第5回 かながわ教育学講座 - 神奈川県立総合教育センター

平成 27 年度 かながわティーチャーズカレッジ
Vol.5
平成 27 年 10 月5日 発行
神奈川県立総合教育センター
かながわティーチャーズカレッジ事務局
(教育事業部教育人材育成課
若手教員育成班)
第5回 かながわ教育学講座
平成 27 年 10 月4日(日)の午後、第5回かながわ教育学講座を開講しました。今回のテーマは、
「いま求め
られる授業」です。また、午前中は特別講座2を行い、さらに特別支援学校の教科書の展示もあり、盛りだくさ
んの一日となりました。
いま求められる授業
大講堂と中講堂での講義は、総合教育センター教育人材育成課 的場公美指
導主事と坂野千幸指導主事がそれぞれ行いました。
学力の3要素とは、
「基礎的・基本的な知識・技能の習得」、
「知識・技能を
活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等」、「主体的
に学習に取り組む態度」であり、それらは相互作用することを確認しました。
そして、思考力・判断力・表現力等の育成と言語活動の充実についての話を
聞いた後、授業の動画を視聴しました。大講堂では小学校1年算数科の授業、中講堂では高等学校1年地理歴史
科の授業が上映され、受講者は志望校種や希望によって選択しました。講義の内容も踏まえて、
「言語活動につ
いて」と「その他について」(教材・教具、学習環境、教師の投げかけ・受け止め、学習規律、個への配慮、板
書について等)の2つの観点から、授業の「良いところ」を探してメモを取りました。
グループ活動
後半のグループ活動では、授業づくりのイメージを持つことをねらいとして、視聴した授業の良さについて話
し合いました。授業の良いと思ったところについて、取っておいたメモを元に、各自が付せんに書き、班で模造
紙にまとめました。今回も KJ 法を使って班協議を行いましたが、KJ 法は3回目ということで、どの班も慣れ
た様子で進めていました。短い時間の中でもよくまとまっており、模造紙の出来も発表も、回を重ねるごとによ
くなっています。受講者は授業の良いところをたくさん見つけており、班で活発に意見交換し、考えを深めてい
る様子が見られました。少人数で話し合う、まとめる、説明するという活動を通して、言語活動の充実を図り、
思考力・判断力・表現力等を身に付けていくということを実感できたと思います。
特別講座2
チャレンジコース受講者には、特別講座の概要と意見・発展性を 800 字以上 1200 字以下で述べるという課題
レポートが課されています。この日は、特別講座1の課題レポートの提出日でもありました。
今回の特別講座2には、オープンコース受講者 28 名も参加し、小学校と特別支援学校に分かれて講義を受けました。
小学校「小学校における学級経営」
講師:教育人材育成課 桑田正明 教育指導員
学級担任の一日を時系列で追いながら、小学校における学級経営について考えました。出
勤、報告・連絡・相談、教室で児童を迎える、朝の会、1 時間目、授業づくり、中休み・昼休
み、休み時間直後の3校時と5校時、給食、清掃、帰りの会、職員会議等、採点事務、児童
のトラブル解決(対児童)
、児童のトラブル解決(対保護者)という 15 のシーン別に、きめ
細かい配慮や心掛けを具体的に学ぶことができました。また、子どもたちが生き生きと
桑田正明 教育指導員
活動している写真を見て、教師になりたいと思いを強くした受講者も多かったようです。
さらに、経験が1~5年の小学校教員のあるべき姿や役割についても話を聞き、自分の教員としてのキャリアデ
ザインについてもイメージを持つ機会になりました。
特別支援学校「子どもの命を守る」
講師:鶴見養護学校 花本 潤 養護教諭
特別支援学校の養護教諭の視点から、子どもの命を守るために必要なことについて、グラ
フや映像を用いながら、具体的にわかりやすく教えていただきました。学校保健安全法や健
康観察の重要性・ポイントについて、また、事例を交えながら、知的障害部門に見られる障
害・疾患、その障害特性から見た配慮などを学ぶことができました。さらに、てんかん
発作のDVDを見て、抗けいれん剤や精神安定剤などの薬についても話を聞きました。
最後に見たDVDには、児童・生徒の突然死を防ぐために、私たちがやるべきこと、備
鶴見養護学校
花本潤
養護教諭
えておくべきことが描かれていて、受講者はとても真剣な表情で見入っていました。教師の対応の速さや的確さ
により、児童・生徒の命の明暗を分けることがあるという責任の重さを実感し、身が引き締まる思いだったこと
でしょう。子どもの命を守るために必要な知識を持ち、もしもに備えた心構えを常にしておくことの重要性も学
びました。
特別支援学校の教科書の展示
神奈川県の特別支援学校で用いられる教科書の展示がありました。点字、
文字が拡大されたもの、文字が少なくて絵や写真がたくさん載っているもの
など、普段はなかなか見る機会がない特別支援学校の文部科学省著作教科書
を、実際に手に取って見ることができました。また、神奈川県立特別支援学
校で採択されている学校教育法附則第9条
の規定による一般図書(絵本等)は全種類展示されていて、全部で 300 冊以上
ありました。特別支援学校を志望している者だけでなく、多くの受講者が訪れ、
延べ 82 名の参加がありました。かながわティーチャーズカレッジならではの貴
重な体験ができたと思います。