〇国民年金法施行令の一部を改正する政令(平成 28 年政令第 53 号

〇国民年金法施行令の一部を改正する政令(平成 28 年政令第 53 号)
☆概要を紹介
政府管掌年金事業等の運営の改善のための国民年金法等の一部を改正する法律(平成 26
年法律第 64 号。いわゆる「年金事業運営改善法」)による改正事項のうち、特定事由に係
る保険料の納付等の特例(事務処理誤りにより納付の機会を逸失した国民年金保険料の納
付などの特例)が、平成 28 年4月1日から施行されるが、この特例について、政令で定め
ることとされている事項が規定された。
確認
特定事由に係る保険料の納付等の特例〔事務処理誤りにより納付の機会を逸失した国民
年金保険料の納付等の特例〕の概要(国民年金法附則第9条の4の7から第9条の4の 12)
被保険者等は、特定事由(国民年金法その他の政令で定める法令の規定に基づいて行わ
れるべき事務の処理が行われなかったこと又はその処理が著しく不当であることをいう。)
により保険料を納付することができなくなったと認められる期間を有するときなど*1には、
厚生労働大臣にその旨の申出をすることができるものとする。この場合において、厚生労
働大臣の承認があったときは、当該期間について特例保険料(各月の保険料に相当する額
の保険料をいう。)の納付を可能とするなど*2の措置を講じる。
*1
特定事由により、付加保険料を納付する者となる旨の申出、保険料の免除の申請、
追納をすることができなくなったと認められる期間を有するときなどについても規定。
*2
特例付加保険料(各月の付加保険料に相当する額の保険料をいう。)の納付を可能と
する、保険料の免除を受けたものとみなす、追納を可能とするなどについても規定。
政令に規定された事項のうち、主たるものは、次のとおり。
①
特定事由により特定の手続をすることができなくなったときなどに該当する旨の申出
をしようとする被保険者又は被保険者であった者は、申出書を日本年金機構に提出する
こととされた。
また、その他必要な事項は、厚生労働省令で定めることとされた。
②
特定事由に係る「国民年金法その他の政令で定める法令」を、国民年金法及び旧法(国民
年金法等の一部を改正する法律(昭和 60 年法律第 34 号)による改正前の法をいう。)並びに
これらに基づく又はこれらを実施するための命令(これらの法令の改正の際の経過措置を含
む。)とすることとされた。
③
その他
ア
特定事由により、後納保険料(国民年金及び企業年金等による高齢期における所得の
確保を支援するための国民年金法等の一部を改正する法律(平成 23 年法律第 93 号)附
則第2条第1項、年金事業運営改善法附則第 10 条第1項)を納付することができなかっ
たときなどについて、当該保険料を納付する場合の額を、特定事由がなければ当該保険
料を納付していたと認められる期間の各月について当該保険料を納付するものとした場
合におけるその納付すべき額に相当する額とすることされた。
イ
特例を利用して特定事由に係る保険料の追納を行う場合に当該追納に係る期間の各月
の保険料の額に加算する額を、特定事由がなければ当該追納をしていたと認められる期
間の各月について当該追納をするものとした場合におけるその追納すべき額から、当該
追納に係る期間の各月の保険料の額を控除した額とすることとされた。
ウ
昭和 61 年3月 31 日以前の期間についての特定事由に係る申出をする場合などの読替
えや旧法に基づく給付の支給要件の特例など所要の規定の整備を行うこととされた。
この政令は、平成 28 年4月1日から施行される