WLTP サイクルにおけるEuro IV のトランジェントNOx

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WLTP サイクルにおける Euro IV のトランジェント NOx
乗用車の国際調和排出ガス・燃費試験法(WLTP)の国際基準は,2015 年の終わりまでに決着すると予
想され,この基準は排出エミッションや燃料消費量,およびその他の特性を決める国際標準になってい
くことと予想されます.
あらゆる車両に適用される WLTP サイクルは,その車両の出力重量比や達成可能な最高速度が基準とな
りますが一般に,このサイクルは既存の欧州のドライブサイクルである NEDC と較べ,より自然なトラ
ンジェントサイクルとなっています.
このドライブサイクルのトランジェントは,より「リアルワールド」の運転状態を再現するものであり,
トランジェント状態のエミッションを記録する高速のガスエミッションアナライザに対する好機と共に,
エンジンのキャリブレーションを行う方々へ新しい課題を突き付けています.
BMW 社の「Prince」と言われる 1.6 L のターボチャージャ付きの GDI エンジン(Euro IV 向けのキャ
リブレーション)を搭載した Peugeot 308 が上記の WLTC サイクルで運転され,エンジンアウト側の
NOx エミッションを従来のガスアナライザと高速応答型の CLD500 で記録しました.
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上記のグラフは本サイクルの最初の約 2 分間に現れた,NOx データの時間分解能による違いを示したも
のです.
どちらのガスアナライザも同じガスをサンプリングしているにも拘わらず,トランジェント運転のあま
り激しくないとところでは良く一致していますが,明らかに高速応答の NOx エミッションがエンジンの
ダイナミックな特性を示しています.
エンジンのキャリブレータ(オープン ECU やその他のセンサを装備)システムは,内部および外部の
EGR や空燃比,噴射タイミング,およびおバルブの開閉タイミング等との相関を捉えることができます.
三元触媒下流側の測定では,過渡時における排気後処理システムの NOx トラップ効率が際立ち,酸素の
蓄積状況や空燃比のコントロール,および温度影響等の評価を可能にしています.