微分積分 I 及び演習連続関数

微分積分 I 及び演習 連続関数 (2016/4/15)
関数
○ 定義 (関数, 定義域, 値域)
R の部分集合 D の元 x に対して実数 y をただ一つ対応させる規則 f を関数といい,
y = f (x)
と表す.このとき,D を f (x) の定義域といい,f (D) := {f (x) ∈ R; x ∈ D} を f (x) の値域という.
関数 f (x) の定義域が, 例えば a ≤ x ≤ b であるときには, 次のように書くことが多い.
(a ≤ x ≤ b)
y = f (x)
または
y = f (x)
(x ∈ [a, b]).
(特に断りがなければ, 関数 y = f (x) の定義域は, f (x) の値が定まるような実数 x の全体とする.)
○ 定義 (単調関数)
区間 I 上で定義された関数 f (x) が条件
x<y
ならば
f (x) < f (y) (f (x) > f (y))
をみたすとき,f (x) は単調増加 (単調減少) であるという.
○ 定義 (合成関数)
関数 y = f (x) と z = g(y) があり, f (x) の値域が g(y) の定義域に含まれていれば, g(y) に y = f (x)
を代入すると, 新しい関数 z = g(f (x)) が定められる.これを f (x) と g(y) の合成関数という.
関数の極限
○ 定義 (極限)
・ 関数 f (x) は点 a ∈ R の近くで定義されているとする.変数 x が a と異なる値をとりながら a に限
りなく近づくとき, f (x) の値が一定の値 A に近づくならば f (x) の a における極限は A といい,次
のように表す.
lim f (x) = A
x→a
または
x → a のとき f (x) → A.
・ 関数 f (x) は (b, ∞) で定義されているとする.変数 x が限りなく大きくなるとき, f (x) の値が一定の
値 A に近づくならば f (x) の極限は A といい,次のように表す.
または
lim f (x) = A
x→∞
x → ∞ のとき f (x) → A.
◎ 性質 (関数の極限, 教科書の定理 1.2.1)
極限値 lim f (x), lim g(x) がともに存在するならば, 次が成り立つ.
x→a
x→a
(1) lim {kf (x) + lg(x)} = k lim f (x) + l lim g(x)
x→a
x→a
x→a
(2) lim {f (x)g(x)} = lim f (x) · lim g(x).
x→a
x→a
(3) lim g(x) 6= 0 ならば
x→a
x→a
lim f (x)
f (x)
= x→a
.
x→a g(x)
lim g(x)
lim
x→a
1
(但し k, l は定数).
◎ 性質 (はさみうちの原理)
点 a に近い全ての x について f (x) ≤ g(x) ≤ h(x) であり, lim f (x) = lim h(x) = A とする. この
x→a
x→a
とき lim g(x) も存在し, lim g(x) = A である. x → ∞ のときも同様である.
x→a
x→a
★ 重要 (重要な関数の極限,教科書の例題 1.2.1 と定理 1.3.2)
sin x
(1) lim
=1
x→0 x
(
(
)x
)x
1
1
1
= lim
1+
= lim (1 + x) x = 1.
(2) lim 1 +
x→−∞
x→∞
x→0
x
x
右極限, 左極限
○ 定義 (右極限, 左極限)
関数 f (x) は点 a ∈ R の近くで定義されているとする.変数 x が a より大きい値 (小さな値) をとり
ながら a に限りなく近づくとき, f (x) の値が一定の値 A に近づくならば f (x) の a における右極限
(左極限) は A といい,次のように表す.
lim f (x) = A
(
x → a + 0 のとき f (x) → A.
または
x→a+0
lim f (x) = A
)
x → a − 0 のとき f (x) → A.
または
x→a−0
◎ 性質 (極限をもつための必要十分条件)
x が a に近づくとき f (x) が極限 A をもつための必要十分条件は,右極限
lim f (x) と, 左極限
x→a+0
lim f (x) がともに存在し, lim f (x) = lim f (x) = A となることである.
x→a−0
x→a+0
x→a−0
関数の連続性
○ 定義 (連続性)
点 a を含む区間 I で定義された関数 f (x) が x = a で連続であるとは,極限 lim f (x) が存在し,
x→a
lim f (x) = f (a)
x→a
であるときをいう(区間の端点では,右極限または左極限を考える).さらに,関数 f (x) が区間 I
の全ての点において連続であるとき,f (x) は I で連続であるという.
◎ 性質 (連続関数の和・差・積・商, 教科書の定理 1.2.2)
関数 f (x), g(x) がともに x = a で連続ならば, 次の関数も x = a で連続である.
(1) kf (x) + lg(x)
(但し k, l は定数).
(2) f (x)g(x).
f (x)
(3)
(但し g(a) 6= 0).
g(x)
◎ 性質 (合成関数の連続性, 教科書の定理 1.2.3)
y = f (x) が x = a で連続で,z = g(y) が y = f (a) で連続ならば,合成関数 z = g(f (x)) は x = a
で連続である.
☆ 注意
定理 1.2.2 および定理 1.2.3 は,x = a を区間 I, y = f (a) を f (I) とそれぞれ置き換えても成り立つ.
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