9.光基礎

基礎物理問題集
9.光基礎
No-1
◎ P1 光基礎 次の空白を埋め、問題に答えよ。
(色は赤、又は青を入れる)
光は­ の 1 種で媒質の振動方向と波の伝達方向が な である。さらに進行方向をz軸にとるとx軸方向と y 軸方向の
9光基礎
解答 No-1
P1 順に
class
No.
Name
電磁波、垂直、横波、偏光、3.0 × 108m/s、少し遅く、より遅く、分散、青、赤、
短か、大き、紫外線、小さ、長、小さ、赤外線、熱
という 2 つの自由度が加わる。光の速さは真空中では一定で である。しかし物質中では波長が大きいと なり、波長が短いと
なる。これを という。
P2 ア)偏向をしていて 2 枚の偏光板を回転させると通過する
よって様々な波長が混じった白色光はプリズムなどを通ると 色の光が
光の量が変化する。
色よりもよく屈折するので虹色の色が人間には見える。人間に見える色
イ)光電効果 光の量と電流の量に不連続な関係がある。
の領域は可視光と呼ばれ、これより振動数が大きく、波長は く、エネ
ルギーが い領域の電磁波が で、化学反応と関係深い。
*光は波と粒子の両面を持っている。
逆に可視光の領域より振動数が く、波長が く、エ
P3 光は物質中では遅くなり、下にドロップ。
ネルギーが い領域の電磁波が で、分子運動に影響を与
え、 と関係深い。
P2 光の性質
P
ア)光が横波である証拠を示せ。 イ)光が粒子である証拠を示せ。 ◎ P3 屈折
Q
ア)図のように水(屈折率 1.3)の入ったビーカーにレーザーを入射する。
水中でのレーザーの経路をかけ。
イ)また、同じ角度でまっすぐな棒を同じ水の入ったビーカーに入れる。
図の観測点 P からこの棒を見るとどう見えるか。
ア)水中の方が遅いの
イ)棒の先端は図のよ
ウ)屈折率が同じであ
ウ)また、水と同じ屈折率のコップを沈めるとどうなるか。
で図のように下に折れ
うに屈折して P 点に
ればその境界が見えな
エ)中央の図のように棒を 60°の角度で 10cm だけ水中に入れる。点 Q か
たように屈折する。
いく。よって人からは
くなるので透明になっ
ら観測した棒の先端の深さは何cmか。視点を P 側に写すと深さはどう
棒の先端はもっと浅い
たかのように見える。
変化するか。
位置点 Q に見えるの
屈折率が同じだと反射
で上に折れたように見
もおきないことを知っ
える。
ておく。
P
Q
60°
エ)棒の先端は 10Sin60 =5√ 3 = 8.5cm の深さにある。みかけの距離が
☆公式・Point 赤色:650nm, 青色 350nm
d/ nだから Q 点からの深さは 8.5/1.3 = 6.5 cm
光は電磁波の1つで横波、偏光の2成分を持つ。振動数が大でエネル
P 側にずれると光が水中を通る距離が長くなるので屈折率の影響をより受
ギーも大になる。 光学距離 nd みかけの距離は d/n
けることになり、より浅くみえる。
基礎物理問題集
9.光基礎
9光基礎
No-2
P1 光の性質 色・明るさ
class
No.
解答 No-2
P1 ア)可視光の中では短い領域だから青
ア)黄色の光と青色の光がある。波長が 400nm に近いのはどちらか。
イ)波長が短い、つまり振動数が大きいほどエネルギーは大きい
イ)黄色の光と紫の光でエネルギーの大きいのはどちらか。
よって紫
ウ)ある光源から1m離れたところでの照度が200lux である。
ウ)照度は距離の 2 乗に反比例するから 1/4 で50lux
この光源から2m離れると照度はどうなるか。
エ)赤色に見えるのは赤以外の色を吸収してしまうから。
エ)赤色と青色に着色したフィルムに 633nm のレーザを照射する。
633nm は赤に近いから赤色のフィルムの方が透過量は多い。
Name
透過する量が多いのはどちらのフィルムか。
○◎ P2 光の種類
P2 ア)大気の中の分子が特定の波長の光を吸収するので B
次は A. 白色光、B, 太陽光、C. 単色 LED、D. レーザー光のうちどれか
イ)可視光の領域のあらゆる波長を含んでいるので A
ア)分光器でスペクトルを観測したら黒い吸収スペクトルが見えた。
ウ)特定波長のみ含んでいるので C
イ)分光器でスペクトルを観測したらほぼ一様な虹色が観測できた。
エ)位相も波長も揃えて進行方向に広がらない波である D
ウ)分光器でスペクトルを観測したらある波長の輝線が見えた。
エ)波長と位相が一定の電磁波である。
レーザー光 LED 光 白色光 ○◎ P3 光の種類 ヤングの実験
位相も波長も
位相はバラバラだが
位相も波長もバラバ
次のように 2 つのスリットに A レーザー、B、赤色 LED、C 白色光を当
揃った波
波長は揃った波
ラなので赤ほどよく
てた。その結果できるスクリーンの像を描け。この現象を何というか。
図は2つのスリットから同位相の波が出ているとして描け。
曲り外側にいく。
中心は明るく
等間隔に点状
にやや暗くな
スリット
る点が出る。
逆に青は中心側に片
どの場合も中心付近
寄る。中心はほとん
が明るくなる。レー
どの光が混ざるので
ザに比べると点でな
明るく白い。色のつ
く広がりを持つ。
いてない所は黒
白
この現象は光がスリットによりホイヘンスの原理に従って回折がおきて、
さらにその回折波が干渉し、強め合ったり弱め合ったりする現象である。
光の波動性を示している。回折なので波長の長い赤色ほどよく曲り、外側
スクリーン
☆公式・Point 太陽光は吸収スペクトル にずれ、青色は曲りが少ないことは分散と反対なので注意する。
【次数m】これから波が干渉する条件として半波長の偶数、奇数倍になる
ヤングの実験:回折による干渉、赤ほどよく曲がる。光は波である証明
ことをよく使う上図の点や模様がこの次数 m に相当し、中心が
レーザー光:位相も波長も揃っている。LED:波長が揃っている
m=0に対応する。
基礎物理問題集
9光基礎
9.光基礎
No-3
○◎ P1 光の種類 ヤングの実験 公式
class
No.
Name
解答 No-3
P1 レーザー光源だから 1 枚の複スリットから位相が揃って出てくる。
次のように 2 つのスリットにレーザを当て、スクリーン上の明るい点の間隔
行路差をΔとして、図のように記号を置くとΔ=l1ーl2三平方の定理から i
をΔxを求めよ。また d を大きくするとΔxはどうなるか。
原点から位置xではΔ=√ (L2+(x+d/2)2) ー√ (L2+(x+d/2)2)
ただし、L はdに比べ十分に長いとしてよい。
=L( √ (12+((x+d/2)/L)2) ー√ (12+((x+d/2)/L)2)
ここで x が小さければ√ (1+x) ≒1+ x/2 から Δ= xd/L となる。
行路差がmλであれば強めあう。よってmλ=xd /L ①
Δx
変化量をとるとm、xが変数だからΔmλ=Δxd /L Δm=1より
d
としてΔ x=L λ / d②
O
L
よってdが大きいとΔxは小さい。
l1
l2
スクリーン
○◎ P2 光の種類 ヤングの実験
x
x-d/2
この結果は重要で他の干渉でもス
リットや格子幅が狭いほど輝線の間
x+d/2
隔は広がる。よって非常に幅の狭い
L
ものを測ることができる。
次のように 2 つのスリットにレーザを当て、スクリーンの干渉の様子をその
B ア)A、同じスリットの数を増やした場合
4
2
3
1
1.0
0.8
0.6
1
2
スリット数が増えると強度が強くなるだけ、輝点の数は変わらない。
0.4
ヤングの実験:輝点間隔Δx= L λ / dスリット間隔が狭いほど広がる。
2
2
☆公式・Point
x<< 1なら (1+x) ≒1+ nx
n
1
1
く一定
d /2
2
4
3
2
1
の距離は十分長
15
1
スクリーンまで
d /2
10
2
d /2
1
A B C D
スクリーン
d
5
D、間隔を d/2 にして増やした場合
0.2
C、スリットの間隔を広げた場合
C D
1
1
1
B、スリットの穴の大きさを小さくした場合
2
A 2
2
強度で示してある。
(右にいくほど明るい)
スリット数が増
スリットの大きさが
B を拡大して見
P1 の②より
えても点の数に
小さいと回折は大き
ればCになる
スリット間隔d
変化はない。
くなる。そのためコ
のでBの明る
が小さくなると
コントラストが
ントラストがぼや
さが増した像に
明暗の間隔は広
はっきりして明
け、暗くなり、点の
なるが点の数に
がるので概略は
るくなる。
明るさの差はなめら
変わりはない。
上図のようにな
かになる。
る。
基礎物理問題集
No-4
P1 光の性質
9.光基礎
9光基礎
class
解答 No-4
P1 光の性質
ア)波の現象が素元波をもとに説明できることを示した人はだれか。
ア)ホイヘンス
イ)光が最短時間の経路を選ぶことを示した人はされか。
イ)フェルマー
ウ)紙に開けた小さな穴がレンズの役割をするのは何という性質か。
ウ)回折
エ)複数のスリットを通した光は明暗の干渉模様をスクリーンに作る。
エ)間隔は大きく広がる。
この干渉模様の間隔はスリットの幅が小さくなるとどうなるか。
オ)位相を揃える。
No.
Name
オ)この時のスリットの役割をいえ。
◎ P2 分散 穴埋めをして問題に答えよ。色は赤、青で答えよ。
P2 ア) 屈折、スネル、青、より遅く、赤、やや遅く、青
ア)プリズムなどに白色光を通すと光は し、色に分かれる。
*分散と回折では曲り方が反対、スリットでは波長の長い方がよく
これは虹ができる原理でもある。屈折角は の法則から
まがり、プリズムでは振動数が大きいとみかけの速度が遅くなるの
媒質中の光の速さによって決まる。物質中では 色が振動数が
でよくまがる。前者は回折、後者は分散
大きいので なり、逆に 色は なる。
よって 色の光ほどよく屈折するために色に分かれる。
イ)
イ)次のようなプリズムを通したあとの光の分散を色でスクリーン上
白色光
白色光
に示せ。
白色光
白色光
赤
紫
紫
赤
☆ P3 偏向 光の偏向について次に答えよ。
☆ P3 直線偏光はy成分のないイ、円偏向は 2 乗してたすと1になる成分を
ある光のx成分とy成分が次のように表されている。
持っているア。ウ、エは振動数が異なるので単色光の偏向ではない。
これを進行方向からみたy-xグラフにしてみよ。
ア)円偏向↓1.0
ア)x= sin 2πt y= cos 2 πt
イ)x= sin 2πt y=0
ウ)x= sin 2πt y= cos 4 πt
エ)x= sin 4πt y= cos 2πt
この中で直線偏光、円偏向はどれか。また単色光の偏向ではないのは
どれか記号で答えよ。
☆公式・Point
物質中では運動エネルギーの大きい紫、青の光は大きく遅くなる。
赤の光はやや遅くなる。
ウ)→
エ)
0.5
イ)直線偏向↓
1.0 0.5
0.5
1.0
0.5 1.0
1.0
0.5
1.0 0.5
0.5
1.0
0.5 1.0
▽参照:物理数学リサージュ
基礎物理問題集
9光基礎
9.光基礎
No-5
P1 光の性質・スネルの公式
解答 No-5
P1
ア)虹ができた時の一番上と下の色を示せ。
ア)A6のイの球の分散を参考にして考える。人間の視点は下の方に class
No.
Name
あるので虹の上が赤、下が紫になる。
イ)相対屈折率を n12 絶対屈折率を n1,n2 とし、波長λ 1、λ2,
イ)絶対屈折率だけ反対になる
速さv1、v2、入射角θ1,屈折角θ2としてスネルの公式を書け。
n12 = n2 = sini1 = m1 = V1
n1 sini 2 m 2 V2
◎ P2 光の性質 スペクトル
虹
人の視線
赤
水滴
紫
ア)分光器で白熱灯を見た時の様子を図示せよ。
P2 光の性質 スペクトル
また、このスペクトルを何というか。
ア) 連続スペクトル
イ)分光器で蛍光灯を見た時の様子を図示せよ。
ウ)分光器で太陽光を見た時の様子を図示せよ。
イ) 図の色は正確ではない。
また、このスペクトルを何というか。
多くの輝線が見える、原子から発光したものである。
エ)スペクトルが不連続に見えたとき、その原因は何か。
ウ) 吸収スペクトル
◎ P3 光学距離 次の空白をうめよ
イとは逆に原子に吸収されるため暗線が観測できる。
屈折率がnの媒質内で距離 d は屈折率が1の媒質内では距離 になる。
エ)電子の軌道はエネルギー準位で決められている。従ってこの準位
これを という。また、真空中で距離 d は屈折率nの
が変化するとそのエネルギーE=hνに等しい振動数の光が放出さ
媒質内では真空中から見れば距離 に見える。
れる。また、逆に光のエネルギーが吸収され準位が変化するそのた
めイ、ウのような輝線や暗線ができる。原子の特定にも利用さる。
◎ P4 平行版プリズム
媒質 I、Ⅱの絶対屈折率は1,√2とする。図のように入射角 45°で光を入射
P3
させた。c=3.0 × 10 [m/s] とする。
順番に nd、光学距離、d/n
ア)
媒質Ⅱでの屈折角、さらに 3 枚目の媒質Ⅰ
Ⅰ
の屈折角を求めよ。
P4 ア)スネルの式からⅠ、Ⅱでの屈折角をθ1,θ2とすると
Ⅱ
イ)Ⅰでの波長を400nm(
青)とすると
これからⅡでの屈折角は 30°
、つまり3層
Ⅱでの波長と速さはどれだけか。
Ⅰ
また、外から見ると何色に見えるか。
目への入射角も
30°
だから次に、
sin 45
ウ)媒質Ⅱ中で光が50mm 進んだ。
これは媒質Ⅰ中では何mになるか。
☆公式・Point
レーザーは単色で位相も一定
イ)スネルの式からλ=400/ √2 283nm
スネルの
ウ)光学距離の式からnS=√2× 50 × 10 ー3= 7.0 × 10 ー2m
8
公式
n12 = n2 = sini1 = m1 = V1
n1 sini 2 m 2 V2
LED は単色、白熱は混色、
太陽光は吸収スペクトル
n12 = 2 =
sin i2
ⅡからⅠでは元の入射線と平行になるはず
だから45°
紫の領域だが、外からみれば変わらず青
基礎物理問題集
9.光基礎
No-6
○◎ P1 みかけの位置
9光基礎
解答 No-6
D
class
P1 ア)
C
次のような幅3m、深さ4mの池がある。この池の点 P の位置に発光体があ
る。水の屈折率は4/3としてよい。
D
ア)観測点を B から C に動かすとき、発光体の見か
C
A
B
4m
P
A
ウ)C 点から観測点をさらに図右に移動していく、
水面下の長さが小さく見える影響は減る。(水中での
4m
P
3m
C
見かけの深さ
A
あるところで発光体は見えなくなる。この位置は
3m
線 AP に近づく。垂線に近づくほど
B
けの深さはどう変化するか。
また、D 点から見る見かけの深さを求めよ。
Name
図のように B から C に移動すると屈折後の光線は垂
けの深さはどう変化するか。
イ)次に観測点を C から D に動かすと発光体の見か
No.
θ2
C' は C からどれだけか、またその時の発光体のみか
けの深さを求めよ。ただし、BC の高さは2mとする。
経路が短い)従って深く見える。
C'
θ1
B
4m
イ)同様にして C から D は垂線 AP に近づくので見
かけの深さは深く見えるようになっていく。
D 点では見かけの深さは最も大きくこの時は直線上に
あるから見かけの深さhは
光学距離は nS
光学距離がn S になることから
見かけの距離は S/n
h=4/ n=4×3/ 4=3 3m
Q
エ)次に AP 上で発光体を上方に動かす。ある深さになると B 点を通る発光体
からの光がなくなった。この深さを求 めよ。ただし、√7=2.7とする。
ウ)この時、左図のような関係になっている。特にθ2については
また、この時 C’ の位置から発光体の光は見ることができるか。
△ PQB が3:4:5の
直角三角形であるから sin θ2=3/ 5 従ってスネルの法則から
n2 4 sin i1 5 sin i1
n1 = 3 = sin i2 = 3
P2 レンズ基礎 次の空白をうめよ
レンズの公式においてbが負なら ができ正なら になる。
また、fが負なら レンズで正なら レンズである。
sin i1 = 4
5
エ)
A
レンズを半分覆いでかくしてできる像はかくす前と比べて なる。
よって345の
直角三角形から
cos i1 = 3
5
AB の長さ3は比でいえば4だから見かけの深さは
3× 3/4 =2.
3m
BC の長さ2は比でいえば3だから CC' =4× 2/3 =2.
7m
B
3m
h θ
3
水→空気では全反射が起きるこの時の角度をθ3とすると
スネルの法則から屈折角はπ / 2だから sin θ 3 = 3/4 と
実際のレンズの焦点は1点からずれることがあるこれを という。
なる。よって cos θ3=√7/ 4 ∴ tan θ3=3/ √7
例えば赤色は青色に比べて焦点距離が なる がある。
一方で深さをhとすると図から tan θ3= 3/h これは赤色の方の屈折角が ためである。
よってh=√7=2.
7m
C' では B 点より左の水面で屈折した光が届くから見える。
☆公式・Point 空気の屈折率は1、液体屈折率をnとする。
みかけの距離 ( 液体中での長さ ) は s'=d/ n
光学距離(真空中になおした距離)はs =n d
P2
順番に 虚像、実像、凹、凸、暗く、収差、長く、色収差、小さい
基礎物理問題集
No-7
P1 レンズ
9.光基礎
9光基礎
解答 No-7
P1 証明は簡単なので略
class
No.
Name
焦点距離f:物体までの距離 a: 象までの距離b
レンズの公式を導け。
テキスト参照せよ
mは倍率 b<0なら虚像、
b>0なら実像f>0なら凸レンズ、f<0なら凹
◎ P2 レンズの性質 1
1 1 m
b
= a
f =a+b
ア)図のように空気中で焦点距離がfのレンズを屈折率が空気より大きい
P2 ア)屈折率がレンズと同じまで大きくなれば光は直進する。
液体の中に入れた場合焦点距離はfより大きくなるか、小さくなるか。
よってfは大きくなる。
P
f
物体
レンズ
イ)レンズの像は左右上下反転がおきるので結局 180°
の回転になる。
F
しかし F をf側から見た時には左右が反転した になっているので
F
スクリーンの後ろからは に見えるが前からは に見える。 F
イ)上図の物体の位置に P から見て F という文字を切り抜き置く。
*反転が 2 回起きているので結局 F を 180 度回転させればよい。
P 側から光を当てf側にスクリーンを置くと像が写ったその像を描け。
レンズの一部を覆っても像に変化はなく、光量が減るので暗くなる。
ただし、スクリーンは透過せず、レンズ側から見るとする。
P3 ア)1/10=1/15+1/bからb= 30 cm 倒立実像
また、レンズの上半分を暗幕で覆うとこの像はどうなるか。
m= 30/15 倍率は 2 倍 よって像は4×2=8cm
◎ P3 凸レンズ
イ)1/10=1/5+1/bからb=ー 10 cm 正立虚像
ア)焦点距離が10cmのレンズの手前15cmに高さ4cmの物体を置い
m= 10/5 倍率は 2 倍 よって像は4×2=8cm
イの正立虚像
た、像の位置を図示し、その種類をいえ、また像の高さを求めよ。
イ)焦点距離が10cmのレンズの手前5cmに高さ4cmの物体を置いた、
1.焦点の線を描く
像の位置を図示し、その種類をいえ、また像の高さを求めよ。
2.中心線を直線で
◎ P4 凹レンズ
描く
アの倒立実像
ア)高さ6cmの物体をレンズの手前 24cm に置いたところ物体からレンズ
3.交点に像をつくる。
の方向に 16cm の所に像ができた。この像とレンズの種類、像の高さを求めよ。
P4
イ).焦点距離が10cmの凹レンズを置き、図のように6cmの高さのピン
ア)問題から a=24,b= ー8である。これから像の種類は正立虚像
をレンズから20cmの所に置く
レンズの公式から
像の位置を図示し、その高さ , 種類をもとめなさい。
f<0から凹レンズ 1
1
1
f = 24 - 8
f =- 12
倍率m=8/24 =1/3 よって高さは2cm イ)図のように正立の虚像ができる。レンズの公式から
1
1
1
- 10 = 20 + b b =- 6.7cm
☆公式・Point
焦点距離f:物体までの距離 a: 象までの距離b
1
1 1 m
b
= a
f =a+b
mは倍率 b<0なら虚像、b>0なら実像f>0
なら凸レンズ、f<0なら凹レンズ
b
m=20/60=1/3
よって高さは2cm
基礎物理問題集
9 光基礎
9.光基礎
No-8
○◎ P1. 望遠鏡 レンズ センター
P1 ア)
1/f=1/a+1/b より 1/6=1/10+1/b だから b = 15 図のように光学台にろうそくと焦点距離が 6cm の凸レンズとスクリーンを
よって逆順から次の位置は a=15、b=10 倍率が小さくなるので 小さくなる
class
解答 No-8
No.
Name
つけ、はじめにろうそくとレンズの距離が 10cm の時スクリーンに倒立した
像が現れた。
イ)a=15、b=10 よって高さh=5× 10/15=3.3 cm
ア)この状態でろうそくをレンズ
から遠ざかる方向(図左)に移動させた。
ウ)屈折率がレンズに近づくほど伸びてレンズと同じになれば平行線になり
次にスクリーンを動かすと丁度ろうそく
焦点はできない。よって 焦点距離は水中のほうが長い。
とスクリーンの距離が初めと同じ位置になった時に倒立の像が現れた。
この像ははじめの像と比べると大きいか小さいか。
エ)
イ)アの時のろうそくの高さを 5cm とすると像の高さは何 cm か。
ウ)このレンズを水の中に入れた場合焦点距離は長くなるか短くなるか。
F
オ)
レンズは回転の作用しかしない。しか
像が暗くなるだけで
し電光板を F でみている向きと反対を
全体が見える。
向くので反転が 1 回入る。
エ)ろうそくのかわりにレンズの左側にレンズ側からみてFという字が発光さ
物体と凸レンズまでの距離は無限大と考えられるから 1/f=1/a+1/b で a= ∞とする
れる電光板を置く。スクリーンにうつる像を描け。また、レンズの上半分を
とf=b=6となるので凸レンズから右に 6cm のところに実像ができる。① 不透明な紙で覆った場合の像の変化を示せ。
凹レンズと凸レンズの距離xとし、凹レンズにから負に 20cm の所に像ができる
オ)次にこの凸レンズと焦点距離が 4cm の凹レンズを用いて凹レンズを凸レ
から 1/f=1/a+1/b より -1/4=-1/20+1/a から a=-5 となるのでレンズの右に 5cm の
ンズの右に置き、望遠鏡をつくりたい。物体は図左の遠方にあると考えてよ
ところに①の実像があればよいのでレンズの間隔は1cm
い。凹レンズを接眼レンズとしてのぞいた時に凹レンズから像までの距離を
20cm になるように筒の長さを決めたい。凹レンズと凸レンズの距離を
レンズは回転の作用しかしない。観測方向を反転させると(裏→表)反転が
何 cm にすればよいか。ただし、レンズの厚みは無視してよい。
加わる。
◎ P2. レンズ センター
図のように光学台に凸レンズから 10cm 離れた位置 O に光源 ( 点源 ) があり、
レンズから 2cm 離れた位置 Q にスクリーンを置いたら
スクリーンに光源の鮮明な像が映った。
P の位置を原点に Q 方向にx軸をとる。
ア)この凸レンズの焦点距離を求めよ。
P
0
P2 ア)
Q
P
x
Q
イ)
イ)次に光源のみを十分遠方に遠ざけ、同じ位置の凸レンズに光を通しても
Q
f =x
ズを置いたら鮮明な像が映った。このレンズの種類と焦点距離を求めよ。
ウ)
f=ab/(a+b) だから a=10,b=2 を代入し
f= 5/3 = 1.7 cm
遠方からは平行線が来るので図のように凹レ
P
鮮明な像は映らなかった。そこで凸レンズと P 都の間の位置xに別のレン
ウ)はじめのアの状態にもどす。Q点に鮮明な像が写し出されている状態で
レンズの公式から 1/f=1/a+1/b
ンズを入れてアと同じように上向きに変え
る。図のように焦点距離fはxに等しい。
外の屈折率が大きくなると焦点距離はのび、レンズに一致するとレンズ
装置全体を屈折率がより大きい液体の中に入れる。鮮明な像はQ点からどう
は平行に光りを通す。よって鮮明な像の位置はQ点よりx軸の正方向に
変化するか。
移動していく。
基礎物理問題集
9.光基礎
9光基礎
No-9
P1 凹面鏡 鏡像法
class
No.
Name
解答 No-9
P1 焦点距離が鏡の間隔を超えている場合は下図のような鏡像点 P' ができる
図のようにある焦点距離 30 cmの凹面鏡と平面鏡を 20 cm離して置く。
位置。従ってd=30-20から10cm
中心線上に点光源 P を置く。平面境から P までの距離がある距離なると点 P
からの光が元にもどったという。この距離を求めよ。 d
反射は鏡像法!
d
20cm
P'
P
20cm
30cm
P2 逆行原理 図のようにレンズは像と物体を入れ替えても同じ焦点距離で像
を結ぶ。この場合は a>0,b>0 よって最初の像の倍率はm= b/a よって
○ P2 逆行原理 レンズの位置を動かす時の像
h ’ = hb/a 次に像を結ぶ位置は物体からbだけ離せばよい。倍率はm= a/b
高さhの物体とスクリーンの距離を a+b に固定する。はじめ物体からスクリー
よって高さh ’’ = ha/b となる。
ン側 a の所に凸レンズを置くとスクリーンにちょうど像ができた。この時の
a+b が 一 定 な ら 像 と 物 体 を
h
像の高さを求めよ。さらにレンズをスクリーン側に移動させたら再び像がで
きた。この時の物体からレンズまでの位置と像の高さを求めよ。a < b とする。
a
入れ替えても同じ焦点距離
f
f
b
a+b が一定
P3 【顕微鏡】
P3 ア)観察物体との距離が近いので焦点距離の短い B。
焦点距離が A 6.25cmと B 0.9cmの 2 枚の凸レンズで顕微鏡を作り
イ)
たい。ただしレンズ AB の間隔は構造上14cmとする。
接眼レンズ A についてレンズの公式から b= ー25として
ア)A と B どちらを対物レンズにしたらよいか。
1
1
1
a=5
6.25 = a + - 25
イ)この顕微鏡で小物体を見るために対物レンズからどれだけの距離に小物体
を置くのが理想か。図を描いて示せ。 作図の線はレンズの中心を通る線の
みでよい。ただし、構造上接眼レンズから像までの長さを25cmとする。
1
1
1 al 1
=
0.9 = al + 9
従ってb=14-5=9
これから対物レンズ B について
よって1.
0cmの位置に観察物体を置く。
ウ)この顕微鏡の倍率を求めよ。また観察物体を右に
ウ)倍率は2つのレンズの倍率のかけ
動かすと観察している像 はどちらに動くか。
算になる
m=| 25/5 |×| 9/1 |=45
45倍
図より倒立の像になっているから逆
☆公式・Point
a+b が一定なら像と物体を入れ替えても同じ焦点距離
組合わせレンズではまず、像をもとめて、物体とする。
向きで左に動く。
A
a=5
14
25
b=9
a'=1
B
物体
観察像
基礎物理問題集
9.光基礎
No-10
○ P1 ガリレオ式望遠鏡 組み合わせレンズ
図のように凸レンズ B と凹レンズ C を組み合わせて望遠鏡を作る。( ガリレオ
9光基礎
class
解答 No-10
P1 ア)
1
1
No.
Name
1
まず、Bによる像は からb=8cm
にできる。
4=8+b
式 ) 物体 A を高さ6cm とする。
次にこの像を仮の物体としてCで見ると C の焦点距離より大きいので
ア)AB 間が8cm、BC 間が4cm、B の焦点距離 4cm、C の焦点距離 2cm とし
a =-4とする。凹レンズの公式から
物体 A の像を図示し、その大きさを求めよ。
B
C
1
1 1
- 2 =- 4 + b
C
B
物体 A
からb=-4よってCの手前4cm
倍率はm=| b/a |=1、
4
物体 A
よって像の高さは6cm
b=8
ここに仮の物体があるとしたとき、
あたかも凸レンズのように赤点線
で作図する。
イ)次に実際の望遠鏡を考えよう。非常に遠い所にある物体 A の像が C の右
P1 イ)
側から見たら図のようになればよい。像 A の C からの距離が C から左に 8
a =∞としていいからレンズ B の式から 1/4 = 1/ b ' として b ’ は4cm
にしたい。BC 間をいくつにしたらよいか。
C
B
ここに仮の物体をつくる。
像A
次に凹レンズCの式からb=-8だから
1 1
1
- 2 =- 8 + a
よって a =ー8/3=ー2.
7cm
BC間はBと仮の物体までの距離b ’ が4だから4-2.
7=1.
3cm
C
B
像A
1.3
a
2.7
8
ウ) レンズ B は固定するとしてレンズ C を少し右にずらすと像 A は拡大され
b ’ =4
るか縮小されるか?
P1 ウ)
凹レンズに入る光線は平行ではない。
Cを右にずらすと a の大きさは小さくなる。倍率の公式から a が小さくなれ
ば倍率が大きくなるので像は拡大される
☆公式・Point
ガリレオ式は凸と凹レンズで正立虚像
ケプラー式は凸と凸レンズで倒立虚像
組み合わせレンズでは像を仮の物体として考える。
2 枚めの作図は凹凸逆になる。
基礎物理問題集
9光基礎
9.光基礎
No-11
◎ P1 プリズム 偏角
解答 No-11
P1
入射光と射出光の延長線のなす角を偏角という。
ア)θ=θ1+θ2ーα
ア)図のように入射角、θ1,射出角θ2、頂角α、偏角θがある。
ヒント:θ1’ +θ2’ +β=π
これらの間の関係式を求めよ。
α+β=π
θ1
α
class
No.
α
θ1
θ 1’
θ=θ1ーθ1’ +θ2ーθ2’
θ2 θ
Name
β
θ2’
θ2 θ
イ)θ1=θ2
イ)図のように入射角、θ1,射出角θ2、屈折角θ1’、偏角θがある。
θ=πー4θ1’ +2θ1
これらの間の関係式を求めよ。また、θ1とθ2の関係を求めよ。
ヒント:
θ1
×=πーαーθ1
θ1
θ 1’
θ
α=πー2θ1’
・
θ 1’
α
・
・
×
×
θ
・
θ2
◎ P2 プリズム 偏角
P2 プリズム
正三角形のプリズムをある液体に沈める。プリズムの真空に対する屈折率は
ア)頂角をαとして P1 の偏角の式を用いると入射角θ1= 60°
、
n2、液体は n1 である。これに図のようにA面に単色光を入射させたらB面か
、α= 60°
だから 45°
= 60°
+θ2ー 60°
射出角θ2とすればθ= 45°
ら光が出てきた。この光は図のように 45°
をなしている。
またスネルの式から
従ってθ2= 45°
A面での屈折角をθA、B面への入射角をθBとする。 A面について n 2/n 1= sin60/sin θA①
比 sin θB /sin θAを求めよ。 30° A
45°
B面について n 2/n 1= sin45/sin θB② ① = ②から sin θB /sin θA=√ (2/3) B
*このようにプリズムは太い方(厚い方)
に曲がる。これを連続的につなげれば
☆公式・Point
三角プリズムは太い方に曲がる。頂角α、偏角θ、入射角θ1
射出角θ2としてθ=θ1+θ2ーα
レンズができる。
α
45°θ
θ1
30° A
2
B
基礎物理問題集
9光基礎
9.光基礎
No-12
○◎ P1.ヤングの実験 class
No.
Name
解答 No-12
P1 ヤングの干渉実験は波の干渉の基本であるので単色光だけでなく、白色光やレー
下図のようにスリット S1、S2 から単色光を出す。波長をλ、光速をcとする。
ザー等を入射したときの様子、明線の間隔の変化などよく理解しておくこと。
スリット間隔はd、スクリーンまでの距離は L(L>>d) である。図の原点より上
ア)S1,S2 の前の中心にもう一つの単スリットを置く。
向きを x 軸の正にとる。次に答えよ。
スリットの役割は位相をそろえ、中心に点波源をつくる。
ア)S1、S2 から同位相の光が出るようにするにはどうしたらよいか。
ホイヘンスの原理を作図できるようにしておく。
以下 S₁、S₂ からの波は同位相とする。
イ)下記の結果からヤングの実験の公式としてΔ= xd/L となる。
イ)位置 x での行路差Δを求めよ。
X
ウ)
位置x1で原点から次の明線が出た。この時、
x 1をλ、L、d を用いて求めよ。
S1
d
0
S2
L
エ)中心から数えてm番目とm+1番目の明線の間隔を求めよ。
オ)スリット S2 の手前に屈折率n (n>1) 長さ s のガラスを設置した。先と同
様に明線の位置、明線の間隔はどうなるか。ただし、ガラス板は十分短く光
源からの光は S1 に入るのもガラスの中も水平であるとする。
カ)
単色光の代りに白色光を入射するとどういう変化が起きるか具体的に示せ。
行路差Δは S2X-S1X でありこれは三平方の定
理から次のように L が d より大きいとして
近似(1+x)n ≒1+ nx
が使えるように L を外に出す。
Δ=√ (L2+(x+d/2)2)- √ (L2+(x-d/2)2)
2
2
x + d/2
x − d/2
∆= L 1+
−L 1+
L
L

2
2 


1
1
x
+
d/2
x
−
d/2

L 1 +
−1−
2
L
2
L
=
xd
L
ウ)強め合うからΔ=λ / 2・2m-=xd/L m=1としてx1=λ L/d
エ)干渉条件はイからx d/L= mλ、変化量をとるとΔxd /L= Δmλ
キ) カと同じように色が生じるのがプリズムである。白色光が色に分かれる
Δm=1だから Δx=λ L/ d 先の結果と一致する。
この現象を何というか。またより屈折が大きいのは赤か、青か。
オ)S2 側の行路は長いことに注意する。行路差は長い方から短い方を引くの
で S1 側で距離 s 光が通過すると S2 側では光学距離の関係から ns だけ通過
X
S1
d
するのでΔ ’ = ns-s=s(n-1) だけはじめに行路差が生じている。これをイ)
0
の結果に代入し、スクリーンのずれΔx ’ = s(n-1)L/d となる。
S2
ずれる方向は S2 側の位相が進むので下(負方向)にずれる。
L
カ)回折により波長の長い方がよく曲がるので
中心に近い方が青、遠い方が赤に分かれる。
キ)プリズムは分散、
振動数が大きいと速度がおそくなるのでよく曲がる。 よって青
d、距離
L、スクリーン上xでの
☆公式・Point
xが1より小さければ
ヤングの干渉実験の行路差Δ= xd/L (d<<L の時) (1+x)n = 1+x+n(n-1)/2・x2+....
明線の間隔Δx=λ L/ d
普通は1+xまでで十分
基礎物理問題集
9 光基礎
9.光基礎
No-13
○◎ P1 波の反射と光のヤングの実験 定期試験
class
No.
Name
解答 No-13
P1 ア)V=λ / T t=0 で Q にいるから時刻は5T/2
図1のように波源 G から波長λ、振幅 A、周期 T の平面波が壁に向かって
イ y 点 Q は少し波を右にずらした時正になる。 ウ y 波源と Q では位相にしてπずれている
進行している。点 Q は波源 G と壁の中点である。また、波源 G と Q との距離
A
A
は5λ /2 で原点から右に x 軸をとる。時刻 t=0 でちょうど点 Q まで進んでいた。
t=0 からほんの少し時間がたつと Q 点の媒質は原点から上向きに変位した。
Q
3T
ア)波の速さを求めよ。また波が壁に到達する時刻を T で表せ。
イ)t=0 で波源と Q までのy-xグラフを描け。
エ)y
ウ)波源 G におけるy-tグラフを0≦t≦3T の範囲で描け。
エ)
壁は固定端反射する、
Q の位置でy-tグラフを0≦ t ≦6T の範囲で描け。
点 Q は定常波ができてからは節の位置である。
間隔はλ / 2だから
A
オ)十分時間がたった。Q と壁の間にできる節の数は何個か。(端点を含む)
波源
平面波
壁
A

原点 O
x
P
B
S
Q ま で は 5 λ /2 な
ので6個
カ)
d
O
6T
x
図2
オ)壁が節になり
L
5 λ /2 図
キ)
赤
ヤングの行路差から行路差△= xd/L である。強め合う条件は
青
xd/L=m λだから変化量をとるとΔm=1からΔx= L λ / d
赤
ク)
青
次に図2のように波源 G を取り、代わりに原点 O から上方に d/2 の距離に
同位相なのは S の手前までなのでここからの行路差をだす。
スリットA、下方 d/2 の位置にスリットBをおく。そのスリットの後方に光
xが正なので行路差は B からの方が長くなることから
源を置く。原点Oと壁までの距離をL、壁と直線OQの交点をPとし、Pから
△ =nS+BX-S-AX であるが先の結果から BX-AX=xmd/L
上方にx軸の正の向きをとる。光源の光は等方的でL >> dとしてよい。
なので強め合う条件が△ =xmd/L+S(n-1)=m λとなる。
カ)AB の位相は揃っていて波長λの単色光とする。この時、壁に映る明るい
よって xm=(m λ -S(n-1))L/d
青
点の間隔はどれだけか。
この式の変化量をとるとカと同じだから間隔には変化はない
赤
キ) 光源を白色光に変えた場合、壁に映る像の様子を示せ。
n>1 なので明点はx軸の負方向にずれることがわかる。
白
P
青
赤
(ただし、色は赤、青、白のみを文字で示せばよい)
ク)次に光源を単色光にもどし、スリット B と光源との間に屈折率nで幅 S ケ)カの結果からΔxは L に比例するの間隔は大きくなる。
のガラス板を置いた。xが正の時、P 点からm番目の明るい点の位置xmを
求めよ。また、この時、明るい点の間隔、P 点にあった明点はどう変化するか。
コ)A 点のみ下にずらすことは中点も下にずれる。よって明点もx軸の負方向
ケ)
ガラス板をとりさり、
L を大きくして壁を遠ざけた。P 点が明るくなった時、
にずれることになる。また、間隔Δxはカ)の結果からdが小さくなると
明点の間隔はどう変化するか。
間隔は大きくなる。
コ)スリット A,B を光源 A,B 置き換え、単色光で位相を揃える。光源 A のみ
少しずつ O に近づける。明点の間隔と点の位置はどう変化するか。
基礎物理問題集
9.光基礎
No-14
○◎ P1.光速の測定【マイケルソンの干渉計】
図のようにレーザー光源から位相を揃えて平行なビームが発射される。ビー
ムはビームスプリッター (BS) を通ると半分は反射し鏡 (M1) に、もう半分は透
過し、
鏡 (M2) に達して反射し、
再び BS で重ね合わされ共に観測器 (D) に向かう。
M2 の鏡は図の x 方向に自由に動かすことができて x=0 の時、D では明るく見
えた。このビームの振動数はfで一定とし、真空の光の速さをc、この実験を
9 光基礎
class
No.
Name
解答 No-14
P1 ア)ここでのみかけの光の速さは c'=c/n である。よって v=f λだから
λ ’ = c'/f=c/(nf)
イ)行路差は往復を考えて2L になる。強め合う条件から2L=m λ ' = mc/(nf)
これから c=2Lnf/m
ウ)往復で 2 倍になり、光学距離が nd になることから行路差は 2(nd-d)=k λ
よって 2d(n-1)=kc/f
n=kc(/2df)+1 している場所の屈折率を n とする。
M1
ア)この実験におけるレーザー
P2 ア)sは丁度歯車2個分なので円周2πrを 2n で割り 2 倍する
ビームの波長を求めよ。 BS
イ)M2 を x=L の位置に変化す
d
光源
s=2 πr / n
るまでに D では明→暗→明
M2
レーザー
s
x
x =0
D
の変化をm回繰り返した。
イ)歯車の速さはv=rω=r 2 πfだから距離sだけ進むのに
これかこのビームの速さを求
t=s/v=1/(nf) ①の時間がかる。
めよ。
一方で光線の速さを c とするとミラーまで往復する時間 t=2L/c ②
ウ)次にはじめの状態 (M2 は x=0) に戻し図の点線の部分 ( 幅d ) のみを真空
① = ②からc= 2nfL
ポンプを用いて真空にしていく。真空になるまでに D では明→暗→明の変
ウ)光が往復する間に図のように 2 sだけ進むことになる f'=2f
化をk回繰り返した。これから屈折率nを求めよ。
○◎☆ P2.光速の測定【フィゾーの実験】
図のように弱いレーザー光源からビームが発射される。光源と同じ位置に観
測器を置く。光源から鏡まで距離 L ありそのすぐ前に半径r、歯の数nから
なる歯車がある。光線は丁度この歯にさえぎられ、歯車が回転すると光線を通
す。歯車の回転数を上げていき図右のようにちょうど光が距離Lを往復する時
間に距離sだけ歯車が移動すると明るい光が連続して観測できる。
ミラー
ア)s をrとnで表せ。
イ)光線の速さを求めよ。
光源&
観測器
L
ウ)さらに回転数を上げていくと再び、f ’ のところ
で明るい光が連続して見えた。f ’ を求めよ。
s
2s
基礎物理問題集
9.光基礎
9光基礎
No-15
◎ P1 行路差 位相差 空白を埋めよ。 波長をλ、mを自然数とする。
class
No.
Name
解答 No-15
P1 順に、半波長、強め、弱め、同位相、反射、大、小、反射、小、大、
光は粒子であり波でもあるので波と同様に干渉する。つまり行路差が 反射、π、反転、nd-d=d(n-1)、2 π d(n-1)/ λ、π、2mπ、
(2m-1)π、
の偶数倍であれば 合い、奇数倍であれば 合う。ただしこれ
透明、反射、透過
は A と B の光が の場合である。位相が変化するのは途中 がある場合で、この時屈折率が から への であれば位
*干渉は波の合成でおきる行路差で考えればいいが、背景には位相があり、
相はずれないが屈折率が から への であれば位相が
位相差がなければ強め合い、ちょうどπなら弱あう関係は全ての波で通用す
だけずれる。これは波の形がちょうど するので強め合う条件
る。行路差を位相差に直す関係式は波動のところで学習したように
と弱め合う条件が入れ替わる。さらに片方の経路中で屈折率n、長さdの物
行路差をd、波長をλとして である。強弱条件は結局このθ
i = 2r d
質を通過すると行路差は で位相差が だけ生じる。
また、長さに関係なく半波長板を通ると位相差が だけ生じる。波
m
が2mπか(2m-1)πかで決まるのである。
はこの位相差が であれば強め合うし、
であれば弱めあう。
同じ屈折率の液体の中に固体を入れるとこの固体は になり、境
P2
界がわからなくなる。この液体から固体にレーザーを照射した場合、固体と
ア)行路差は光学距離を考えて、屈折率 1.5 の中を往復しているので
液体の境界面では がおきなく、全ての入射光が固体を 行路差Δ=2nd= 3 d
することになる。
イ)A の上面でπずれが1回あるから強め合う条件は半波長の奇数倍に なる。最初に強め合うのは m=0 として
○◎ P2 薄膜
行路差Δ=(2m+1) λ / 2=λ/2①
図のように屈折率が 1.5 の厚さの調整できる膜 A を屈折率が 1.2
少しづつ増やしていき厚さdになったら明線ができた。
∴3d=λ/ 2 d= 100nm
空気1
ウ)m=1 とすれば
πずれ
d
A 1.5
Δ=3d=3λ/2
ア)厚さdでの行路差を求めよ。
B1.2
よってd=
300nm
の物質 B の上に貼る。これに 600nm の単色光を垂直に入射させた。厚さを
イ)dを求めよ。
ウ)次に明線ができる厚さを求めよ。
A 1.5
d
B 1,2
☆公式・Point
厚さd、屈折率nの薄膜の行路差は2ndCos θ
行路差dの位
位相πずれるのは屈折率小から大への反射
相差θは
i = 2r d
m
屈折ではπずれはない。
基礎物理問題集
No-16
○ P1 薄膜
9光基礎
9.光基礎
class
解答 No-16
P1
No.
Name
図のように屈折率が√3の厚さの調整できる膜を屈折率が√2の物質の表面
ア)まず屈折角θを求めるとスネルの式から sin60 / sin θ=√3
に貼る。これに入射角 60°で 480nm の単色光を入射させた。厚さを少しづ
sin θ= 1/2 θ= 30°
つ増やしていき厚さdになったら明線ができた。
行路差は光学距離を考えて、屈折率√3の中を往復しているので
ただし、√6=2.
4とせよ。
行路差Δ=2nd cos30 =2√3・√ 3/ 2・d= 3 d
ア)厚さdでの行路差を求めよ。
d
n= √3
イ)dを求めよ。
になる。最初に強め合うのは m=0 として
60°
行路差Δ=(2m-1) λ / 2=λ/2①
n= √2
ウ)次に明線ができる厚さを求めよ。
イ)A の上面でπずれが1回あるから強め合う条件は半波長の奇数倍 エ)イの薄膜の屈折率が√2まで変化させると干渉模様はどう変化するか。
また、dが変化する場合はどうか。
(ただし、視点は固定する)
◎ P2 薄膜 反射
水たまりに油が浮いていると見る角度によって様々な色にみえることがある。
∴ 3 d=λ/ 2 d= 80nm
A
πずれ ウ)m=1 とすれば
θ
d
Δ= 3 d=3λ/2 よってd= 240nm
B
これを説明するために次のような図を考える。空白を埋めよ。(色は青か黄色)
水と油では油の方が比重は小さく、屈折率は大きいので行路差を考える時は
観測点 P
膜の の面で位相がπずれる。
πずれは屈折率小→大の反射面で
2nd cos θ
エ)膜の上の面では干渉縞の間隔は上の図から 2dTan θである。n、dを固定し、強め合う時、
2ndCos θ= m λなのでθが正に変化するとmが負に変化し、干渉縞が見える。
n を小さくしていくと同じmで Cos θは大きくなるのでθは小さくなり、tan θも小さ
くなり干渉縞の間隔は狭くなっていく。そして√2まで下がると下の物質と同じ屈折率
液面
反射点 A
反射点 B
膜の厚さd
にるので境界面での反射はなくなり、全て透過するので干渉は消える。
d が同じように小さくなっても間隔はせまくなるが消えることはない。
観測点 P にくる光の反射点 A と B では の方が反射角が大きい。反射点
B が緑色に見えたとする。屈折角をθとし、膜の屈折率をnとすると行路差は
となるので B より屈折角が い A 点で強めあう条件はmを
自然数として となるからθが大きいと Cos θは P2 強め合う条件を満たす が変化し、色も変化する。
※行路差の公式を作図し導くこと。
☆公式・Point
させてBC ’ を作り、直角三角形ACC ’ をつ
πずれ
くなるので波長は同じmの値であれば B 点より くなることがわかる。
よって A 点は 色に見える。観測点 P をずらすとmが変化するので
薄膜の行路差は図の赤線になる。辺BCを反転
入射角
d
C
θ
A
B
2nd cos θ
θ
屈折率n A からn B の厚さd薄膜の
πずれは屈折率小→大の反射面で
行路差は屈折角をθ B として
反射は屈折率の異なる面で起きる
△=2n AB dCosθ B
C’
行路差は2つの経路の同位相
の部分をまず見つける。その
ために波面を描くこと。
くれば行路差は2d Cos θになる。光学距離
を考慮して行路差は2nd Cos θである。
反射角が大きければ屈折角も大きくなる。
順に、上、A、2nd Cos θ、大き、
(2m -1)λ / 2=2ndCos θ、
小さ、短、青、波長
基礎物理問題集
9.光基礎
No-17
○◎ P1 回折格子 穴埋めをして問題に答えよ。
9光基礎
class
No.
解答 No-17
P1 順に 格子定数、d Sin α、d Sin β
図のように格子が間隔dで規則正しく並んでいる時、この間隔は原子の並びで
ア)左図より行路差は
P
ある場合は原子の大きさにほぼ等しくdを という。
α
図のように入射角がα、反射角がβであれば光1と光2の行路差は入射の段回
で であり、さらに反射の段回で である。
α
β 光1
光2
Name
PB ー QA
Q
= d(sin αー sin β )
β
A
B
ア)反射後、
光1と光2ははるか遠方で干渉する。
d
イ)回折格子では同じように反射するので位相のずれは考えなくてもよい。
この時の行路差を求めよ。
アの結果から sin β =sin α - mλ /d =1/2 -m× 0.2
0 ≦ sin β≦1であるから可能性のあるmは
-2,-1,
0,
1,
2の5つである。対応する sin βは順に
d
0.9、0.
7、0.
5、0.
1となる。
イ) 光の波長が 600nm、αは 30°
、d は 3.0 × 10-6m の時、
強め合うβはいくつあるか。sin βの値を求めよ。
P2 ア)650nm だから赤色 青が 400nm 程度であることも知っておく。
イ)まず P1 から回折格子の行路差Δ=d| sin α- sin β|とおく
P2 回折格子
中央に近い位置ではβの方が小さいからこの場合はΔ= 2(sin30°
ー sin θ )
図のように 26cm あたり 100000 本の溝がある回折格子板 A を置き、これ
となる。経路は同じだからπずれは考えなくてもいいので
に 650nm のレーザー光を角度 30 度で照射する。天井のスクリーンには明点
強め合う条件からmλ=d sin30 ーd sin θ sin θ=0.
5ーmλ/d
が図のような位置にいくつか現われた。天井までの高さは 5 mである。
5ー 0.25 m・・・①となる。m=-2
d=0.
26/105から sin θ=0.
は天井にいかないので条件を満たすmは-1,
0, 1,2 ①から対応するθは
x
30°
0と sin θ=1/ 4を満たすθと 30°sin θ= 0.75 を満たすθ、の4つ。
ア)レーザーの色は何色か
ウ)イの結果から真上に1つ明点が出る。2つめの点はm=1を①式に代入
イ)格子板Aからの反射角を小さい順に求めよ。
すると sin θ=1/4から cos θ=√ (1-1/16)= √15/4
tan θ= 1/ √15
A
ウ)格子板Aの真上に近いところでの明点の間隔
求める長さxはx=h tan θの
xを求めよ。
関係があるから
θ2
この時のx=5tan θ
光を当てる実物の厚さやスリット、格子間隔が小さくなると
*回折格子は回折板が透明なら
格子定数dの回折格子の行路差△=| d(sin αー sin β ) |
A の下側の透過光も干渉する。
垂直反射の時はβ=0とする
30°
=5/ √15= 1.3 m
干渉縞の間隔は大きくなる。反射は屈折率の異なる面でおきる。
☆公式・Point
x
θ1
A
θ1=0なら
x=h tan θ2
基礎物理問題集
No-18
○◎ P1 くさび
9.光基礎
9光基礎
class
No.
Name
解答 No-18
P1 ア)図のように入射した位置の隙間の高さをyとすると三角形の相似
十分に細い糸の直径を求めるのに次のように光の干渉を利用した。ガラス板
からx:y= 10:hである。従ってy=x h/10 行路差は往復するから
の幅は 10cm ある。単色光の波長はλ [cm] とする。ガラスの屈折率 N とする。
d=2yよってd=xh /5 cm 上から見た図 ( 単色光上、白色光下 )
ア)糸の直径をh [cm] とする。垂直に単色光を入射させた。この時 A の下面
と B の上面からの反射で干渉がおきた。図の左端からx cm での行路差d
を求めよ。また、上方から眺めた時の干渉模様の様子を図示せよ。
また、白色光を入射させた場合の干渉模様の様子を図示せよ。
(色は赤と青のみでよい)
A
B
y
h
x
白色光を入れると下の式からxはλに比例するよってxが大きい方が赤に
小さい側が青 ( 紫)にずれて観測される。
xcm
イ)B の上面ではπずれが起きる。したがって強め合う条件は逆転する。
A
行路差 d = xh/5 ①
B
強めあう条件は位相の反転が 1 回あるので d = (2m-1) λ /2 ②
よって① = ②からx= 5(2m-1) λ /(2h)
10cm
この式の変数はxと m なので変化量Δxは Δx= 5 Δ m λ /h イ)単色光を A の上から観測した場合、明線の間隔Δxはどうなるか。
Δ m =1なので Δx=5λ / h [ cm ] ③
ただし、自然数 m を用いてよい。
これからくさびの明線の間隔は一定であることがわかる。
ウ)上の結果③からh=5λ / Δx ) これにΔx= 0.2 λ=4× 10 ー 5cm
ウ)x=5 とx= 5.2 cm のところに明線が見えた。これから入射光の波長が
を代入するとh=1.
0×10ー 3cm
400nm の時、糸の直径は何 cm か。
エ)①からhが小さければΔxは大きくなり間隔は広がることがわかる。
これは干渉の一般的な重要な性質で次の内容が一般に成り立つ。
エ)このように光の干渉を用いると非常に短い長さの測定が可能になる。
オ)光学距離の公式から行路差がdから nd に変化する。πずれの条件は不変、
上の実験で糸の直径が小さくなると明暗線の間隔はどうなるか。
よって nd=nxh/5=(2m-1) λ /2 x=5m λ /nh-C( 定数 ) Δm=1だから
変化量をとると定数 C は消えてる。よってΔ x=5 λ /nh これをyとして
オ)
糸の直径はもどしておいてこのくさび系の中に屈折率nの液体を充填した。
(1<n<N) この屈折率を連続的に N まで増やすと上からみた干渉模様の間隔
はどう変化するか説明せよ
Δx=yがnの関数としての変化をみればいいので n で微分すればいい。
dy
d 5λ
5λ
=
=− 2
dn dn nh
hn
となる。従って n が増加していくと
5λ
∆y = − 2 ∆n
hn
Δxの変化はー 1/ n2に比例して減少していくしかし、nが N になると
☆公式・Point【行路差】ヤングの実験の行路差Δ= xd/L (L>>d) の近似
ガラスと同じ屈折率になるので全て透過し、反射はおこらず干渉縞は消え
薄膜はΔ= 2ndCos θ ( 屈折角 ) ニュートンリング、くさびの行路差は
る。n が N を越えると B 面ではπずれが起こらないが A の下面でおこる
△= 2nd 空気中であれば n=1 縞の間隔はhが小さくなると大きくなる。
ので干渉条件は変化しない。
基礎物理問題集
9光基礎
9.光基礎
No-19
◎ P1 ニュートンリング 2008 定期試験
class
No.
Name
解答 No-19
P1 ア)イ)n ’ <nの時は下図の青○でπずれ、n ’ >nの時は下図の赤○
図のように半径 R のニュートンリング ( 屈折率n ) があり、これに屈折率 n'
でπずれがそれぞれ 1 回あるから、どちらも中心は暗くなる。
の液体を中に入れる。波長λの光を真上から当て観察した。
ニュートン環は同心円だが√ R に比例するので間隔は外側ほど小さくなる、中心はガラス
ア)n ’ >nの時中心は明るいか暗いか。
より屈折率の大きい液体を充填しても暗い。
イ)n ’ <nの時中心は明るいか暗いか。
単色光の場合 白色光の場合(拡大)
O
上からみたニュートンリングの干渉模様を図示せよ。
3
2
また、入射光を白色光にした場合の模様を図示せよ。 R
*以下単色光λを入れるとし、n ’ <nとする。R は十分大きい
ウ)m番目の明円環の位置での高さをdmとする。行路差Δを求めよ。 n’
C
3
dm
PC シミュレーション
R
カ)n' を大きくするとΔxmはどうなるか
B
xm
エ)中心からの距離xmを求めよ。
オ)次の円環との距離Δxmを求めよ。
1
2
1
1
2
3
1
2
3
dm
n’
xm
下の式②から
単色光については等間隔ではなく√に比例し、半径が大きいほど密になっていく。
白色光ではxm が√λに比例しているので波長が大きい赤ほど外側にリングができ
る。
ウ)光学距離を考慮し、Δ=2n ' dm ① エ)図の△ OBC について R2=(R-dm) 2+xm2 展開し、dm2を小さいとして
無視すれば X m=√ (2Rdm) ② ①より強め合う条件はπずれが 1 回
あるからΔ=2n ' dm=λ (2m-1)/2 ②に代入し、
xm=√ ( λ R(2m-1)/(2n')) ②
☆公式・Point
曲率半径 R のニュートン環、屈折率n、波長λの光
オ)ΔxmはΔm=1だからxmをmについて微分すればよい。
m番目の明線はxm=√ ( λ R(2m-1)/(2n')) 中心は暗い
よって変化量はΔxm=xm ’ =√ ( λ R/2n'(2m+1))
明線の間隔はnが大きいと小さくなる。
カ)オの結果から1/ √n ’ 倍になる。
基礎物理問題集
9.光基礎
9光基礎
No-20
◎ P1 スリット間隔の変化 2005 早稲田 改
class
No.
Name
解答 No-20
P1 ア)行路差は正で答えるべきだからヤングの公式から L >>d
図のように間隔dだけ離したスリット S1、S2、スクリーンまでの距離が L、
より D=|x|d/L
スクリーンの中心 O から上向きにx軸をとる。光源の波長はλ、空気中での
イ)x>0として強め合う条件はア)から D=xd/L = n λ Δn=1として
光の速さはc観測点の位置はxとする。L はdに比べ、十分大きく、必要なら
変化量をとると Δx= L λ /d ①
n
x <<1 の時、 (1 + x) 1 + nx を利用してよい。
x
ア)
位置xでの S₁、S₂ からの行
x
S1
単色光源
d
S2
路差 D を求めよ。
0
イ)
スクリーン上の干渉稿の間隔
Δxを求めよ。
ウ)
dが 2 倍になるとΔxは何
L
倍になるか。
エ)単色光ではなく白色光を光源にした場合、スクリーンにはどんな像が
みられるか。
ウ)1/2 倍になる。
エ)明線のところに内側が青、中心から遠い側が赤になる。O 点では全ての 波長が混じるので明るい白に naru.
オ)速さは 1/n 倍、振動数には変化がない。v=c/n f=c/ λ
白色光では振動数が高いほどより、遅くなる。
カ)①のdが nd に変わるのでΔx= L λ /(nd)
キ)行路差は S₁ 側のほうが na-a だけ長くなる。よって全体の行路差 D として
x>0 の時、強め合う条件が D'=x'nd/L-a(n-1)=m λ x'=(m λ +a(n-1))L/(nd)
一方で①から x=mL λ /(nd) Δ x'=x'-x=a(n-1)L/(nd)
次に単色光にもどし、スリットとスクリーン間に空気に対する屈折率が
n(n>1) の媒質を満たした。
オ)単色光の場合この媒質中を進む光波の速さと振動数を求めよ。
もし、白色光だとどうなるか。
1 aL
∆x = 1 −
x>0 としているので上に移動する。
n d
ク)波長のドップラー効果によりλ ’ =λ (c+v)/c カ)干渉稿の間隔Δxはどうなるか。
よってΔx= L λ (c+v)/(cd)
キ)
次に図のように S₂ の近くだけ幅 a で媒質を除き、空気を満たす。 カの
状態からスクリーン上の明線の位置が変化した。この変化量Δx ’ を求めよ。
移動が上か下かも答えること。
ⅱは暗くなる。 ク)次に媒質は全て取り去り、光源を O から遠ざかる向きにvで運動させた。
この時スクリーン上の干渉稿の間隔をΔxで表せ。
ケ)次に光源は静止させ、スリットの間隔を次のように変化させて上下に等し
く穴を増やす。
ⅰ )d,2d,d,2d,d'… ⅱ)d,d/2,d,d/2,d,…
ⅰ、ⅱそれぞれについて明線はどうなるか
☆公式・Point
光のドップラー効果
λ = λ
V − vs
V − vo
ケ)間隔が 2d でも強め合うのでスリット数が増えればⅰは明るくなる。
音と反対で観測者の速度が下、
音源の速度が上
基礎物理問題集
9 光基礎
9.光基礎
No-21
☆◎ P1 屈折率の変化するヤングの実験 2012 東大改 class
No.
Name
解答 No-21
P1 ア)既に波基礎の No23 で行路差の近似計算の出し方は学んでいるのでこ
図のように複スリットを利用して気体の屈折率を測定する。距離 a だけ離れ
の部分は結果をつかう。ヤングの干渉実験の行路差は公式から
たスリット S1、S2 の後方に C1、C2( 長さ d) の透明密閉容器を用意する。
行路差Δ= a X/L (X>0) である。
スリットから距離 L だけ離れたところにスクリーン B を用意し、中央を原点O、
上向きにx軸をとる。
光源には単色光を用意し、
a に比べて十分Lは長く
必要ならx <<1 の時、
n
(1 + x) 1 + nx
を利用してよい。
単色光源
d S1
C1
C2
x
l1
A
X
l2
a
S2
イ)強め合う条件だからΔ L=m λから上の結果を代入、X=mL λ /a ①
L
0
ウ)気体の状態方程式から PV =n RT ②である。NA をアボガドロ数、
nをモル数として分子数 N =n NA であるからρ= N/V =n NA/V ③
②からn /V=P/RT また、気体定数 R= k NA だから③から
B
ρ= NAP/RT=P/kT
エ)位相が揃っているのはスリットの手前 d の位置だから X>0(L1<L2)
ア)はじめに容器 C1,C2 を真空にし、S1,S2 は同位相である。
として光学距離が nd になることからここからの行路差は
観測点X(x座標がX)での行路差Δl=| l1 - l2 |を a,X,L で表せ。
Δ ’ = d+L2-(nd+L1)=d(1-n)+(L2-L1) アの結果から
イ)観測点 X では明線が観測された。X を整数mを用いて表せ。
= d(1-n)+aX/L
次に C2 を真空に保ち、C1 には真空からゆっくりと気体を入れていく。
= m λ だから X= m L λ /a+dL(n-1)/a ④nは 1 より大きいので
一般に絶対温度 T, 圧力 P の屈折率と真空の屈折率との差はその気体の
nが大きくなれば正方向にずれる。
数密度ρ(単位体積当たりの気体分子数)に比例する。
オ)1つの明線に注目する方法 移動量を測定する。
ウ)容器内の気体は理想気体とし圧力が P で絶対温度が T の時の数密度ρを
④式において変数を n,m にとって変化量をとると
P、T、k ( ボルツマン定数 ) を用いて表せ。
Δ X= Δm L λ /a +Δn dL/a ⑤
エ)温度を一定に保ち、C1 の容器内の圧力を上げるとスクリーン B 上の干渉
強め合う場合は
真空の 1 から屈折率は n まで変化するので
縞はx軸の正負どちらに移動するか理由も答えよ。
次に C2 の容器内を真空に保ったまま、C1 の容器を絶対温度 T、1 気圧の気
Δ X=(n-1)dL/a 体 (101.3kPa) で満たした。この時の屈折率をnとする。
カ)観測点を固定し、通過する明線の数を測定する。
オ)C1 の容器が真空状態から絶対温度 T,1 気圧の気体で満たされるまでに明
原点なので⑤式においてΔ X=0、m の変化は明線が正に原点で移動す 線はスクリーン上をΔ X だけ移動した。気体の屈折率nをΔ X で表せ。
カ)
オ)の時原点 O で縞模様を観測すると N 本の暗線が通過した後、明線が
同じ明線で観測するからΔn= n-1, Δm=0を代入すると
よって n= a Δ X/dL +1
るとmの変化は負になるのでΔm= -N、Δ n=n-1 を代入すると
0=-NL λ /a+(n-1)dL/a
n-1=N λ /d から n=N λ /d+1 原点 O に来て止まった。これから屈折率nを N で表せ。
キ)具体的な数値が示されているので解答も有効数字を合わせて数値で示す。
キ)オ)の実験ではΔX= 0.1mm、カ)ではN= 1 の正確さで測定できる時、
定数は精度に関係ないので無視をして測定精度を代入すると
気体の屈折率の測定ではオ)とカ)どちらのほうが精度の高い実験が期待で
オ)では n=a ΔX /dL = 5 × 0.1/(2.5 ×5) × 10 -4= 4.0 × 10-6
きるか理由をつけて答えよ。ただし d=2.5 × 102mm,
L=5.0 × 102mm, a=5.0mm, λ= 5.0 × 10-4mm とする。
カ) では n=1 × 5/2.5 × 10 - 6 = 2.0 × 10 - 6
となるのでより精度が高いのは誤差の小さいカ)の方である。
基礎物理問題集
9 光基礎
9.光基礎
No-22
☆◎ P1 ヤングの実験 干渉縞の動き 2001 東大改
解答 No-22
ア)
図のように白熱光源 S の右にスリット S0 を A の位置に置く。さらに L だけ
赤 青
class
No.
Name
白
青 赤
0
x
離して B の位置にスリット S1、S2 を置く。さらに R だけ離れた C の位置に
イ)
スクリーンを置き、スリット S₁、S₂ の中点と水平線の交点を原点 O にして
理由: 光源に近いところは球面波なので光源か
上方向にx軸をとる。原点 O と光源 S、スリット S0 も同じ高さにそろえる。
d<<R とし、必要に応じて整数mを用いよ。
L
x
P
S1
S
d
S0
S2
A
B
ア ) スクリーンの原点 O 付近にいくつかの飛
ら距離をとり、平面波にするため。
曲がる色:青
大きな(波長小)ほど粒子と相互作用し、遅くなるので青ほどよく曲がる。
び飛びの色模様が写された。この様子をスク
ウ)
行路差をΔ S とすると問題文から強め合う条件 は題意から
Δ S=S2P-S1P=(S2P2-S1P2)/2R={R2+(x+d/2)2-R2-(x-d/2)2}/2R=xd/R=m λだから
(赤、青、白 ( 無 ))を用いること。また、
C
性質名: 分散
回折は波動性が大きい長い波長(赤)ほどよく曲がる。分散はエネルギーの
0 リーンを横にして点線枠内に色を記 せ。
R
強)x=m R λ / d この現象は光のどうい う性質から生じるか。
イ)同じ白色光を、十分離れた距離でプリズムに入れても色に分かれる。
エ) 位相がばらばらになるので、干渉しなくなり、干渉稿は消える。
オ) B までに行路差が上の経路が長くなり 1) の式が
十分離れた距離にするのはなぜか、また、この時、色に分かれるのは光のど
x → d,d → h,R → L としてウの結果をつかうと
いう性質から生じるか。また、より大きく屈折して出る色は赤か青か。
Δ S' = {L2+(h+d/2)2-R2-(h-d/2)2}/2L=hd/L ウ)
次に図において光源 S を波長λの単色光に変える。スクリーンには干渉稿
Δ S では下の経路が長いので
強め合う時、全体の行路差はΔ= xd/R-hd/L=m λ
めよ。(S2P2-S1P2) = (S2P+S1P)(S2P-S1P) ただし、S2P+S1P ≒2R としてよい。
よって x=R(m λ /d+h/L) ①
エ)
スクリーンに干渉稿ができている時、スリット A をはずすとどうなるか、
理由をつけて簡単に述べよ。
よってx 0 は m=-3 である。
カ)
次に光源の単色光の波長をλから少し変化させ、λ ’ とした。図にはλの
時の干渉稿の様子が上の a に、λ ’ の時の様子が下の b に描かれている。
x0
a
この結果を利用して a の明線の
x
原点 O からのずれx ₀ を求めよ。
0
b
L
S1
キ)
次に A のスクリーンの中心より上方にhのスリット S₀’
なるためのhを求めよ。
L では上の経路、H で
は下の経路が長くなる
カ ) 色 ( 振動数 ) に関係なく強め合う時の m=0 の位置は動かない。
ここを m=0 とすればよい
スクリーン上の明線のx座標を求めよ。
の明線も明るくなったり、暗くなったりする。最も明るく
x
そこで図を見ると同じ直線上に並んでいる位置を探し、
オ)
次にスリット S₀ の位置を A のままで下方にh (h<<L) だけずらす。
きたことになる。この時、hを変化させるとスクリーン C
H
L
h
ができた。次の関係式を用いてスクリーンに明線ができる位置のx座標を求
をつくる。A には間隔 2h だけ離れて対称に So' と So がで
回折
S0'
2h
S0
A
B
x0=R(h/L-3 λ /d)
x
0
キ
)
対称だから
S1,S2、S0' から S1,S2 への行路差には位置の影響は出ない。そこ
で全体の行路差の差Δ ’ = |(S0S1-S0S2)-(S0'S1-S0'S2)| が位相にして 2n πだけずれ
ばいい。 S0,S0' は対称点 (S₀=-S₀’) だから絶対値の中は符号のみ変化するので
L
Δ ’ = 2|S0S1-S0S2| ウの結果からこれが
d
S2
①に代入して x0/R=-3 λ /d+h/L
m=3 m=-2 m=-1 m=0
x0
位相にして 2 πつまり波長の倍数だけ
ずれていればいいからΔ ’ = 4hd/L= mλ
h=Lm λ /4 d
S0'
2h
S0
A
S1
d
S2
B
基礎物理問題集
9 光基礎
9.光基礎
No-23
◎ P1 薄膜 2011 筑波大
class
No.
Name
解答 No-23
1) ア)媒質の中はみかけの距離になるからλ ’ =λ / n
石けん水の薄膜が色づいて見えるのは,薄膜で光が反射するときに膜の両面 か
イ)スネルの法則から Sini/Sinr=n Sinr=Sini/n
らの反射光の干渉によって,可視光の範囲にある特定の波長の光 が強められ
るためである。図のように屈折率,厚さ の平面状の薄膜に対して入射角
ウ)薄膜の行路差は 2ndCosr = (2m+1) λ /2 m=0,1,2... だから
Δ L を用いると n Δ L = (2m+1) λ /2
で入射する白色光を考える。 この ことについて,次の問いに答えよ。ただし,
 ,空気の屈折率はとし,薄膜の厚さは一定とする。また,人の目で



感じることのできる可視光の波長は  m から   m の間とする。
 以下の文章の空欄に当てはまる数式を答えよ。
空気中で波長λ の光が, 図の点から

薄膜に入射し 点で反射し て点 で薄膜か
ら 出る まで の間, 光の波長は
ア
る 。 一方, 入射角と 屈折角の間には
  
イ
空気

の関係がある。 また ,光 が

 

石けん水

空気
点 で反射する 光の経路差を とす ると ,
干渉の次数を また は正の整数として 
つ の反射光は同位相と なり 明る く見 える 。
ウ

 
πずれ
C
r
A
B
2nd cos r
せてBC ’ を作り、直角三角形ACC ’ をつくれ
ば行路差はΔ L= 2d Cosr になる。
光学距離を考慮して行路差は2nd Cosr である。
θ
C’
点 で反射する際 には波の位相が逆転す
る 。点 で入射し て点 で出てく る光 と
薄膜の行路差は図の赤線になる。辺BCを反転さ
i
d

とな
2)

λが成り たつ とき


 点 と点 で入射光が同位相のと き, 点と点 でも 同位相と なる
こと を示 し, さら に光の経路差が  で与えら れる こと を示 せ。
3) i=0 なら r=0 である。よって
2ndCosr=(2m+1) λ /2 からλ= 4ndCosr/(2m+1)=4nd/(2m+1)
4) 上の結果からλ= 4 × 1.3 × 10-7/(2m+1)=5.2/(2m+1) × 10-7 とすると
可視光の範囲に入るためにはm=0しかなくλ= 5.2 × 10 -7[m]
5) この時λ= 0.52/(2m+1) × 10 -7だから 4< 0.52/(2m+1) < 8 を満たす
以下では,光は薄膜に垂直に入射する入射角 とし,
整数mは存在しない。よって色づいて見えない。
 を , , を用 いて 表せ。
 反射光の干渉によっ て強めら れる 光の波長λ
6) この時λ= 520/(2m+1) × 10 -7だから 4< 520/(2m+1) < 8 を満たす
以下では, 石けん水の屈折率を として 解答せよ 。


 薄膜の厚さ が  m のと き, 色づいて 見える反 射光の波長
λ を求 めよ 。
 
 薄膜の厚さ が  m の場合, 薄膜が色づいて 見えるか どう か理由を つ
整数mは 4(2m+1)<520 m<64.5
干渉の次数に着目して 解答せよ。
けて 述
べ よ。
 
 薄膜の厚さ が  m の場合, 薄膜は色づいて見えない 。
その理由を 述べよ。
8(2m+1)>520 m>32
なので満足するmは多く存在し、色が重なり合うので色づいて見えない。
基礎物理問題集
9.光基礎
No-24
☆◎ P1 回折格子 2003 東北大
9 光基礎
class
解答 No-24
No.
Name
1) 図のように入射光と反射光の波面 AB,CD をつくる。この時の行路差Δは
A
C
D
β
Δ=| AD ー CB |だから
α
B
d
2)
①から n × 5 × 10
= d | sin αー sin β|α>βの時、
強め合う条件は
n λ= d(sin αー sin β ) ①
-7
= 10
-6
(sin30°
ー sin β ) だから
0.
5n=0.
5ー sin β sin β=0.5(1 ーn ) ②
- 90°
≦β≦ 90°
の時、②を満足するnは-1,
0,
1, 2, 3の5つで対応
するβは順に 90°
、30°
、0°
、ー 30°
、ー 90°
3)
対応するβは n=-1,0,1 の順に 90°
、30°
、0°で緑の場合は図の記号は
順にA,C,E 紫は波長が短く、散乱角は小さくなるので②式は
sin β= 0.5 ーAnとしてAは 0.5 より小さい 0.3 程度の数値になる。よって
紫は n=0 の場合は変わらないから n=-1,0,1 の順に sin β= 0.8,0,0.2 となる
ので C を含み、図の記号から順にB,C , D
4)
白熱光では n=0 では全ての色が重なるので色の差は出ない明るい線になる。
それ以外では連続スペクトルが見られる。(n=0 に近い側が紫、遠い側が赤 )
ナトリウム光は黄色(589nm)の単色光で n=0 の場合も黄色になる。
* これはスリットの回折と同じ、n=0 の位置が中点に対応している。
基礎物理問題集
9.光基礎
No-25
☆◎ P1 ニュートン環 2008 慶応
9光基礎
class
No.
Name
解答 No-25
1) 同じ屈折率であれば反射は起きない。よって干渉が起きない。
2) レンズの屈折率が空気より大きいので B の表面では位相がπずれる。
AB 間の距離Δ AB が波長より小さい領域では行路差は0と近似できるの
で中心を含むこの領域では打消し合い強度が0であり面 A と面 B の反射
波の位相はπずれている。
これからニュートンリングの中心は弱め合い暗く見える。
3)
図のように ym での高さd m とすると R が半径
C'
だから R 2 =(R-dm)2 + ym2 これから dm2 は無
視して 2Rdm=ym2 行路差は 2dm だから
R
弱めあう条件として 2dm=ym2/R=m λ
A
C
ym
よって ym =√ (mR λ ) ①
d m *屈折率n ' の液体で満たすと行路差は
B
2n'dm となるから ym =√ (mR λ /n') ① ’
暗線は m,n' の比になることに注意する。
4)
y0 は中心だから液体の影響を受けずに常に0であるから①
また屈折率がnに近づくと反射はすくなくなり、nに等しくなれば反射しな
くなる。n=1 では弱め合うので強度は0からグラフは始まる。
ⅰ)中に屈折率n ' を入れるとして (n'<n) の時
位相反転する関係は入れないときと同じなので行路差は 2n'd 1となるから
① ' より y m '2/R=(m/n') λ y1'= √ (R λ /n') ②から弱め合う位置がnが
増えると小さくなっていくので y1 の位置はしだいに明るくなる。
ⅱ)n'=n の時(n'=1.5)
反射はおきないので強度は0
ⅲ)n'>n の時
中の液体の屈折率がガラスより大きくなるのでB点ではπずれない。
しかし、今度はA点でπずれるので結局弱め合う関係は変わらない。
nが2まで増えると②から y1'= √ (R λ /2) となるがm= 2 の弱め合う点
☆公式・Point ニュートンリングの中心は暗い 行路差D=r m²/R
同じ屈折率であれば反射は起きない。 rm はm番目の明線の半径
屈折率が近いと反射が弱くなり透過が増える。
とすればこれは y1 の位置に一致する。つまりこの時、暗くなる。
以上から選択すると答えは③
基礎物理問題集
9.光基礎
No-26
☆◎ P1 ニュートン環 2008 慶応 続き レンズ作用
9 光基礎
解答 No-26
5) ホイヘンスの原理
class
No.
Name
6) スリットのように考えればよい ①の結果を使う。
図のような関係があるので
DF
ym
DF2=ym2 +f 2 ①より
DF =√ (mR λ+f2)
f
7)
7 と同様にして F =√ (mR λ+f2) =f√ (mR λ /f2 +1) として
近似をつかうと F=f(1+mR λ /2f2) これの変化量をΔ m=1 として
としてとれば求める差がでるから題意から Δ F=R λ /2f =λ とすればf= R/2 となる。
8)
あるパターンで切り抜いただけの模様がレンズになるのは不思議な感
じがするが、光の干渉を考えると理解できる。
この結果から図のように隣り合うスリットからの光はm
に関係なく全てfの位置で強め合うことになるので
どのスリットから出た光もこのfに集光する。
f =R/2
基礎物理問題集
9 光基礎
9.光基礎
No-27
P1 くさび
薄い空気層によ る 光の干渉を 利用し て薄膜の厚さ の測定を 試みた。 次の各問いに答え
class
No.
解答 No-27
1) 三角形の相似から d/x=T/L d=xT/L ①
◎ 2002
よ。
2) 下の平面ガラスでは反射波の位相がπずれる。行路差は2dだから
 図のよ う に枚の平面ガラ スを 重ね, その一端に厚さ の紙を はさ み, 横から 見
2d=(2m-1) λ /2 (m=0,1,2・・・)②
大阪教育大
てく さ びの形を し た薄い空気層を つく っ た。 平面ガラ スの端点から 紙の端点ま で
Name
x=(2m-1) λ L/4T ③ の距離を と する と , 端点から 距離の位置での空気層の厚さ を , , , を
3) ①、②より 2xT=(2m-1) λ L/2
用いて表せ。
変化量をとるとΔ m =1だから Δ xT =λ L/2 T= λ L/(2 Δ x) ③ ’

平面ガラ ス



4) 薄膜は屈折率が同じなので境界面で反射は起きたりしない。
平面ガラ ス


薄膜のある部分と内部分では光学距離が異なるので往復での

図
図
行路差Δ= 2t が生じることで干渉模様がずれる。
あてる と , 図のよ う な等間隔の明暗のし
λ
 こ の空気層に上方から 波長kの単色光を
ま 模様が見えた。 空気の屈折率を と し て, 明線の現れる 位置での空気層の厚さ 
行路 2(d+t) 2d
この時、式①②から明線の位置をx ’ とすると
2d+2t=2x'T/L+2t=(2m-1) λ /2
d
を , 単色光の波長kを
λ 用いて表せ。
 図のし ま 模様で, 明線の間隔を 測定する と であっ た。 こ れよ り 紙の厚さ を 
t
λ
k, , を 用いて求めよ 。
 次に, 下側の平面ガラ スの約半分を , 図のよ う に厚さ の薄膜でおおっ た。 薄膜
d-t
こ の平面ガラ スにも う 一枚の平面ガラ スを 重ね, 図のよ う にく さ び形の薄い空気
われていない部分の明線の間隔はと も にであっ たが, 薄膜におおわれていない部分
では, し ま 模様が全体にdだけ左にずれた。
し ま 模様は, なぜ左にずれたのか。 その
δ
理由を 明線が現れる 位置での空気層の厚さ を 図示する こ と によ り 説明せよ 。
平面ガラ ス
薄
膜
平面

ガラ
ス

T
薄膜

平面ガラ ス
これから変化量をとるとΔxは先の結果とかわ
りはないがxはδ= Lt/T だけ負にずれる。
の屈折率はガラ スの屈折率に等し く , その厚さ は単色光の波長kの半分以下である
λ
こ と が分かっ ている も のと する 。
層を つく っ たと こ ろ , 図のよ う なし ま 模様が見えた。 薄膜におおわれた部分と おお
x'=(2m-1) λ L/4T-Lt/T ④
また、t はλをの半分をこえることはないので
d
t
x- δ
x
δ
次の明線こえるような移動はおこらない。
また、薄膜の屈折率がnの時は
δ=n Lt/T となる。
5) 上図のような関係があるから d-t/(x- δ ) = d/x =T/L
よって d=t+T(x- δ )/L ⑤

6) ①、⑤より t+T(x- δ )/L = xT/L t=T δ /L ③ ’ から
図
図
t= δλ /2 Δx
 図において, 平面ガラ スの端点
から の距離にある 明線の位置での

7) 値を代入すると t=0.63 × 5.9 × 10-7/2 = 1.9 × 10-7[m]

空気層の厚さ は, , , を 用いて

の解のよ う に表さ れる 。 同様にし て,

距離  にある 明線の位置での空
気層の厚さ を , , , , を 用
いて表せ。
 明線およ びの位置での空気層の
図
d
δ
厚さ が等し いこ と から , 薄膜の厚さ を , λ
k, , δ
dを 用いて求めよ 。
 実際の測定では, 波長kが
 のナト リ ウムラ ン プ から の単色光を 用い,
λ
δ
が得ら れた。 薄膜の厚さ の値を 有効数字桁で求めよ 。

∆x
基礎物理問題集
9.光基礎
9 光基礎
No-28
◎ P1 光の干渉 同心円スリット レンズ効果 2014 東大
class
No.
Name
解答 No-28
P1 スリット間隔が狭まると、干渉稿の間隔は広がる
図 3-1 (a) のように yz 平面上に設置した等間隔ではない多数の同心円状の細
スリットの数が増えると、強度分布の幅が狭くなる。
(鋭いピーク)
いスリットを用いると x 軸に平行に入射した光の回折光を図 3-1(b) のように
1) 入射光の位相がそろっていてこの位置 T ではスリット S₀、S₁ からの行路差
集めて収束させることができる。以下では問題を簡単にするため,同心円状の
が 0 であるから強め合う。
スリットを図 3-1 (c) に示すような直線状の細い平行なスリットで置き換えて,
2) 強め合う条件は行路差が波長の整数倍になる時である。位置 R での行路差
その原理を考えよう。以下の設問に答えよ。
Δ S= √ (d²+z₁²) ー√ (d²+z₀²) =d√ (1+(z₁/d)²) ーd√ (1+(z₀/d)²)
図 3-2 に示すように x 軸上の原点 O を通り x 軸に垂直な面 A と,面 A から距
ここで z₀/d<<1、z₁/d<<1 とすると 離 d だけ離れたスクリーン B を考える。y 方向 ( 紙面に垂直 ) に伸びた細いスリッ
Δ S=d(1+1/2・(z₁/d)²)-d(1+1/2・(z₀/d)²)=(z₁² ー z₂²)/(2d)
ト S₀,S₁,S₂,…を面 A 上の z= z₀,z₁,z₂,…(0< z₀<z₁<z₂…) の位置に配置する。
強め合う時、Δ S =mλ、この時 1 次の回折光だから m=1 として
波長λの光が,面 A の左側から x 軸に平行に入射し,スリットを通過してス
クリーン B に到達する。まず,スリット S₀,S₁ のみを残し,他のスリットを
全てふさいだところ,スクリーン B 上に干渉縞が生じた。
(1) スクリーン B 上で z = (z₀+z₁)/2 の位置にできるのは明線であるか暗線であ
るか。また,その理由を簡潔に述べよ。
(2) スクリーン B 上で,この位置 T より下方 (Z のより小さい方 ) に最初に現れ
る明線を,スリット S₀,S₁ に対する 1 次の回折光と呼ぶ。l 次の回折光が,
z= 0の位置 R にあった。z₀,z₁ は d より十分に小さいものとして,d をλ,
z₀,z₁ を用いて表せ。 必要ならば,近似式√ (1+ δ )=1+ δ /2( δは 1 よ
り十分に小さいものとする ) を用いてよい。
図 3-1
x
図 3-2
λ= (z₁² ー z₂²)/(2d) d = (z₁² ー z₂²)/(2 λ )
基礎物理問題集
9.光基礎
9 光基礎
No-29
☆ P1 レンズ効果 前問の続き スリット干渉 強度分布 2014 東大
class
No.
Name
解答 No-29
P1 スリットが等間隔に並ぶと明線、暗線も等間隔にでるだけなのでレンズ効
次に,z> 0 の領域にある合計 N 本の多数のスリットすべてを用いる場合を
果は現れない。レンズと同じになるならレンズの式が出てくるはず
考える。すべての隣りあうスリットの組 Sn と Sn+1(n = 0,1,…) について,そ
3) Sn と Sn+1 の行路差は 2) の結果から R で 1 次の回折光が出るためには
れらの l 次の回折光が R に現れるためには,その方向が n とともに少しずつ変
Δ S=(zn+1² ー zn²)/(2d)= λすなわち zn +1² ー zn² = 2d λ① 次のように
わるようにスリットを配置する必要がある。このように面 A に N 本のスリッ
和をとると 両端のみ残り、zn² ー z₀² = 2nd λ②
z 1² ー zn² = 2d λ
トを設したところ,R に鮮明な明線が現れた。
(3) このとき n 番目のスリットの位置znは n のどのような関数になっている
: :
か。znを z₀,n,d,λを用いて表せ。
zn² ー zn-1² = 2d λ
よって zn= √ (z₀²+2nd λ )
(4) スクリーン B を x 軸に沿って左右に動かすと,他にも z=0 に明線が現れる
位置があった。それらの x 座標を R に近い順に 2 つ答えよ。
4)スクリーンの位置をずらすことはdが変化すること
(5) 左側から平行光線を入射する代わりに,図 3-3 に示すように x 軸上の原点
①の右辺が自然数mとして 2md' に変化したとすると 2md'=2d を満たす。
O から距離 a の点 P に波長 A の点光源を置き,スクリーン B を x 軸に沿っ
よって d’=d/m なるべく近い条件としては m=2,3 の時で d/2,d/3
てに動かすと z=0 に明線が現れる R' があった。その x 座標 b をλを含まな
い式で表せ。ただし z=z₀、z₁、z₂,…は a,b より十分に小さく,a>d かつ
b> d であるとする。
5) 光源⇔スクリーンを入れ替えてもレンズの式、行路差がつかえる。
図の PA 間の行路差と AB 間の行路差をの和が全体の行路差だからから R' で
(6) 図 3-4 は,設問 (5) の状況において,R' 近傍に現れる明線の光の強度分布
明線が出てくるためには
を z の関数として示したものである。ただし,光の強度とは単位時間あたり
①式から (zn+1² ー zn²)/(2a)+(zn+1² ー zn²)/(2b)=(zn +1² ー zn²)/(2d) という関 に単位面積に到達する光のエネルギーである。図 3-1 (c) のように,z < 0 の
係がある。よって簡単にすると
領域にも z > 0 の領域と対称にスリットを配置して,スリットの総数を 2 倍
が得られる。a>d だから
にした。このとき明線の強度や幅が変化した。以下の文中の内に入るべき適
よって ab=(a+b)d b(a-d)=ad
1 1 1
+ = というレンズの公式と同じもの
a b d
b=ad/(a-d)
当な整数もしくは分数を答えよ。
スリットの総数が 2 倍になったので,点 R’ における光の波 ( 電磁波 ) の振幅
6)スリットの数が増えると振幅が増える。強度は振幅 ² に比例する。
は [ ァ ] 倍になる。光の強度は光の波の振幅の 2 乗に比例することが知られて
強度は明るさと考えてもいい。この問題はなぜ、スリットの数が増えると
いるので,点 R' での光の強度は [ ア ] の 2 乗倍になる。一方,明線内に単位
明線の幅がせまくなるかをエネルギーで説明している。
時間に到達する光のエネルギーは [ イ ] 倍のはずである。このことから,スリッ
ア)スリットの数が増えると光子の数が増え振幅が増す。アは 2 倍
ト数を 2 倍に増やすと明線の z 方向の幅は、約 [ ウ ] 倍となると考えられる。
イ)エネルギーは光子数と振動数で決まる。振動数が変わらないので 2 倍
図 3-3
図 3-4
ウ)図3- 4の強度分布とスリットの関係をよく見ておく必要がある。
図の面積が単位時間あたりのエネルギーをほぼ表している。
光の強度が 4 倍になり、エネルギーが 2 倍でおさまるためには幅は
1/2 倍でないといけない。