講義の受け方 ノートのとり方 基礎・教養教育部門 進藤哲央 はじめに キャリアデザインノートを回収します キャリアデザインノートに関して一言… 「将来の夢」を具体的に述べることができますか? 「漠然とした将来の希望」を具体的な夢に昇華させるために, キャリアデザインノートを活用しましょう。 何をするにも戦略とスケジューリングが重要 戦略を立てるためにキャリアデザインノートを活用しよう 自己分析 戦略目標の設定 目標に向けて作戦を練る http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/1204/19/news008.html より おしらせ 今日使ったスライドは下記からダウンロードできます。 http://www.ns.kogakuin.ac.jp/ ft13245/lecture/2015/JSem/ 大学で学ぶということ 大学で学ぶということ 自問自答してみよう。「大学で学ぶ目的は何か?」 まだうまく答えられない人はできるだけ早くに 自分なりの答を見つけておこう! 社会が求める大学での学びの目的 社会人に必要な実力を身につけること 問題を解決するための能力 何にしても,その場しのぎの学習は無意味!! 単位取得は目的ではなく,結果としてついてくるおまけである! 学問のススメ 「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずとい へり…されども今廣く此人間世界を見渡すにかしこ き人ありおろかなる人あり貧しきものあり富めるも あり貴人もあり下人もありて其有様雲と との相違 あるに似たるは何ぞや」 (「学問のススメ」福沢諭吉) その理由は学んだか学ばなかったかによるというの が福沢諭吉の意見 情報・知識・知恵 調べればわかること→情報 色々な調べ方を知っておくのはとっても大事 体系的情報→知識 ばらばらの情報を統一した視点から眺めることで 新たな発見もありえる 様々な知識を駆使して問題を解決していく能力→知恵 情報を知識化し,それを活用する知恵を身につけること これを目指そう! 大学の特色 研究や教育の最高機関(広辞苑より) すべからく大学というところはそうであるべき そこで学ぶ人/学べる人は皆エリートである 学びたい人が高い学費を出して,高度な教育を受けるところ 私学にも国民の血税が投入されている→しっかり学ぶ義務がある 高い学費に見合った学習・経験をしないと損をする (>2000円/時間) 高校までと違い,学ぶ内容が学部や学科によって全然異なる (授業の内容は学部や学科あるいは授業担当者が決める) 高度で専門的な学習内容の理解には多大な努力が必要 生徒から学生へ 細かい話だが,生徒というのは中学・高校で学ぶ人を指す。 小学校だと児童。幼稚園だと幼児。 ということで,大学に生徒はいません。 常に自主性が求められる すべてを先生が指示してくれるわけではない 高校などよりかなり放任される 自己決定と自己責任 大学を活用しましょう 教員,学習支援センター,図書館,情報センター etc 授業料のもとをとらないと損 講義の受け方 大学での授業 2単位=90時間の学習 講義時間=90分 15回=22.5時間 残りの67.5時間分は自習する必要がある 仮に,授業中に先生がしゃべった内容を全て暗記し て,板書も完璧に覚えたとしても2単位はもらえない 大学では「習っていません「知りません」は言い訳 にならない ここは自分で本を読 んだりして身につける 必要な知識 教わる内容 様々な授業形態 教科書中心の講義 板書中心の講義 プリント中心の講義 パワーポイント中心の講義 その他(混合型,アクティブラーニング,等々) それぞれに特徴があり,学生や教員の好みがある 出席について 出席記録の2つの意味 教育上の記録 成績をつけるときに出席をどうあつかうかは先生次第 災害時の存在確認 (この点からも学生証をリーダーにかざすという作業は重要。学生 証を忘れないように。いかさまをやらないように) 学びの点では,単なる出席に全く意味はない 電車の遅延証明書を先生に提出しても,いなかった間の授業内容が自 動的に頭に入ってくるわけではない 授業を受けそびれた分は,しっかり自習して補うこと 講義を受ける態度・姿勢 観客,傍観者にならない! 受動的に教員の話を聞き流し,ただ板書を写すだけでは理解でき ないし,実力も身につかない 主体的に授業内容を理解するよう,真剣に講義に参加する姿勢が 必要 ノートを取る 質問をする 何より自分で考える 授業中の態度 私語 ダメ,ゼッタイ。まわりの人の迷惑になります。 居眠り・内職 まわりの学生や教員の気が散るので好ましくないし,何より時間 の無駄です。 教員も人間なので,教室の雰囲気次第で授業の質(やる気とか勢 いとか)が変わってしまいます 飲食 水分補給くらいはたいていOKですが,教員によっては嫌がる人 もいます 予習の仕方 シラバス等を見て,授業予定と予習の指示を確認し,指示 の内容を実行する 授業の進行と関係なく,関連する本を読んだり,自分でそ の分野の内容を調べたりしておく 特に,難しそうな点や,自習してみてよく分からない点 があれば洗い出しておくと,授業を効率的に受けられる 勝手に予習している内容であってもオフィスアワー等を 利用して教員のところへ質問に行くと良い 復習の仕方 理解度を確認する シラバスに復習の指示があればそれをやる 宿題があるときはそれをやる 「分かりませんでした」と書いて提出しても1点にもならない ノートの見直しや整理 教科書や参考書の該当個所を読み返してみる 教員に質問して内容を完全に理解することを目指す 関係する内容を自習する 授業では扱い切れなかった話題等も,興味があればどんどん勉強する 質問の仕方 授業に直接関係することを,授業中に質問するのは大歓迎 長くかかりそうな質問や学習についての相談などは,オフィ スアワー等を利用して教員をつかまえてじっくり質問する 馬鹿にされることを恐れてはいけない!質問をして成績が 悪くなることはありません。 中学や高校での学習内容に不安があるような場合には学習 支援センターを多いに活用しよう! 内容を理解するために 何が分からないかを徹底的に洗い出す(分析) 教科書を最初から1行ずつ理解度を確認しながら読んでみる 言葉が分からないのか。式の変形が分からないのか。etc 分からない原因が分かればほとんど勝ったようなもの 分からない原因をひとつずつ潰していく(解決) 例えば,「数学能力の不足」が原因なら高校や(場合によっては)中 学・小学校まで って数学の復習をする。 質問・学習相談で教員や学習支援センターを活用する そもそも「理解する」とは? 勉強した内容を自分自身の言葉で説明できるかどうかがポ イント。 教科書に書いてあるフレーズを繰り返せるようになって も,本当に理解したかどうかは不明。単に覚えているだ けかもしれな 勉強した内容について,他の人に教えられるようになっ ているなら完璧 理系の場合には,自分の力で必要な計算ができるように なっているかどうかも重要 ところで… 「速さ」という概念について説明してください。 ところで… 「速さ」という概念について説明してください。 ところで… 「速さ」という概念について説明してください。 これは単に,速さの求め方 を述べているだけなので, 不十分。 ところで… 「速さ」という概念について説明してください。 これは単に,速さの求め方 を述べているだけなので, 不十分。 速さについて分かっている(つもりの)人は,次の問題を解 いてみよう。 4 3 r である。 気球の半径をrとする。気球の体積Vは,V = 3 1秒に100cm3の割合で体積が増えているのだから,t=0のと 3 V = 100cm /s きにV=0だったとして, 3 r= これより, dr 1 v= = dt 3 15 cm /s 2 3 15 cm /s 2 t と書けるから, 1/3 t 1/3 1/3 t 2/3 V=1000cm3となるのはt=10sのときなので, v 0.096cm/s 球形の気球がふくらまされていて,その体積は1秒に 100cm3の割合で増えているとする。体積が1000cm3 のとき,半径が大きくなる速さはいくらか? 4 3 r である。 気球の半径をrとする。気球の体積Vは,V = 3 1秒に100cm3の割合で体積が増えているのだから,t=0のと 3 V = 100cm /s きにV=0だったとして, 3 r= これより, dr 1 v= = dt 3 15 cm /s 2 3 15 cm /s 2 t と書けるから, 1/3 t 1/3 1/3 t 2/3 V=1000cm3となるのはt=10sのときなので, v 0.096cm/s ノートの取り方 板書 ノート例 A ノート例B 2つの例 どちらが良いと思いますか? A: 板書を完璧に写したノート B: 板書は適当に写した。でもメモが追加してある 2つの例 どちらが良いと思いますか? A: 板書を完璧に写したノート B: 板書は適当に写した。でもメモが追加してある 先生によっては異論があるかと思いますが… 2つの例 どちらが良いと思いますか? A: 板書を完璧に写したノート B: 板書は適当に写した。でもメモが追加してある 先生によっては異論があるかと思いますが… Aのノートなら写メで充分です。 ノートを取る目的 考えたこと,学んだことの記録 実験科学だと,実験ノートをきっちり書くのはとても大切 将来の自分が見たときに,内容を思い出せること 何を書いているのか分からないノートは何の役にも立たない 内容を理解しないまま,板書を単に写しただけのノートは無意味 きっちり書かれたノートは貴重な財産である 良いノートの取り方 これが絶対という定型のものはないので,色々試行 錯誤して自分のつかいやすいスタイルを工夫してい くことが重要 ノートの取り方がうまくなれば,社会人になってか らも役に立ちます 授業中に一生懸命書いているのは,ノートというよ り,メモです。授業中に書いたメモを参照しつつ, じっくり腰をすえてノートにまとめていくというの が正しい態度 板書が速い? たいていの授業では板書のスピード(やスライドを めくるスピード)が速く,メモをとるのも大変 全部を完全コピーする必要はない 要点をうまくまとめる練習を なんだったら写真にとる 授業のあとで,きちんと復習してノートにまとめる コレ重要 ノートのとり方色々 余白を多くとる プリントの余白等に,先生の話のメモをかきこむ 教科書に載っていないことを書く 教科書との対応(ページなど)を書きこむ 略号(etc., cf. , ex.)をうまく使う,色分け。 友達とノートの見せ合い 先生に見せてみる ノートの形式例(コーネルメソッド) 1ページを3つのパートに分けて書き, 主に復習が効率よくできます。 キーワード ノート 授業中のメモやノートは 「ノート部分」にとる サマリー 復習するときは,ポイントやわからない点を「キーワード」 に書きこむ 「サマリー」にはノートに書いてある要点のまとめを記入 ノート作りのすすめ 授業に関係なく,自分用ノートを作りましょう 講義ノートを別なノートにまとめていくのも良い 自分用公式集や用語集,フレーズ集などを作って, どんどん貯めて育てていくと大きな財産になる 例: 「情報学」とかいう大きなノートを作って,自分 で勉強したことをどんどん書き貯めて育てていくと, 4年後には自分だけのための教科書ができあがる 提出課題 今日学んだ内容について,配布した用紙に簡潔にま とめてみましょう 一番下の欄に,質問やコメントを自由に書いてくだ さい。
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