パルス軟X線光源とその応用 Development and Application of Pulsed Soft X-Ray Source 高杉 恵一 量子科学フロンティア 2015年11月5日 光のエネルギーと波長 E h hc 1.24 106 [m] E[eV] 話 題 • 自己収縮するプラズマ 効率のよいエネルギー変換システム • EUVリソグラフィ 次世代半導体リソグラフィ光源 • 軟X線顕微鏡 生体組織を生きた状態で観察 1.自己収縮するプラズマ プラズマ状態 身の回りのプラズマたち 落雷 ネオン管 炎 宇宙のプラズマたち 太陽 Hale-Bopp彗星 オーロラ プラズマに共通した性質 • 温度が高い • 電気伝導度がよい • 流動性が高い ⇒ しゃへい(空間的・時間的) ⇒ 磁力線の凍りつき ⇒ ピンチ効果 自己収縮するプラズマたち 落雷 スパーク かに星雲 電流のつくる磁場 B J 100 kAの電流のつくる磁場 r (mm) 100 10 1 0.1 B (T) 0.2 2 20 200 1 atm = 105 Pa B2/2m0 (Pa) 1.6×104 1.6×106 1.6×108 1.6×1010 Zピンチへのエネルギー入力 プラズマの半径方向の運動方程式は m0 I 2 d 2r m 2 dt 2r プラズマに入る運動エネルギーは m0 I 2 R m dr ln 2 dt 2 a 2 電流2乗のスケーリングが得られる 入力エネルギー R 10 [mm], a 1 [mm], 10 [mm] 電流 エネルギー 200 kA 180 J 2 MA 18 kJ 20 MA 1.8 MJ SHOTGUN Zピンチ装置 電流波形と軟X線、EUV光 Zピンチプラズマの収縮過程 ホットスポットの発生 Johansson型結晶分光器を用いた 軟X線分光測定 軟X線スペクトル 軟X線の発生機構 • He様共鳴線 (1s2p – 1s2) 基底状態からの衝突励起 • Li様サテライト線 (1s2p2 – 1s22p) He様イオンからの二電子性再結合 EUV領域の分光測定 ArイオンのEUVスペクトル SnイオンのEUVスペクトル Xe Zピンチ Xe 100% He:Xe=500:1 Zピンチプラズマからの軟X線放射 • ホットスポット ⇒高温のプラズマから放射されるHe様イオン線 • バルクプラズマからの放射 ⇒持続時間の長いEUV領域のスペクトル線 • 雲状構造 ⇒周囲の金属蒸気から放射されるKα線 軟X線放射の空間構造 軟X線の応用 • 次世代半導体リソグラフィ ⇒波長13 nmにおける単色光源 • X線顕微鏡 ⇒Water Window(2.3-4.4 nm)における光源 • 新物質の構造解析 ⇒波長(1-10Å)における単色光源 2.EUVリソグラフィ 半導体ロードマップ 2003 2004 2005 2006 2007 DRAM(nm) 100 90 80 70 MPU(nm) 107 90 80 70 2008 2009 2010 2011 2012 2013 65 45 35 32 65 50 35 32 KrF 248 nm ArF 193 nm 液浸露光技術 EUV 13.5 nm ITRS2003(International Technology Roadmap for Semiconductors) 国際半導体技術ロードマップ プロセッサーと半導体プロセス EUV露光システム EUVリソグラフィの光学系 LPP方式とDPP方式の比較 3.軟X線顕微鏡 軟X線の吸収 Water Window • エネルギー280~540 eV(波長2.3~4.4 nm) の光はOよりもCで強く吸収を受ける。 水中で有機物が際立って観測されるため、 水の窓(Water Window)とよばれる。 軟X線を用いた組織の観察 課 題 • H、CおよびOのエネルギー500 eVの光に対 する吸収断面積は表のようになっている。水 H2Oおよびポリエチレン(CH2)nの半価層(透 過率が半分になる厚み)を求めなさい。ただ し、質量密度はそれぞれ1.00および0.90 [g/cm3]である。 元素 断面積 [cm2] H 1.14×10-22 C 2.68×10-19 O 3.82×10-20 蛇足 X線の透過率は標的の数密度n、断面積 、距離をxとしたとき e nx これが1/2になるxが半価層である ln 2 x n 蛇足2 水分子H2Oの断面積はHおよびOの断 面積をHおよびOとしたとき H O 2 H O 2 数密度nは質量密度、分子量A、質量単 位uとしたとき n Au 最後に • この講義の資料はホームページ上に 置いておきます こちらからアクセスしてください http://sg2.phys.cst.nihon-u.ac.jp/ 「プラズマ科学」で検索できます
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