場全般の推奨や証券市場等の動向の上昇または下落を⽰唆するものではありません。当資料は信頼で きると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に⽰された意⾒等は、 当資料作成⽇現在の当社の⾒解であり、事前の連絡なしに変更される事があります。なお、当資料中のいかなる内容も将来の投資収益 を⽰唆ないし保証するものではありません。投資に関する決定は、お客様ご⾃⾝でご判断なさるようお願いいたします。投資信託のお申込 みにあたっては、販売会社よりお渡しします投資信託説明書(交付⽬論⾒書)の内容を必ずご確認のうえ、ご⾃⾝でご判断ください。 1
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