7/9 Compton Scattering, Inverse Compton, SSC

Radiative Processes in
Astrophysics
2015/7/9
http://wwwxray.ess.sci.osakau.ac.jp/~hayasida
2章以降の全体像
2章
3章
4章
5章
6章
7章
8章
電磁場、電磁波
運動する荷電粒子からの放射
特殊相対論
制動放射
連続スペクトル
シンクロトロン放射 加速度を受けた荷電粒子は放射を出す
•加速度の2乗に比例したパワー
コンプトン散乱
•加速度をつくり出す力としては、
原子核のクーロン力、
原子の構造
磁場中のローレンツ力、
量子力学 線スペクトル
入射電磁波による振動。
•荷電粒子としては、陽子に比べて
2000倍軽い、電子がきく。
かに星雲

X線までシン
クロトロン成
分が見える
ことは何を
意味する
か?
NASA/GSFC/CXO提供
かに星雲の多波長スペクトル
𝜈𝜈𝐹𝐹𝜈𝜈 (Hz・erg cm-2s-1Hz-1)と
いう表示がより一般的
Yuan et al., 2011, ApJL,730,L15より
銀河電波

銀河系内部、星間空間の磁場~10-6ガウス
銀河系内、星間空間の磁場B~10-6Gauss
eB
1 B
=
ωB
= 1.76 ×10( )( −6 ) Hz
γ me c
γ 10
B
3 2 eB
2
sin=
=
ωc
γ
α 2.64 ×10γ ( −6 )sin α Hz
2 me c
10
例えば1GHzの電波を生じるためにはγ  10 (10GeV)
4
程度の電子が必要
Compton 散乱



光子の(自由)電子による散乱
断面積はトムソン散乱の断面積でエネルギーによら
ずにほぼ一定。 ただし、光子のエネルギーがmec2
程度になるとKlein-Nishina式に従い断面積が減少
する。
(衝突前の)電子の運動エネルギーが光子のエネル
ギーに比べて大きい場合、衝突によって光子はエネ
ルギーを得る。 (逆コンプトン散乱)
Compton Scattering


Pγ i = (ε / c)(1, ni ),


Pγ f = (ε1 / c)(1, n f )

Pei = (mc,0)


Pef = ( E / c, p )




Pγ i + Pei = Pγ f + Pef
ε
ε1 =
1+
ε
ε
2
(1 − cos θ )
mc
λ1 − λ= λc (1 − cos θ )
0.002426nm
λc ≡ h / mc =
Klein-Nishina cross section
ε1
θ
dσ r02 ε12 ε ε1
2
=
(
+
−
sin
θ)
2
d Ω 2 ε ε1 ε
Scattering from Electrons in Motion
=
ε ' εγ (1 − β cos θ )
=
ε1 ε1 ' γ (1 + β cos θ '1 )
ε1 ' ≈ ε '[1 −
ε'
2
(1 − cos Θ)]
γ 2 − 1 >> hν / mc 2 ,
γε << mc 2のとき
ε : ε ' : ε1  1: γ : γ 2
Inverse Compton
mc
=
cos Θ cos θ '1 cos θ '+ sin θ 'sin θ '1 cos(φ '− φ '1 )
θ'
θ
θ1 ε1
ε
Observer's Frame
Electron Rest Frame
ε'1
θ'1
ε'
Total Power
Pcompt
4
= σ T cγ 2 β 2U ph
3
ここでU ph ≡ ∫ ε vd ε
vd εはd ε の範囲のエネルギーをもつ光子の密度。
電子の進行方向の断面積σ T 長さcβの円柱に存在する
光子に衝突し、衝突によってエネルギーがγ 2 倍される。
4
c. f .Psynch = σ T cγ 2 β 2U B
3
Pcompt / Psynch = U ph / U B
Synchrotron vs Inverse Compton



高エネルギー電子が磁場と相互作用してシンクロト
ロン放射を低エネルギー光子(例えばマイクロ波背
景放射)と相互作用して逆コンプトン散乱を起こす
例:Electrons γ=104
B=10-6Gaussに対しシンクロトロン放射


Cosmic Microwave Background ( ν~1.6x1011Hz)
に対し逆コンプトン


ωc=26 γ2~3x109Hz …Radio
γ2ν∼ 1.6x1019Hz … X-ray,gamma-ray
両者の強度の比は(磁場のエネルギー密度)/(低エ
ネルギー光子のエネルギー密度)
電波銀河ローブでの逆コンプトン散乱

Fornax A (Tashiro et al., 2001, ApJ,546,L19)
Synchrotron Self Compton



Synchrotron放射の光子が逆コンプトン散乱を受ける
Synchrotron ComponentとInverse-Compton
Components
AGN(特にBlazar)の輻射モデル
(H.Kubo et al., 1998, ApJ,504, p.693)
Y-parameter
(Energy-Transfer for Repeated Scattering)
y ≡ (average fractional energy change per scattering) ×
(mean number of scatterings)
(∆ε=
) NR
ε
2
(4kT − ε )
mc
kT 2
4 2
(∆ε ) R =
γ ε  16ε ( 2 )
mc
3
4kT
2
y NR =
max(
τ
τ
es , es )
2
mc
kT 2
yR = 16( 2 ) max(τ es ,τ es2 )
mc
Compton散乱:
光子と電子のエネル
ギー交換
Sunyaev-Zeldovich Effect


マイクロ波(2.7K)背景放射の光子が視線方
向にある銀河団の高温プラズマ電子によって
コンプトン散乱される。
マイクロ波光子のエネルギー増加割合
~y~(4kT/mec2)τ∼ (4kT/mec2)neL

高エネルギー側での強度増加、低エネルギー側
での強度減少
マイクロ波放射の変形
•
•
Birkinshaw, 1999,
Physics Report, 310, p.97
y=0.1の強調した例
• 色温度増加
• 高周波数側での
強度増加、低周
波数側での強度
減少
強度増加
逆コンプトン散乱を
受けたスペクトル
黒体輻射
強度減少
SZ効果の観測的応用2例
こちらは他によりよい方法があるので重要度は低下
• 銀河団の距離の推定~Hubble定数の決定
– X線Flux~ne2L3 / D2
– Lをプラズマの(横方向の)拡がりに等しいとすると、
X線観測、マイクロ波観測から銀河団の(光度)距離
Dが求まる。
– 銀河団の赤方偏移と比較しHubble定数を決める
– 但しマイクロ波光子(低周波数側での)強度減少は、
Brightness Temperature で1mK程度(1/1000以
下)と微小。
• 銀河団の発見(特に遠方銀河団に対して有効)
こちらは急激に進展(Plank衛星他)
Christian Reichardt et al.
SnowCluster2013
左図
SZから再現した
銀河団のガス分
布
右図
可視光画像に、
X線(ピンク)、SZ
信号(シアン)
を重ねて表示
Planck13, 2013
エネルギーの低いのはどっち?

H原子で2s(l=0)と2p(l=1)


H原子で2p(j=1/2)と2p(j=3/2)


アルカリ原子で2sと2p


He原子でスピン反平行と平行


H2分子でスピン反平行と平行


H-like Fe ion の1sとHe-like Fe ion の1s
