会 長 声 明 - 日本公認会計士協会

会 長 声 明
平 成 28 年 10 月 13 日
会 員 各 位
日 本 公 認会 計 士協会
会長
関 根 愛 子
非営利法人への公認会計士監査の導入に当たって
平成 28 年3月 31 日に成立した「社会福祉法等の一部を改正する法律」
(平成 28 年法律第 21
号)により、平成 29 年4月1日に開始する会計年度から一定規模を超える社会福祉法人に公認
会計士監査が導入されることとなり、社会福祉法人の規模に応じ、監査を段階導入することとし
た社会保障審議会福祉部会での議論を踏まえ、当該一定規模を規定する政令案が平成 28 年9月
27 日に公表されました。また、平成 27 年9月に成立した「医療法の一部を改正する法律」
(平成
27 年法律第 74 号)により、一定規模以上の医療法人にも、公認会計士監査が導入されることと
なっています。
いずれも各法人の経営組織のガバナンスの強化や経営の透明性の向上を目指す施策の一環と
して、一般に公正妥当と認められる監査の基準に基づく公認会計士監査が導入されるものであり
ます。我々公認会計士には、第一に適切な監査を実施することが求められています。また、監査
を通じ、結果として監査対象法人におけるガバナンスの強化や経営の透明性の向上等の経営力の
強化に資することが求められており、こうした動きは、公認会計士の役割に対する社会的な期待
の高まりとして捉えることができます。
会員各位におかれましては、公認会計士の役割に対する社会的な期待を改めて自覚し、監査及
び会計の専門的知識に加えて、実務を通じて蓄積した知見を十分に活かし、公認会計士監査を実
施し、監査を通じて監査対象法人の経営力の強化に資することができるよう、自ら研鑽に努めて
いただくようお願いします。
なお、監査の実施に当たっては、適切な監査時間や報酬を確保することで監査の品質を確保す
るとともに、監査対象法人の関係者が、監査時間も含めた監査に関する事項を理解し、効果的な
連携をもたらすような関係を構築するためにも、適宜十分なコミュニケーションを図り、監査対
象法人の特性に合わせ、効率的・効果的な監査を行うことなどにも留意いただくようお願いいた
します。
当協会としましても、公会計協議会に社会保障部会を設置し、これらの非営利法人に関する制
度、会計及び監査についての研修や専門的な情報の提供等を行う等、会員の支援を行っています
が、非営利法人への公認会計士監査の円滑な導入と品質確保のための会員支援の活動を更に進め
ていく予定です。さらに、個々の監査の品質が確保され、適切に実施されていることを確認する
ため、自主規制機能の機動的な発揮など、今後必要となる施策も検討していきます。
以
上