H28年度1学期始業式訓辞

2016.04.08
平成28年度
始業の言葉
校長
泉
雄二郎
新年度です。140年を迎えた松江北高の記念すべき年度に、私たちは偶然、ここに集いまし
た。この出会いを、大切にしましょう。年度の始まりにあたり、生徒の皆さん、教職員の皆さん
とともに、思いを一つにしましょう。本年度、教職員・生徒目標として4つのことを掲げます。
1)自己と他者に丁寧に柔らかく向き合おう。
・私たちの抱える悩みの主要な部分は、人間関係です。よい人間関係を、構築しましょう。
・それには、他者が、私を主語に語ることばに、きちんと耳を傾け、尊重することです。
・自分と違った考え方に出会ったとき、私たちは、すぐに感情的に否定してしまう傾向があり
ます。まず、受け止める。寛容であれということです。
2)取りに行く姿勢をもち、学びを継続しよう。
・基礎知識としての持ち駒や技を増やすこと。修練・鍛錬が必須です。
ここは、歯を食いしばって取り組まないといけません。
・記憶したことを、そのまま単純に表出するだけの学習で満足しない。
・解けそうにない問いに、持ち駒で、挑戦する、一人で考える。
・次に「私はここまで考えた。」と自分を晒す。
・他者とのやり取りで新たな視点を獲得し、「ああ、そういうことか。」と気づく。
・そして、再度、一人で考え、答えを紡ぐ。
・中身を充実させるために思考をいったん外に晒すのです。
・これから求められる知識は、習得・再現型の知識から、探索・表現型の知識へ。
・取りに行くとは、そのことです。
3)高みを目指しやり遂げる経験しよう。
・皆さんは、いつも、もう少し前へ、高みへ、と動きます。部活動の取組がそうです。
・低い山でも、登り切ると見えてくることがあります。先ずは、足元・日常からです。
・先を見て→きちんとやって→次につなぐ。
・靴をそろえよう、つけっぱなしの電灯を見たら消そう、開けっ放しの窓があったら閉めよう。
4)地域・社会・世界に必要とされる人になることをめざそう。
・あらゆる仕事の先には、困っている、助けを求めている人がいます。学びの先も、同様です。
・スコアアップ、試験突破は、過程であって、その先を見据えた、真正の学びこそ、私たちが
追求すべきものです。
・今日、登校時に、高齢者に、さっと、さりげなく、席を譲った人がいました。
・地域課題を認識し解決に向かう提言を行い、さらに、提言を実行しようとする仲間がいます。
・思い切って海外に飛び出し、「いろんな人の想いに触れたことがとてもよかった。」と語る
仲間がいます。
・一歩踏み出す勇気から、本物の学びの”タネ”がみつかります。
まとめとして、一篇の詩を読みます
学ぶとはなんだろう?学びとはなんだと思う?
人間は誰でも、身体の中に、火をおこす石のかけらを持っている
学ぶとは、その石を打ち続けることだ
学びとは、その火をかたちにすることだ
その火は、人々に希望を与え、心をゆたかにするんだ
自分だけのために生きるな、学びは誰かのためにやるものだ
それが人間の品性だ、学びの品格だ
しかし本物の学びは、辛いぞ、苦しいぞ、きびしいぞ
それでも元気に明るく、笑って走るのが北高生だ
さて 、明 日 、 2 8 0 名 の 後 輩 が 入 学 い た し ま す。 新 入 生に と っ て、 明 日 から の 1 週間 は 、 期
待・不安・緊張の連続です。1年生を支えること、皆さんの文化の中に、上手に招き入れること
は、2・3年生の仕事です、学びです。なぜなら、助けを求める人に向かうことは、真正の学び
の姿だからです。新入生を北高文化に、いち早く巻き込むために、どうか、手本として、良き立
ち振る舞いを示してほしい。明日の入学式では、昨年と同じように、君たちに出番を与えます。
静寂と歌声のコントラスト。加えて、式辞の中で問いを投げかけます。一斉に、「はい!」と、新
入生、保護者に感動を与えるような返事によって、皆さんの決意を表現してほしい。この一瞬で、
新入生と保護者は、北高生の学びの高さ、学びの基本的作法であるレスポンシビリティー、つま
り、期待されること・求められていることに体を開き積極的に反応する力の高さを感じ取ってく
れます。
では、練習です。「2・3年生は、新入生にチャレンジを促し、最初に飛び込む人、すなわちフ
ァーストペンギンとして、手本になり、時には相談者として、新入生を支えていきますか。」
学びに対する積極性に満ちた学校、地域・社会を牽引するリーディングスクールとして存在感
を一層に発揮する学校、北高140年の歴史に、新たな扉を開くことを誓い合い、新年度をスタ
ートいたしましょう。
以上、H28年度始業の言葉といたします。