平成 26年度研究プロジェクト支援事業(若手研究者支援研究

(様式 3)若手研究者支援研究費
平成 27 年 4月 30 日
琉球大学
学長大城肇殿
所属部局・職
教育学部・准教授
氏 名
増津拓也
⑫
平成 26年度研究プロジェクト支援事業(若手研究者支援研究費)
研究実績報告書
このことについて、以下のとおり報告いたします。
①研究課題
基底面動揺を用いたバランストレーニングによる平衡技能の学習促進効果
バランス技能向上のためにバランスの支持基盤である基底面動揺に着目し,これを用
いたトレーニング手法(以下,基底面動揺トレーニング)を開発した.姿勢制御に大きく寄
②研究の概要
与している体幹を鍛えるためのサスペンショントレーニングと基底面動揺トレーニング
の訓練効果を比較することで,基底面動揺トレーニングにおける平衡技能の学習促進効
果を検討した J
③研究域果の概要
スポーツにおける身体動作は,姿勢制御をおこないながら目的の動作を遂行する場面が多々あり,バラン
スの安定性が高いパフォーマンスの土台となっている.近年様々なバランストレーニングが行われているが,
その中の 1っとしてスラックラインと呼ばれる 2点聞に張った平たいテープロ上でバランスをとる綱渡りのよ
うなスポーツが,バランス能力を向上させるトレーニングと Lて注目されている.本研究の目的は,このス
ラックラインを用いた基底面動揺トレーニングが姿勢安定性向上に及ぼす影響を明らかにすることである.
0名であり,それぞれ 5名ずつ基底面動揺トレーニング(バランストレーニング:
実験参加者は健康な大学生 1
BT)群とサスペンションコアトレーニング(コアトレーニング: CT
)群に配置した.いずれの群も週 3回のベ
0回のトレーニングを実施し,その訓練前後において重心動揺計とビデオカメラを用い,姿勢安
ースで合計 1
定性の評価・分析をおこなった.本研究では高価な研究用機器に比べ安価な W
i
iバランスボードを用いた重
心動揺測定環境を構築し,専門機器と知識を必要としないバランス評価システムを開発,これを用いて検証
した.
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図 1:基底面動揺訓練前後の重I
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の軌跡
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1
0
3
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5
結果,基底面動揺トレーニング、により重心の軌跡長が短くな
り,その動揺範囲である矩形面積と 90
出信頼楕円の面積も減少
)
. 訓練前は両群とも重心動揺速度に差はなかった
した(図 1
3
が,訓練後において両群に有意な差が認められた(図 2).サ
スペンショントレーニングでは体幹部を頑健に保持すること
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2
.
5
向い CT
2
でバランスを安定しようとし,基底面動揺トレーニングでは
体幹部を積極的に動かすことで姿勢を制御していた.サスペ
ンショントレーニングに比べ基底面動揺トレーニングは高い
重心安定性促進効果の傾向が認められた.
1
.
5
pre
post
図 2:重心動揺速度の変化
④研究成果の公表、あるいはその準備状況
(学会発表)
盟運革連4・砂川力也.スラックラインを用いた基底面動揺トレーニングの姿勢安定性促進効果.第 27回
1月.東京.
日本トレーニング科学会大会.平成 26年 1
(論文発表の予定、ならびにその準備状況)
体育学研究に投稿予定
現在は原稿執筆中であり,追加実験の結果を付加し投稿予定.
2/3
⑤科学研究費等の申請に向けた準備状況
本研究結果をさらに発展させるべく平成 27年度科学研究費補助金(若手 B)を申請したが,採択には至ら
なかった.バランス能力を向上のメカニズムを解明するため,現在は追実験を重ね蓄積された成果を踏まえ,
次年度の科学研究費補助金の採択を目指し準備を進めている.
⑥今後の研究の展開、展望
今回の研究成果を踏まえ,動揺面の条件を分類比較し訓練における教示内容やフィードパックの条件比較
をすることで,基底面動揺トレーニングの訓練効果を向上させ,学習環境・目的にあわせたフ。ログラムの開
発を進めていく予定である.
* 上ι記について、概ね 4ページ程度にまとめてください。また、別途関連する資料類(論文別刷など)が
あれば添付してください。
⑦実支出額の使用内訳
合計
1
,
4
0
0
,
0
0
0円
物品費
854,000円
旅費
4
8
5
,
0
0
0円
3/3
その他
謝金等
0円
6
1
,
0
0
0円