平成27年度第1回(平成27年4月22日公表)(PDF形式:974KB)

平成27年度第1回 全国財務局長会議資料
○最近の近畿財務局管内の経済情勢
○近畿財務局管内における賃金の動向について
近 畿 財 務 局
最近の近畿財務局管内の経済情勢
前回(27年1月判断)
総括判断
一部に弱さがみられるものの、
持ち直している
今回(27年4月判断)
前回比較
緩やかに回復しつつある
総括判断の要点
個人消費は引き続き持ち直してお
り、生産は緩やかに回復しつつあ
る。雇用情勢も緩やかに改善して
いる
〔先行き〕
雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策効果などを背景に、回復の動きが強まっていくことが期待される。ただし、海外景気
の下振れなど、景気が下押しされるリスクが存在しており、これらの動向を注視していく必要がある。
前回(27年1月判断)
個人消費
今回(27年4月判断)
前回
比較
一部に弱さがみられるものの、持ち直している 一部に弱さがみられるものの、持ち直している
生産活動
緩やかに持ち直している
緩やかに回復しつつある
設備投資
26年度は前年を上回る計画となっている
26年度は前年を上回る見込みとなっている
雇用情勢
緩やかに改善しつつある
緩やかに改善している
住宅建設
前年を下回っている
前年を下回っている
輸出
前年を上回っている
前年を上回っている
企業収益
26年度は増益見込みとなっている
26年度は増益見込みとなっている
※27年4月判断は、前回1月判断以降、4月に入ってからの足下の状況までを含めた期間で判断している。
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1.個人消費
(%)
~一部に弱さがみられるものの、持ち直している~
〔大型小売店販売額(前年比)〕
2月
近畿 1.1
全国 2.0
○ 個人消費は、家電販売や乗用車販売が前年を下回っているものの、足
下で回復の兆しもみられ、大型小売店販売やコンビニエンスストア販売は、
堅調な動きが続いており、基調としては持ち直している。
○ 大型小売店販売額は、百貨店は高額品が引き続き堅調となっているこ
とに加え、春物衣料などが好調となっており、スーパーは飲食料品が堅調
となっていることなどから、前年を上回っている。
(注)全店舗ベース。
(%)
※27年2月は速報値
○ コンビニエンスストア販売額は、引き続きカウンター商品や弁当などが
好調となっていることから、前年を上回っている。
〔コンビニエンスストア販売額(前年比)〕
2月
近畿 5.4
全国 5.1
○ 家電販売額は、白物家電の回復の動きに鈍さがみられることなどから、
前年を下回っている。
○ 乗用車の新車登録届出台数は、減少幅が縮小しているものの、前年を
下回っている。
 高額品が堅調となっているほか、春物の婦人服等の正価品などが好調。また、訪日外
国人客による免税売上も増加。【百貨店・大企業】
(注)全店舗ベース。
(%)
〔乗用車新車登録・届出台数(前年比) 〕
3月
近畿 ▲13.9
全国 ▲11.9
 衣料品は恒常的に売れていない。一方で、生鮮食品などの食料品は堅調。
【スーパー・中堅企業】
 冷蔵庫やエアコンなど大型の白物家電は低迷したままとなっている。
【家電量販店・大企業】
 足下で消費者マインドの回復も窺われ、受注は増加傾向。高機能タイプのテレビなど
の動きがよい。 【家電量販店・大企業】
 落ち込みは長期化しており、低い状態のままとなっている。【自動車販売・中小企業】
(注)普通乗用車+小型乗用車+軽四輪乗用車の合計。
【出所】経済産業省、近畿経済産業局、日本自動車販売協会連合会、全国軽自動車協会連合会
 新型車目当ての来店客が目立った。今後も新型車投入効果による販売の増加を見込
んでいる。【自動車販売・中小企業】
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2.生産活動 (輸出を含む)
(22年=100)
~緩やかに回復しつつある~
〔鉱工業生産指数(季節調整値)〕
2月
近畿 110.5
全国
98.9
鉱工業指数(生産)でみると、金属製品などが低下しているものの、
化学工業のほか、海外需要の増加からはん用・生産用・業務用機械
が上昇するなど、全体では緩やかに回復しつつある。
 リチウムイオン蓄電池、車載機器、太陽光パネルはフル生産を継続。
【電気機械・大企業】
 除菌剤は、国内需要が堅調であることに加え、訪日外国人の需要も高まってい
る。既存工場はフル稼働状態であり、増産体制を整えるため、新工場を稼働予
定。【化学・中堅企業】
※27年2月は速報値
 北米の旺盛な需要を背景に自動車向け旋盤機械が引き続き好調となっており、
工場はフル稼働の状況。【生産用機械・中堅企業】
【出所】経済産業省、近畿経済産業局
3.設備投資
~26年度は前年を上回る見込みとなっている~
〔設備投資計画(前年(同期)比)〕
(%)
(近畿)
(全国)
法人企業景気予測調査(平成27年1~3月期調査)でみると、
26年度の設備投資は、前年を上回る見込みとなっている。
製造業では、電気機械などが前年を下回っているものの、情報
通信機械、生産用機械などが前年を上回っていることから、全体で
は前年を上回る見込みとなっている。
非製造業では、建設などが前年を下回っているものの、運輸・郵
便、不動産などが前年を上回っていることから、全体では前年を上
回る見込みとなっている。
なお、27年度の設備投資は、前年を上回る計画となっている。
 生産ラインの拡充など能力向上投資や新製品開発投資を実施。
【生産用機械・大企業】
 オフィスビルの建設投資を実施。【不動産・大企業】
【出所】財務省、近畿財務局
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4.雇用情勢
~緩やかに改善している~
〔有効求人倍率(季節調整値)〕
(倍)
(%)
〔完全失業率(原数値、前年同期差)〕
2月
近畿 1.06
全国 1.15
2月
近畿 4.0
全国 3.5
【出所】厚生労働省
(%)
(%ポイント)
(注)23年1-3月期から7-9月期の全国は、補完推計値を用いた参考値。
【出所】総務省
〔 現金給与総額 ・定期給与(前年同月比) 〕
○ 有効求人倍率は、12か月連続で1倍を超え、なお緩やか
に上昇している。
○ 完全失業率は、就業者数の増加などから前年を下回って
いる。
 パートやアルバイトを募集してもなかなか集まらないため、従来は支給
していなかった交通費を支給することにした。【百貨店・大企業】
 エンジニアが不足しているため、年度を通して中途採用を行っており、
来年度(28年度)の新卒採用者数も今年度より増やす予定。
【生産用機械・大企業】
(注)各都道府県「毎月勤労統計(地方調査)」
財務局所在都道府県の名目賃金指数から算出。
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5.住宅建設
(%)
~前年を下回っている~
〔新設住宅着工戸数 (前年比)〕
2月
近畿 ▲6.2
全国 ▲3.1
新設住宅着工戸数でみると、持家や分譲戸建などが減少し
ていることから、前年を下回っている。
 住宅展示場の来場者数が増加しているほか、注文住宅の受注も徐々
に回復しており、消費税率引上げの影響は底を打ったと感じる。
【建設・大企業】
 建築費上昇に伴い、マンションの販売価格が上昇しているため、新規発
売物件の売れ行きが鈍くなっている。【調査会社】
 注文住宅については、問合せがあるものの、受注までには至っておら
ず、当社のような地方の住宅メーカーは厳しい状況が続いている。
【建設・中小企業】
【出所】国土交通省
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6 .近畿財務局管内における賃金の動向について
25年度、26年度及び27年度の賃金の動向について
情勢報告調査にあわせ管内の企業に賃金の動向に関するヒアリングを実施。 実施時期は3月中旬から4月中旬。
対象先数は計140社。内訳は製造業72社、非製造業68社。規模別では大企業66社、中堅企業21社、中小企業53社
○ 賃上げを行う企業の割合は、25年度は84.3%、26年度は92.1%、27年度は94.2%と、賃上げの流れが拡大している。
○ 27年度にベアを実施する企業の割合は全体の47.9%、ベアはせずに一時金増を行う企業は16.5%、定期昇給のみを行う企業は29.8%
となっている。
○ 中小企業でも、賃上げを実施する企業・ベアを実施する企業の割合は着実に高まっている。
25年度
26年度
27年度
回答数:121社
(態度未定除く)
態度未定:19社
回答数:140社
回答数:140社
賃上げを行った企業の割合(規模・業種別)
規模別
大企業 (55社)
中堅企業(20社)
中小企業(43社)
業種別
製造業 (64社)
非製造業(54社)
83.3%
95.2%
81.1%
88.9%
79.4%
規模別
大企業 (61社)
中堅企業(20社)
中小企業(48社)
業種別
製造業 (69社)
非製造業(60社)
92.4%
95.2%
90.6%
95.8%
88.2%
16.4%
20.0%
25.6%
20.3%
20.4%
規模別
大企業 (36社)
中堅企業(6社)
中小企業(16社)
業種別
製造業 (34社)
非製造業(24社)
※「ベア・一時金増額の双方を行っている企業」は「ベアを行った企業」にのみ計上。
※以下、グラフの数値については、小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計が100にならないものがある。
賃上げを行う企業の割合(規模・業種別)
規模別
大企業 (54社)
中堅企業(18社)
中小企業(42社)
業種別
製造業 (61社)
非製造業(53社)
94.7%
100.0%
91.3%
96.8%
91.4%
賃上げ実施企業の中でベアを
実施する企業の割合
賃上げ実施企業の中でベアを
実施した企業の割合
賃上げ実施企業の中でベアを
実施した企業の割合
規模別
大企業 (9社)
中堅企業(4社)
中小企業(11社)
業種別
製造業 (13社)
非製造業(11社)
賃上げを行った企業の割合(規模・業種別)
59.0%
30.0%
33.3%
49.3%
40.0%
規模別
大企業 (35社)
中堅企業(4社)
中小企業(19社)
業種別
製造業 (32社)
非製造業(26社)
64.8%
22.2%
45.2%
52.5%
49.1%
※大企業 : 資本金10億円以上。中堅企業 : 資本金1億円以上10億円未満。中小企業 : 資本金1億円未満。
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6 .近畿財務局管内における賃金の動向について
27年度の賃金の引上げ動向について
○ 27年度に賃上げを実施する企業のうち、ベア、一時金増額及び定期昇給を合算し、前年度と比較してみると、「上回る(予定を含む)」
とする企業が51.5%と、半数以上の企業が前年度を上回ると見込んでいる。
○ 27年度のベア及び定期昇給を合算した引上げ率(前年度比)は、「2.0%~2.5%」が最も多く全体の27.7%。
→ 引上げ率が2.0%以上の企業の割合は56.9%(26年度53.4%)。2.5%以上の企業は29.2%(26年度26.0%)となっており、改善
が進んでいる。
【企業の声】
○ 昨年に引き続きベアを実施。ベアの金額も数十年ぶりに引き上げる。(化学・大)
○ 収益は出ていないが、売上は少しずつ伸びており、努力している社員のモチベーションを維持するため、27年度は一時金の額を少し
でも上げたいと考えている。(電気機械・中小)
○ 世間的に賃金の引上げは当然のような雰囲気になっている。議論のスタートは「いくら上げるか」となってきている。
(生産用機械・中小)
ベア、一時金増額及び定期昇給を合算した前年度との比較
ベア及び定期昇給を合算した引上げ率の前年度との比較
27年度の引上げ動向(全規模・全産業)
27年度の引上げ率(全規模・全産業)
回答数:101社(不明・わからない、無回答10社を除く)
26年度回答数:73社(無回答除く)
27年度回答数:65社(無回答除く)
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