「中高連携支援」分科会 「中高一貫教育校における教育課題の解決を目指した

「中高連携支援」分科会
「中高一貫教育校における教育課題の解決を目指した、効果的な
テーマ
学習指導への取組
~意欲・学力向上を目指す、中・高連携に
よる授業改善の試み~」
(分科会参加人数13人)
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分科会の概要
本分科会は、標記テーマに基づいて、
(1) 県立教育センターからの基調提案
(2) 実践発表
①県立佐渡中等教育学校
②長野県飯山北高等学校
(3) 協議「効果的な学習指導を目指した中高
連携の方策」
のように実施した。それぞれの内容と本分科会
を通して得られた知見は以下の通りである。
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基調提案
基調提案では、初めに「中高連携支援プロジェクト」の趣旨と経緯を説明した後、中高一貫教
育における現状と課題について報告を行った。県内各校の実態から得られた課題については、本
分科会のテーマである「学習指導の改善」に話題を絞って説明し、問題点を共有した。その後、
解決への視座として「協働性を高め、問題解決力の向上を図ること」を提案した。協働性を高め
るための方策や効果を示しつつ、自校での改善につながるよう具体的に提示した。最後に、効果
的な指導を行っている事例として、実践発表校の取組の特長を紹介した。
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実践発表
・実践発表①「中高連携を意識した校内研修の実践」
県立佐渡中等教育学校
源田
洋平
教諭
(概要)授業改善に向け、中等教育学校の「義務籍と高校籍両方の教員がいる」という特徴を
生かし、NRT や模試の分析を指導改善に役立てたり、教科や学年を横断した公開授業週間を
実施したりすることで、生徒の意欲・学力向上を目指した校内の様々な取組を紹介した。授業
改善への職員の意識とともに生徒の授業への集中度が高まったという成果が得られた。
・実践発表②「地域における小中高の連携の取組~飯山市小中高交流学力向上事業の実践~」
長野県飯山北高等学校
伊藤
栄一
教諭
(概要)学校の魅力向上と学力向上(数学)を目指して、地域の小・中・高が連携して取り組
んだ実践を紹介した。中・高で相互に数学教師を派遣してティームティーチングを行い、指導
の連携を図るとともに、数学の定着度やつまずき分野を可視化する、小中高一貫のオリジナル
テスト(つまずき調査・学習意識調査)の事例を紹介した。教師にとっても、生徒にとっても
学習の見通しを立てることができ、効果的な取組であった。またティーチングアシスタント(チ
ューター)として高校生を中学に派遣することで生徒相互の交流を深めるとともに、キャリア
教育にも役立てている事例も紹介した。
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協議内容
協議題「効果的な学習指導を目指した中高連携の方策」
(概要)4人程度の少人数グループに分かれ、本日の発
表に関する感想を述べ合うとともに、自校での実践例や、
今後取り組んでみたい改善策について協議し、考えを深
めた。他校の事例を知り、知見が深まるとともに、新た
な方策に向けたアイディアが得られ、指導改善の見通し
を持つことができ、意欲の向上につながった。
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参加者からの感想
・実践発表の内容が具体的であり、また示唆に富むもので、大変参考になった。
・午前の講師が述べていた、アウトプットの重要性について、協議を通して実際に意見交換する
ことで、重要性と効果を実感することが出来た。
・他校の事例を聞くことで、自分たちの改善のアイディアを持つことが出来た。
・校内の教員間の連携を深めるだけでなく、中等教育学校相互の連携を深めることも有効な方策
であるとわかった。
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分科会及びプロジェクトの振り返り
・参加者が中高一貫教育校に関係する教員ばかりであったため、人数は少なかったが話題が共有
でき、協議も具体的に深めることができた。インプットした情報をアウトプットする場として
も、協議は効果的であった。
・実践発表が参加者にとって良い刺激になった。テーマや話題も適切であった。
・プロジェクトの取組を通して、前期課程と後期課程に関する職員の意識の違いや、研究主任の
位置付けなど、中高一貫教育校に共通する課題が明確になった。
・中等教育学校においては、研究主任の位置付けがまだ不明確な点が多い。指導改善に向けて、
研究主任の役割を明確に位置付け、研修などの工夫を図ることが必要である。
・協働性を高めるという点では、学校間の連携の必要性にも気付くことができた。学校同士をつ
なぐ場としても、本分科会・プロジェクトは有益であった。