個性的能力と創造性を伸ばすほめ方(2012

教育学部FD活動
個性的能力と創造性
を伸ばすほめ方
今なぜ、個性や創造性が大切か
• 不確実な時代を生きる力
• 分野によっては、科学技術・経済・学問が世
界トップにある
• 「学び」に加えて「創り」が必要
• 創りには、学生一人ひとりが「自分の意見」を
もち、議論・協議して「新たな知識」を創出す
る過程が不可避⇒ ほめることが必要
• [教育基本法]⇒重点目標⇒「個性と創造性の
育成」
しかる文化とほめる文化
• 日本 ⇒
しかる文化
•
正しいもの(教科書、本、講義、)が決めら
れていて、「しかる」 ことで、それに近づける
• この文化の問題点⇒自己尊厳(セルフ・エス
テーム)が「極度に低い」
• 西欧(特に米、加) ⇒ ほめる文化
•
その人らしい意見、アイデア、行動、・・をほ
めることで伸ばす。⇒ 「創り」につながる
「しかる」と「ほめる」の意味
• 1.しかる ⇒
①やっていることがまちがっている。
②私が「教える人」であって、あなたは未熟な「学ぶ人」であ
る → 上下関係。 ③感情に訴えて ⇒ がんばらせる
•
⇒ ③は現代の若者には、通じにくい。
• 2.正す(糺す)⇒
間違いを指摘し、直す。感情はな
し。
• 3.ほめる ⇒
①やっていることが正しい。②
やっていることが優れている。③そのまま続けなさ
い。④私はあなたを認めている。⑤あなたを賞賛し
ている。
8つの個性的能力
• ①学問的能力(AIQ): 学校での教科の授業・特別活動等に関する能
力
• ②創造性(CIQ): 新たな何かを創出する能力
• ③判断力(JIO): よい決断をする能力
• ④巧緻性(Dexterity IQ): 目・頭脳・手足などの共応的な能力
• ⑤共感性(EIQ): 他者の感情や考えを理解し、受容できる能力
• ⑥モチベーション(MIQ): 意欲ややる気にかんする能力
• ⑦パーソナリティー(PIQ): 性格や人格
①-⑦は A.スクローム
の提唱
• +
• ⑧リーダーシップ・フォロワーシップ(L&FIQ): 集団を牽引・サポートす
る能力
教師と大学生のほめ言葉比較(1)
14
12
回答紙1平均
10
8
6
4
2
0
教師
1年生
3年生
教師と大学生のほめ言葉創出力比較
20
18
回答紙2平均
16
14
回答紙3平均
12
10
8
6
4
2
0
教師AIQ
教師CIQ
教師LS
1年生AIQ
1年生CIQ
1年生LS
3年生AIQ
3年生CIQ
3年生LS
学問的能力AIQを伸ばすほめ方
(FDワークショップより)
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・前に習ったことが活かせているね。
・正しい言葉使いができたね。
・よく読みとることができたね。
・難しいことばをよく知っているね。
・頭の回転がはやいね。
・その考え方には筋が通っているね。
・学んだことが身に付いているね。
・教えたようにできて、えらい。
・自分の考えが分かり易く人に伝えられたね。
・もうできたの。速いね。
・見直しがよくできているね。
創造性CIQを伸ばすほめ方
(FDワークショップより)
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・さすが「・・君」、本当君らしい考え(表現)だ。
・なかなか人が思いつかないアイデアをよく考えたね。
・時代を先取りする考えだ。
・たくさんのアイデアを思いついたね。
・最後まで辛抱づよくよくやり遂げたね。
・そのレポートはいろいろな観点からよく吟味されているね。
・こんな粗末な材料で、よくこんな作品が出来たものだ。
・その「もしかしたら」という風に「仮定」して考えた点がすばらしい。
・あなたの発想はユニークですね。
・困難な課題に取り組んだ「勇気」に乾杯だ。
・あなたの挑戦に先生は、脱帽だね。
・そのポスターの配色が傑出しているよ。
・オリジナルな感じでいいね。
・目のつけどころがいいね。
・みんなと違う意見を言えて、すごい。
・その考えは誰もしていないなあ。
ワークショップ感想等(1)
<今後使いたいほめ方>
• ・自分の考えをわかりやすく人に伝えられたね。
• ・視点をうまく変えられたね。
• ・あなたの考えを聞いて、私も考えがかわったね。
• <見つけ出したこと等>
• 「叱ることでは個性を伸ばせない」という言葉が印象的だった。叱ることでは、伸
ばしたい能力以外すべてを叱って潰さなくてはならないが、ほめることは、伸ばし
たい能力をほめればいい。言われてみれば簡単だが、それに気付くことはなかな
かできず、今までの自分だったら、ただ子どもを叱ることしかできないと思った。
• <感想>
• 「ほめる」ことの重要性について、もっとたくさんの人に気付いてもらいたいと、思
います。自分の今までもってきた考えや価値観を変えることに、抵抗があると思
いますが、新しいこと・新しい観点をもつことも、重要だと思います。
•
特に、これから教師となり、子どもたちを育てる立場にある学生たちには、もっと
「ほめる」ということについて、考えてもらいたいです。何も知らないままだと、自分
が受けてきた教育=叱る教育を、子どもたちにしてしまうからです。「ほめて伸ば
す」という言葉はよく聞きますが、そのほめ方もしっかりと、何を伸ばしたいのか、
どう伸ばしたいのか、そういうことを考えて行わなければならないと思います。
ワークショップ感想等(2)
• ①創造性を伸ばすほめ方は今の日本にとって必要なことだと思
う。
• 子供を認めてあげるほめ方が重要だと思う。
• 中でも、○○○らしいね、とその子を尊重するほめ方がよいと思っ
た。
• ②叱ってしまっては、子どもは委縮してしまうが、ほめることで子ど
もは自分に自信をもつことができるのではないか。
• ③貴重なご講演ありがとうございました。
• 具体的にほめることの大切さを感じました。
• また、創造性を伸ばすなど、伸ばしたい力を考え、それに合わせ
てほめ方を変えていくことの大切さに気付くことができました。
• 褒めることの重要性を学んだが、日本には叱る文化が根付いてい
る。叱ることをやめ褒めることをするのではなく、双方をバランスよ
く、その場の状況によって使い分けていくことも必要だと感じた。
ワークショップ感想等(3)
• ① 人に自分の思いを伝えられた時に、その伝えた人をほめるこ
とはほとんどないので、ほめていくといいポイントだと思いました。
• ② 叱るの中には、自分と相手との社会的な優劣をつけるという
思惑がふくまれているということに、ハッとさせられました。親が子
に、教師が生徒に、といった関係の中で相手を叱る時は、自分の
立場を守るため、自分の価値を示すために叱ることはやってはい
けないし、相手にとってプラスにならないと感じました。その要素を
なくした上で“叱る”ということは大切なことだと思います。また“ほ
める”ということが相手に自信を与え、生きる支えになるという点も
とても興味深かったです。その人そのものを認め、大切にすること
で、人はつらくても生きていけるんだと思いました。
• ③ ほめ方も様々なものがあるけれど、ほめる場面というのもま
た、本当は無数にあるのだと気付かされました。明いてをどの場
面で、どうやってほめようかな?と考えることは、教師にとって大切
なことであり、人と関わりを深める中でも大切な要素であると感じ
ました。