数学検定 第269回準1級2次:数理技能検定 問題1 解 答 J1−2−1 m が2以上の整数のとき,命題 これを②に代入して整理すると 「log10 m が有理数ならば,ある正の整数 n (2 5 )=2 5 について m =10 が成り立つ」 より は真である。以下,このことを示す。 2 m ≧2より log10 m >0,よって log10 m が有理 よって 数ならば,互いに素な正の整数 p,q が存在して p p q log10 m = q すなわち m =10 …① aq − p = bq − p =0 n が成り立つ。よって m =10 =2 5 q p p p …② a b q aq −p p 5 bq −p p =1 であり p q =a = b が成り立つ。この値を n( >0,整数 )とおくと, であり ①より ・m が2でも5でも割り切れること m =10 ・m が2と5以外の素因数をもたないこと がわかる。 がわかるので,正の整数 a ,b が存在して 以上より,命題が真であることが示された。 n m =2 5 a b が成り立つ。 問題2 2 2 ⑴ AQ =AD+ AB= b + d , 3 3 AF=AC+AD= c +d より 1 AG= (AD+AQ+AF) 3 1 2 = b + c +d 3 9 2 1 (答)AG= b + c +d 9 3 ⑵ 点Rは線分AG上にあるから k 2 AR= k AG= k b + c + k d …① 9 3 となる実数 k がある。 点Rは平面α上の点でもあるから AR=s AC+ t AD + u AP 2 =s c + t d + u b …② 3 となる実数 s ,t ,u( s +t + u =1)がある。 以下,AGの大きさを求める。 条件より |b|=|c|=3, |d|=4,b・d =c・d =0, b・c =3×3×cos60°= 9 2 が成り立つ。⑴の結果より 9AG=2b +3c +9d 両辺の大きさを2乗すると 2 |9AG| =(2b +3c +9d ) ・ (2b +3c +9d ) 2 2 2 =4|b| +9|c| +81|d| +12b・c +54c・d +36d・b =4×9+9×9+81×16+12× 9 2 =1467 よって|9AG|=9|AG|=3 163 であり 163 |AG|= …④ 3 b ,c ,d は1次独立だから,① ,②の係数を ③ ,④より,線分ARの長さは k k 比較して,s = ,t = k ,u = 3 3 5 これらの和が1より k =1,よって 3 3 3 k = であり,①よりAR= AG …③ 5 5 3 163 163 × = 5 3 5 (答) H2720G06 163 5 J1−2−2 1 ⑵ T n = a とおく。⑴の結果より n 問題3 ⑴ n =1のとき,a 1 = S 1 =3 k =1 n ≧2のとき k (2k −1) a k =4k −1=(2k +1) 2 a n = Sn −Sn −1 1 = (4n 3 +6n 2 − n ) 3 1 3 2 ( n −1)−( n −1)} − {4 ( n −1)+6 3 1 = {4 (3n2 −3n +1) +6 (2n −1) −1} 3 1 = (12n 2 −3) 3 =4n 2 −1 これより 1 1 = a k (2k +1) (2k −1) 1 1 1 = − 2 2k −1 2k +1 と変形できるから n 1 1 1 Tn = − 2 k =1 2k −1 2k +1 これは,n =1のときも成り立つ。 よって,a n =4n 2 −1 (答) a n =4n −1 2 1 1 1 1 = 1− +… − + 2 3 3 5 = 1 1 − + 2n −1 2n +1 1 1 1− 2 2n +1 1 1 1 よって,limT n = lim 1− = n →∞ n →∞ 2 2n +1 2 以上より,この無限級数は収束し,和は 1 2 1 (答)収束, 2 問題4 2 ⑴ 4α2 +β2 =2αβの両辺をβ(≠0) で 割って整理すると α α 2 4 −2 +1=0 β β α は 4z 2 −2z +1=0の解であるから β ⑵ ⑴の結果より π π 1 cos + i sin α= β 3 3 2 α 1± 3i = 4 β よって点A(α)は, 点B(β)を点O(0)の π まわりに だけ回転し,点O (0)からの距離 3 1 を2 倍した点であることがわかる。 ここで つまり,△OABは 1± 3i 1 1± 3i = ・ 2 4 2 OA:OB:AB=1:2: 3 π π 1 cos ± +i sin ± = (複号同順) 3 3 2 α より,0≦ arg β ≦πを満たすのは の直角三角形であり,その周の長さはもっと も短い辺の長さの 1+2+ 3=3+ 3(倍) である。 π π α 1+ 3i 1 cos + i sin = = 4 3 3 β 2 (答)(3+ 3 )倍 α 1 π π cos + i sin (答) = β 2 3 3 H2720G06 J1−2−3 問題5 ⑴ (答)8個の山から3個とる ⑵ 偶数を2進法で表すと,1の位は0になり, 奇数を2進法で表すと,1の位は1になるこ とに注意する。 ℓ+ m + n =13 のとき,ℓ,m ,n の中に は奇数が1個または3個含まれる。 奇数が1個のとき,ℓ,m ,n をそれぞれ2 進法で表すと,1の位の1は1個だけになる。 問題6 2ab X − Y = − ab a +b ab = − ( a + b −2 ab ) a +b ab 2 = − ( a − b ) a +b 問題7 1 ⑴ y=tan x よりy = ,よってℓの方程式は cos2 x π 4 y =4 x − + 3 =4x + 3− π 3 3 3 π ℓと x 軸との交点の x 座標は x = − 4 3 3 π 0≦ x ≦ − において 4 3 4 4x + 3− π≦0≦ tan x 3 π π 3 − ≦ x ≦ において 3 3 4 4 0≦4x + 3− π≦ tan x 3 が成り立つので とおくと π 3 S = tan x dx −( △PQRの面積 ) 0 3 △PQRは底辺QR= ,高さPR= 3 4 1 3 3 の三角形であり,その面積は ・ ・ 3= 2 4 8 また π 3 ニム和は0でないから,先手必勝である。 奇数が3個のとき,ℓ,m ,n をそれぞれ2 進法で表すと,1の位の1は計3個になる。 このときもニム和の1の位は1で,ニム和 は0でないから先手必勝である。 よって,ℓ+ m + n =13のとき,後手必勝 にすることはできない。 2 a ≠ b より a ≠ b ,よって ( a − b )>0 であるから X −Y <0 よって,X < Y (答) X < Y よって,S = loge2− π 3 sin x tan x dx = dx x cos 0 0 3 8 (答)S = loge2− ⑵ この回転体は,曲線 y = tan x 0≦ x ≦ 3 8 π 3 を x 軸のまわりに1回転してできる回転体 K から,△PQRを x 軸のまわりに1回転してで きる円錐を取り去ったものである。 回転体 K の体積は π 3 π 1 3 dx π (tanx )dx =π 2 x −1 cos 0 0 2 π 3 π π 3 , Q − ,0 ,R ,0 4 3 3 π P , 3 よって,ニム和の1の位は1となる。つまり, =π tanx − x 3=π 0 3− π 3 円錐の底面の半径はPR= 3,高さは 3 QR= であるから,円錐の体積は 4 3 3 1 ×3π× = π 4 4 3 よって,求める回転体の体積 V は 3 π V =π 3− − π 4 3 33 π2 = π− 4 3 π π 3(cos x ) 3 x| dx |cos =− = − log e cos x 0 0 π2 33 (答)V = π− 3 4 1 =− loge = loge2( e は自然対数の底 ) 2 H2720G06
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