TRC高度化支援共同事業 ワークショップ開催(UAE)

TRC高度化支援共同事業
ワークショップ開催
(UAE)
平 成 27 年 2 月 11 日と 12 日、アブダビ国 営 石 油 会 社
(ADNOC: Abu Dhabi National Oil Company)傘下、ア
開催に象徴される各界の「コラボレーション」の重要さについ
て挨拶がありました。
ブダビ石 油 精 製 会 社(TAKREER: Abu Dhabi Refining
加茂大使は、日本とUAE 両国の協力関係での成功例の
Company)の研究開発部門である TAKREERリサーチセン
一つと認識し、TRC 事業が長期間に渡り成果を上げ続けて
ター(TRC)において第 5 回 TRC・JCCP・出光興産㈱共
いることが両国の友好関係の構築につながっており、今後更
催の年次ワークショップが開催されました。
なる発展を願っている旨、挨拶がありました。
1. 事業の背景と概要
しつつ、TRC 事業は技術交流を通じた友好関係の発展とい
平岡特命参与は、JCCP のこれまでの事業について紹介
TAKREER が石油精製に関する技術課題の独自解決
を図るとともに自国の技術ノウハウの蓄積や技術者の育成を
目的としたリサーチセンター設立の事業に着手することになり、
出光興産㈱の参加を得て平成 18 年度(2006 年度)から
21 年度まで 4 年間に亘りPHASE-I を、またその後 3 年間に
う基本的な価値観を有形化している点でも重要であり、引き続
き支援していきたい旨、挨拶がありました。
引き続き行われた基調講演では、産官学の国境を越えた
連携が最新技術を取り入れつつイノベーションを推進する原動
力となっているケースなども紹介されました。
ワークショップはこの後、7 テーマ、33 セッションに渡って行
亘りPHASE-II を実施しました。
その結果、TAKREERリサーチセンター(TRC)の建屋
が平成 21 年 4 月末に完成し、パイロットプラントを始めとする
研究設備も据え付けられ、新規技術者も採用されセンターの
体制が整うとともに、それらの研究施設が効果的に活用される
われ、二日間で延べ約 200 名の動員となりました。
3. まとめ
第 5 回目となった今回のワークショップは前回に引き続き動
ようになってきました。これを受けて今年度より、「TAKREER
員規模が拡大しているだけでなく、参加国も地域的に拡大し
リサーチセンター高度化支援に関する共同事業 PHASE-III」
ており、
TRC・JCCP・出光興産による協力関係を基盤として「コ
として新たなステージで事業をスタートさせることに合意しまし
ラボレーション」が広まりつつあることを実感しました。
今後もこのような技術協力を通して、UAEと我が国の関係
た。
尚、PHASE-III 事 業 では、TRC の 高 度 化を目指し、
が一層深まることを期待しております。
1)触媒評価技術の確立と更なる習熟、2)TAKREER 製
(技術協力部 中島 信幸)
油所への技術支援による運転効率化促進、3)国内外の
研究機関との連携基盤構築、4)TRC スタッフを中心とした
UAE 人技術者の育成、5)学会発表等を通じた国際レベル
への TRC の広報活動、を重点に実施する計画となっていま
す。
2. 第 5 回ワークショップの状況
初日の開会式は、TAKREER からアル・サエグ社長(Mr.
Jasem Ali Al-Sayegh, CEO)を筆頭に 20 名の同社幹部、
ADNOC からアル・メハイリ局長(マーケティング・精製部門:
Mr. Sultan Al Mehairi, Director, Marketing & Refining)
他、また日本側からは加茂在 UAE 日本大使、出光興産㈱か
らは松広執行役員他のご参加を得て盛大に実施されました。
開会式では、各代表・来賓のスピーチ、記念品交換に引
集合写真
き続き基調講演が行われました。
来賓のスピーチでは、アル・サエグ社長から TRC 事業
に対する JCCP 及び出光興産のこれまでの協力への感謝、
TRC が担うTAKREER の戦略的重要性と拡大基調にある
同社精製事業の効率性向上への貢献、またワークショップの
JCCP NEWS No.217 Spring 2015
基盤整備・共同研究事業
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