教育学部FD活動 個性的能力と創造性 を伸ばすほめ方 今なぜ、個性や創造性が大切か • 不確実な時代を生きる力 • 分野によっては、科学技術・経済・学問が世 界トップにある • 「学び」に加えて「創り」が必要 • 創りには、学生一人ひとりが「自分の意見」を もち、議論・協議して「新たな知識」を創出す る過程が不可避⇒ ほめることが必要 • [教育基本法]⇒重点目標⇒「個性と創造性の 育成」 しかる文化とほめる文化 • 日本 ⇒ しかる文化 • 正しいもの(教科書、本、講義、)が決めら れていて、「しかる」 ことで、それに近づける • この文化の問題点⇒自己尊厳(セルフ・エス テーム)が「極度に低い」 • 西欧(特に米、加) ⇒ ほめる文化 • その人らしい意見、アイデア、行動、・・をほ めることで伸ばす。⇒ 「創り」につながる 「しかる」と「ほめる」の意味 • 1.しかる ⇒ ①やっていることがまちがっている。 ②私が「教える人」であって、あなたは未熟な「学ぶ人」であ る → 上下関係。 ③感情に訴えて ⇒ がんばらせる • ⇒ ③は現代の若者には、通じにくい。 • 2.正す(糺す)⇒ 間違いを指摘し、直す。感情はな し。 • 3.ほめる ⇒ ①やっていることが正しい。② やっていることが優れている。③そのまま続けなさ い。④私はあなたを認めている。⑤あなたを賞賛し ている。 8つの個性的能力 • ①学問的能力(AIQ): 学校での教科の授業・特別活動等に関する能 力 • ②創造性(CIQ): 新たな何かを創出する能力 • ③判断力(JIO): よい決断をする能力 • ④巧緻性(Dexterity IQ): 目・頭脳・手足などの共応的な能力 • ⑤共感性(EIQ): 他者の感情や考えを理解し、受容できる能力 • ⑥モチベーション(MIQ): 意欲ややる気にかんする能力 • ⑦パーソナリティー(PIQ): 性格や人格 ①-⑦は A.スクローム の提唱 • + • ⑧リーダーシップ・フォロワーシップ(L&FIQ): 集団を牽引・サポートす る能力 教師と大学生のほめ言葉比較(1) 14 12 回答紙1平均 10 8 6 4 2 0 教師 1年生 3年生 教師と大学生のほめ言葉創出力比較 20 18 回答紙2平均 16 14 回答紙3平均 12 10 8 6 4 2 0 教師AIQ 教師CIQ 教師LS 1年生AIQ 1年生CIQ 1年生LS 3年生AIQ 3年生CIQ 3年生LS 学問的能力AIQを伸ばすほめ方 (FDワークショップより) • • • • • • • • • • • • ・前に習ったことが活かせているね。 ・正しい言葉使いができたね。 ・よく読みとることができたね。 ・難しいことばをよく知っているね。 ・頭の回転がはやいね。 ・その考え方には筋が通っているね。 ・学んだことが身に付いているね。 ・教えたようにできて、えらい。 ・自分の考えが分かり易く人に伝えられたね。 ・もうできたの。速いね。 ・見直しがよくできているね。 創造性CIQを伸ばすほめ方 (FDワークショップより) • • • • • • • • • • • • • • • • ・さすが「・・君」、本当君らしい考え(表現)だ。 ・なかなか人が思いつかないアイデアをよく考えたね。 ・時代を先取りする考えだ。 ・たくさんのアイデアを思いついたね。 ・最後まで辛抱づよくよくやり遂げたね。 ・そのレポートはいろいろな観点からよく吟味されているね。 ・こんな粗末な材料で、よくこんな作品が出来たものだ。 ・その「もしかしたら」という風に「仮定」して考えた点がすばらしい。 ・あなたの発想はユニークですね。 ・困難な課題に取り組んだ「勇気」に乾杯だ。 ・あなたの挑戦に先生は、脱帽だね。 ・そのポスターの配色が傑出しているよ。 ・オリジナルな感じでいいね。 ・目のつけどころがいいね。 ・みんなと違う意見を言えて、すごい。 ・その考えは誰もしていないなあ。 ワークショップ感想等(1) <今後使いたいほめ方> • ・自分の考えをわかりやすく人に伝えられたね。 • ・視点をうまく変えられたね。 • ・あなたの考えを聞いて、私も考えがかわったね。 • <見つけ出したこと等> • 「叱ることでは個性を伸ばせない」という言葉が印象的だった。叱ることでは、伸 ばしたい能力以外すべてを叱って潰さなくてはならないが、ほめることは、伸ばし たい能力をほめればいい。言われてみれば簡単だが、それに気付くことはなかな かできず、今までの自分だったら、ただ子どもを叱ることしかできないと思った。 • <感想> • 「ほめる」ことの重要性について、もっとたくさんの人に気付いてもらいたいと、思 います。自分の今までもってきた考えや価値観を変えることに、抵抗があると思 いますが、新しいこと・新しい観点をもつことも、重要だと思います。 • 特に、これから教師となり、子どもたちを育てる立場にある学生たちには、もっと 「ほめる」ということについて、考えてもらいたいです。何も知らないままだと、自分 が受けてきた教育=叱る教育を、子どもたちにしてしまうからです。「ほめて伸ば す」という言葉はよく聞きますが、そのほめ方もしっかりと、何を伸ばしたいのか、 どう伸ばしたいのか、そういうことを考えて行わなければならないと思います。 ワークショップ感想等(2) • ①創造性を伸ばすほめ方は今の日本にとって必要なことだと思 う。 • 子供を認めてあげるほめ方が重要だと思う。 • 中でも、○○○らしいね、とその子を尊重するほめ方がよいと思っ た。 • ②叱ってしまっては、子どもは委縮してしまうが、ほめることで子ど もは自分に自信をもつことができるのではないか。 • ③貴重なご講演ありがとうございました。 • 具体的にほめることの大切さを感じました。 • また、創造性を伸ばすなど、伸ばしたい力を考え、それに合わせ てほめ方を変えていくことの大切さに気付くことができました。 • 褒めることの重要性を学んだが、日本には叱る文化が根付いてい る。叱ることをやめ褒めることをするのではなく、双方をバランスよ く、その場の状況によって使い分けていくことも必要だと感じた。 ワークショップ感想等(3) • ① 人に自分の思いを伝えられた時に、その伝えた人をほめるこ とはほとんどないので、ほめていくといいポイントだと思いました。 • ② 叱るの中には、自分と相手との社会的な優劣をつけるという 思惑がふくまれているということに、ハッとさせられました。親が子 に、教師が生徒に、といった関係の中で相手を叱る時は、自分の 立場を守るため、自分の価値を示すために叱ることはやってはい けないし、相手にとってプラスにならないと感じました。その要素を なくした上で“叱る”ということは大切なことだと思います。また“ほ める”ということが相手に自信を与え、生きる支えになるという点も とても興味深かったです。その人そのものを認め、大切にすること で、人はつらくても生きていけるんだと思いました。 • ③ ほめ方も様々なものがあるけれど、ほめる場面というのもま た、本当は無数にあるのだと気付かされました。明いてをどの場 面で、どうやってほめようかな?と考えることは、教師にとって大切 なことであり、人と関わりを深める中でも大切な要素であると感じ ました。
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