事例1 北海道 北見市北見農業委員会 加入促進期間に集中的に加入を行いコンスタントな成果を挙げ続ける取り組み ○ 概要 北見市北見農業委員会では、新制度がスタートしてから、農業委員会・農業者年金 協議会をはじめJAきたみらいと連携しながら、毎年農年加入推進月間を設定して加 入推進を行っています。また、3地区に分けて加入対象者を参集して研修会を行う等 の活動により、コンスタントに新規加入者を増やし続け、全道でもベスト5の加入者 数となっています。また、近年において女性の加入促進にも力を入れてきた結果、女 性の被保険者も58人となり、その着実な取り組みが注目されています。 ○ 本文 北見市は、北海道大雪山の麓からオホーツク沿岸までの広範囲にわたり、約2,2 00haの経営耕地面積のもとで麦類、馬鈴薯、てん菜、豆類の畑作4品とタマネギを 中心とした野菜類、並びに酪農・肉牛等の畜産も営む地域です。とりわけ「北見タマ ネギ」に代表されるタマネギは、全国一の生産量を誇っています。 平成18年に4市町(北見市、端野町、常呂町、留辺蘂町)が合併しましたが、農 業委員会はそれぞれに設置されており、中心をなす北見地域(旧北見市)では1戸当 たりの平均耕地面積が12.3haと比較的小規模ながら集約的な農業経営となって います。 1 加入促進を事業計画の中で位置づけ 農業者年金の加入推進については、農業委員会が農業者年金協議会と連携し、農 協に協力を呼びかけて3者一体となって取り組んできました。 なかでも注目すべき点は、毎年各組織の事業計画の中に農業者年金の加入推進を 明確に位置づけて勧められていることが挙げられます。この位置づけにより、それ ぞれの組織にふさわしい形で取り組みが進められています。 2 加入対象者名簿の策定と加入推進の進め方 同市における加入促進は、毎年2~3月に設定される加入推進月間に3地区で開 催される研修会・相談会を中心に進められています。そこで、参加を呼びかける対 象者を選定する方針を3者で決定しています。 対象者は経営主はもちろんですが、重点対象者を後継者、配偶者、後継者の配偶 者とし、加入推進対象者名簿の作成は農家の実情をよく知るJAに一任しています。 対象者を策定した後の進め方は、研修会等の場にて経営主を中心にPRし、制度 の理解を得た上で、経営主から家族に直接勧めてもらうようにしています。これは、 重点対象者の後継者や配偶者等は独断で加入を決断するのは難しいため、必ず経営 主の理解・協力と承認などを得て加入できるように、十分に配慮し進めるためです。 また、後継者の配偶者は政策支援措置がないため、当初はスムーズに加入が進みま せんでしたが、こういった配慮により、女性の加入も次第に成果をあげることがで きました。 3 加入推進月間に研修会・相談会の開催 加入推進活動の中心をなすのが、毎年2~3月の加入推進月間に行う研修会・相 談会の開催です。 なるべく多くの対象者が参加できるように3地区で開催し、通常の開催案内のほ かに、農業委員も自分の担当地区の後継者・女性を含めた対象者に参加を呼びかけ るなど、積極的に活動を行っています。また、参集者には加入推進対象者だけでは なく、名簿に掲載されていない未加入者にも幅広く呼びかけるようにしています。 研修後には加入について農家の話し合いが行われますが、農業委員は「加入意志 の有無を個別に確認していくことはせず、分からないことを聞かれたときに説明を する」という姿勢で対応をしてきました。 - 1 - 4 脱退者への再加入も進めたい 以上のほか、農業委員会事務局としても、様々な機会を活用し広く制度のPRを 行う啓もう宣伝に取り組んでいます。年3回の農業委員会だよりや窓口宣伝等の地 道な活動ですが、これが途切れなく継続されていることにより、着実に新規加入者 を増やすこととなっています。 今後の取り組みとしては、「新たな制度にスムーズに移行することができたが、運用 益の問題などで一時脱退した人もいる。今後はこれらの人に再度加入してもらう取 り組みにも本腰を入れたい」(合田裕一会長)としています。 北見市で開催された農年協30周年記念事業 - 2 -
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