問題(数学) - 金沢大学 理学部

平成26年度(10月期)及び平成27年度 金沢大学大学院自然科学研究科 博士前期課程入学試験
専攻名
試験科目名
問 題 用 紙
数物科学専攻・数学コース(一般選抜)
数学
3 枚のうち,1
次の6問から4問を選択して解答せよ.
[1] 実数 c に対して,

1 + 2c −1 − 2c
4c


A =  −2
4
−4 
−1 − c 2 + c −1 − 2c

とおく.次の問いに答えよ.
(1) A の固有値をすべて求めよ.
(2) A の各固有値に対する固有空間を求めよ.
(3) A が対角化可能であるような c の値を求めよ.さらにその c について P −1 AP
が対角行列となるような正則行列 P を 1 つ求めよ.
[2] 実数を成分にもつ行列について,次の問いに答えよ.


1 0 0


(1) (3, 2) 行列 A と (2, 3) 行列 B であって AB = 0 1 0 となるものは存在し
0 0 1
ないことを示せ.


1 0


(2) (3, 2) 行列 A = 0 1 に対して,(2, 3) 行列 B であって rank AB = 2 とな
1 1
るもの,rank AB = 1 となるものをそれぞれ 1 つずつ挙げよ.
平成26年度(10月期)及び平成27年度 金沢大学大学院自然科学研究科 博士前期課程入学試験
問 題 用 紙
数物科学専攻・数学コース(一般選抜)
専攻名
試験科目名
数学
3 枚のうち,2
[3] 実数 an (n = 1, 2, 3, . . .) に対し,級数
∞
∑
an を考える.次の問いに答えよ.
n=1
(1)
(2)
∞
∑
n=1
∞
∑
|an | < +∞ ならば,級数
∞
∑
an は収束することを示せ.
n=1
|an | = +∞ ならば, lim εn = 0 となる実数列 {εn } に対して,
n→∞
n=1
n
∑
lim i=1
n
n→∞ ∑
εi a i
=0
|ai |
i=1
を示せ.
[4] 実数 a, b は 0 < a < b をみたすとする.次の問いに答えよ.
(1) 0 < ε < N をみたす実数 ε, N に対して
{
}
Dε,N = (x, y) ∈ R2 | ε ≤ x ≤ N, a ≤ y ≤ b
∫∫
e−xy dxdy を 2 通りに計算することにより,
とおく.重積分
Dε,N
∫
ε
N
e−ax − e−bx
dx =
x
∫
a
b
e−εy
dy −
y
∫
a
b
e−N y
dy
y
であることを示せ.
∫ ∞ −ax
e
− e−bx
(2) 広義積分
dx は収束し,その値は log b − log a となることを
x
0
示せ.
平成26年度(10月期)及び平成27年度 金沢大学大学院自然科学研究科 博士前期課程入学試験
専攻名
試験科目名
問 題 用 紙
数物科学専攻・数学コース(一般選抜)
数学
3 枚のうち,3
[5] f : C → C を正則関数とする.ある δ > 0 が存在して,|z − w| < δ なるすべて
の z, w ∈ C に対して
|f (z) − f (w)| < 1
が成り立つとする.次の問いに答えよ.
(1) 任意の z ∈ C と |w| < δ なる任意の w ∈ C に対して f (z + w) − f (z) =
f (w) − f (0) となることを示せ.
(2) 任意の z ∈ C に対して f 0 (z) = f 0 (0) を示せ.
(3) 任意の z ∈ C に対して f (z) = f 0 (0)z + f (0) を示せ.
[6] 下に描かれた 12 個の線分からなる図形 X を考える.図のように線分上に 12 個
の点 p1 , . . . , p12 が与えられている.次の問いに答えよ.
(1) X から相異なる 4 個の点 pi1 , pi2 , pi3 , pi4 を取り除いてできる図形 Y = X \
{pi1 , pi2 , pi3 , pi4 } を考える.3 つの連結成分をもつ Y の例を 2 つ挙げよ.
(2) X から相異なる 5 個の点 pj1 , pj2 , pj3 , pj4 , pj5 を取り除いてできる図形 Z =
X \ {pj1 , pj2 , pj3 , pj4 , pj5 } を考える.連結となる Z の例を 2 つ挙げよ.
(3) (2) で挙げた 2 つの例が同相であるかどうか判定せよ.
p1
p8
p9
p2
p10
p7
p12
p3
p6
p11
p4
p5