物流・メンテナンス・シリコン(シリコンウエーハ)

物流・メンテナンス関連の政策(今後の課題)
1.大型建設機械に関する輸送規制緩和
現行規制上、分割輸送せざるを得ない大型建設機械や工作機械などに関し、環境負荷低減や交通量の緩和、
安全性確保の観点から、現行の道路三法の見直しならびに全国的な高規格道路の整備を通じて輸送規制を
緩和すること。
2.物流業界における新規労働者の確保
ドライバー不足を解消するため、モーダルシフトの推進を行うとともに、新卒者や未経験者でもドライバ
ーとして働くことができる教育システムの構築、免許制度の緩和、物流業のイメージアップを図る方策の
実施を推進すること。
3.環境負荷低減、輸送効率の向上に向けた取り組み
運輸部門での環境負荷の低減に資する交通インフラ投資やモーダルシフトならびに物流拠点における低炭
素化を推進すること。
日本全体の CO2 排出量中運輸部門が2割を占め、その 1/3 以上が物流関係に起因していることから、この
分野での対策はきわめて重要である。共同輸配送や物流拠点の共同化ならびにそこでの低炭素化の促進な
ど、従来から一歩踏み込んだ施策を実行すべきである。
今後の国土開発についても、人口構造の変化、世帯構成の変化等を織り込み、環境負荷の低減を念頭に置
いた街づくり、環境に配慮した電気自動車、次世代型路面電車開発・導入支援を含む交通体系づくりを行
うべきである。
4.安全運行への取り組み
事故を防止するため、被害軽減ブレーキ等の先進安全自動車(ASV)の導入を促進するとともに補助金制度
を拡充する。また、長時間の運転を避けるため、中間拠点や休憩場所の設置を推進する。
5.消費者意識の改革
物流が重要な社会インフラとしての地位を確立し、産業の発展に
寄与する安全・安心な物流システムの構築をはかれるよう消費者
意識を改革する。
6.メンテナンス関連の取り組み
メンテナンス作業における長期包括契約の締結促進によって、
プラント業の設備更新サイクルを、年間を通じて平準化させる
ことで設備の安全化・運用効率化・省エネ化などの点で企業の
自助努力を支援すること。
シリコン(シリコンウエーハ)関連の政策(今後の課題)
低廉な電力料金に向けた取り組み
シリコン事業は、パソコン、スマートフォンなどハイテク産業を支えている事業であり、常にグローバ
ル市場の中で厳しい価格競争にさらされている。
したがって、グローバルな視点で競争力を維持するためには、
東日本大震災以降、特に問題となっている割高な電力料金
および電力需要問題を解消する必要がある。
多消費産業の関係団体(労使団体)と連携し、低廉な電気料金
の実現に向けた取り組みを最重要課題として推進する。
情報分野関連の政策(今後の課題)
ものづくり産業や次世代エネルギーシステム等に必要な技術・通信基盤の整備
1.クラウドコンピューティングや光ネットワーク等の情報通信技術
2.災害復旧・事業継続性を念頭に置いたネットワークの再構築
3.ビッグデータ活用ビジネス創出のための研究開発と事業化支援
4.狭域通信システム(DSRC)
医療関連の政策(今後の課題)
1.医療機関の控除対象外消費税等の負担を確実に軽減する措置を講じること。
消費税率8%への引き上げ時には、診療報酬改定が行われたことで結果的に救済されたように感じられ
るが、実情は医療機関等の課税仕入れに係るコスト増等から病院側の負担が増加し収益を圧迫してい
る。消費税率のさらなる引き上げが検討される現状において、次回の診療報酬改定時には、医療機関へ
の消費税負担が確実に軽減される措置を講じること。
2.医療現場で働く者が、やりがいと活力をもって働くことのできる環境を整備し、良質な医療を
提供できる体制を確立すること。
① 医師・看護師が不足する現状を鑑み、労働者のニーズに応じた柔軟な勤務体制を構築する等、既に
退職している有資格者が職場復帰しやすい環境を整備すること。また、都道府県ナースセンターの
本来持つ機能を十分に発揮できるように周知徹底すること。
②病院機関の機能分化にあたり専門的な職種に従事する者の職場統廃合などが予想されるが雇用問題
が発生しないよう対策を講じること。
3.公立と民間病院を同じ競争条件とし、地域医療の充実につなげること。
①医療機関の機能分化と連携強化、各病院における効率化を徹底的に推進し、民間・公立の病院双方が、
原則として診療報酬のみで病院経営が維持できるものとすること。
②地方自治体からの医療機関に対する補助については、民間・公立の別なく、地域医療における役割を
踏まえ行うこと。また、補助対象については、医療行為に限定するなどその基準を明確にすること。
③医療機関の控除対象外消費税等の負担を確実に軽減する措置を講じること。