「これまでの主な研究」 1981~1984:エンジン駆動ヒートポンプの研究開発 ヒートポンプサイクルのコンプレッサをガスエンジンで駆動し、エンジン排 熱を利用した給湯システムを併設した空調・給湯システムの研究開発。 この研究を通じて、伝熱工学の基礎知識と熱設計技術を習得。 1984~1992:ファインプラズマ加工機の研究開発 超高エネルギー密度アークジェット発生技術を開発し、その成果を、レーザ 加工機並みの精密熱加工が可能なファインプラズマ加工機の製品化に結実させ た。この技術の研究期間中の 1988~1990 に米国スタンフォード大学高温気体力 学研究所(HTGL: High Temperature Gas dynamics Laboratory)に留学し、電磁 流体力学、プラズマ物理、プラズマ分光計測の基礎知識を習得。 1 1993~1997:超音速非平衡プラズマジェットを利用した高速成膜技術の研究 プラズマ発生室で生成したプラズマを超音速ノズルで加速し、得られた超音 速プラズマジェットを基板に照射し、ダイヤモンド微結晶薄膜やシリコン微結 晶薄膜の高速成膜技術を研究。本装置を用いて製作された薄膜微結晶シリコン を用いた太陽電池も試作した。 超音速プラズマジェット成 膜装置で作られた高純度ダ イヤモンド薄膜 1998~2002:水エマルジョン燃料の研究開発 軽油や重油などのディーゼル燃料に水を混合し、粒径 1μm 程度の微細ミセル 安定化構造エマルジョン燃料の製造方法について研究した。この研究に基づき、 独自の構造を有する混合器からなるエマルジョン燃料製造装置を開発。このエ マルジョン燃料を定置式ディーゼル発電機用燃料として使用することにより NOx および煤の発生量を 1/10 以下に減少させることに成功した。この技術は、 2002 年度日経地球環境技術賞に輝いた。 2 2003~2005:ディーゼルエンジン用低エミッション燃料インジェクタの研究 建設機械用ディーゼルエンジンの米国第 4 次排ガス規制値(Tier 4)のクリア を目標とした超低エミッション燃料インジェクタの研究開発を実施。インジェ クタ内部にマイクロ予燃焼室構造を持つ低圧損型インジェクタを研究し、実機 搭載用試作品で高いエミッション低減効果を確認した。 3 【末広型】 【標準型】 プレ燃焼領域 燃焼開始点 液滴 大 燃焼開始点 液滴 小 局所高温場の形成 局所高温場を形成せず NOx の増大 NOx の減少 【インジェクタノズル形状と燃料噴霧構造の違い】 【新型インジェクタのエミッション低減効果】 エンジン回転数: 3000 rpm 【ディーゼルエミッション計測システム概要】 末広型インジェクタにより、NOx 発生量を 200 ppm 以下に大幅に低減すると同時 に、スモークの増加抑制も可能にした。 4 2007~2011:ハイブリッド建機用高性能 Li イオンキャパシタの研究 ハイブリッドパワーショベルをはじめとするハイブリッド建機の主要コンポ ーネントである蓄電装置の次世代バージョンとして Li イオンキャパシタ(LiC) モジュールの研究開発を実施。現行の電気二重層型キャパシタ(EDLC)と比べて 4 ~5 倍程度の体積エネルギー密度を持ち、高負荷時の耐久性に優れている。 2012~2013:油圧ハイブリッドショベルのブームエネルギー回生機構の研究 油圧ショベルのブーム下げ動作中に油圧回路中で発生するメータアウト損失 エネルギーが非常に大きいため、流量制御弁を高回転油圧モータと結合された 発電機ユニットに置換することで、エネルギー回生と流量制御が同時に可能と なる油圧システムの機構を解析・検討した。 5
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