知の知の知の知 - 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会

い~な
診療所
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中
中 央
事務局
研究所
しらさぎ
つなぐの
さくら
大阪+知的障害+地域+おもろい=創造
知の知の知の知
社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 社会政策研究所情報誌通算 2332 号 2015.2.20 発行
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ダウン症育児 語らいカフェ
読売新聞 2015 年 02 月 19 日
◇東大阪 大塚さん自宅改装
◇「悩み、不安 相談来て」
ダウン症の子の育児について語り合うカフェを、東大阪市の主婦大塚香里さん(35)
がオープンさせた。
「悩みを話し合い、笑顔で穏やかな時間を過ごすことができるスペース
にしていきたい」と意気込む。
(田中健太郎)
同市大蓮北で先月、開店した。大切な人と来てほしいという願いを込め、イタリア語で
「愛する人」という意味の「amato cafe」と名付けた。自宅の1階を改装した
店内は35平方メートル。テーブル席三つは、車いすの人も利用しやすいよう、ゆったり
と配置した。座卓もある。
提供するメニューは、すべて大塚さんの手作り。太りやすいとされるダウン症の子のた
めにと野菜中心の料理を研究するうち、
「すっかり、はまりました」と笑う。
無農薬野菜を使った日替わりランチ(1000円)やカレー(900円)などを、障害
を持つ人たちが八尾市内の福祉施設で作った皿やカップで出す。
「不ぞろいだけれど味わい
があって、かわいい食器ばかりです」と目を細める。
3月からは、インターネットの交流サイトで知り合ったダウン症の子を持つ母親6人で
つくる「bochi―bochiの会」のメンバーで、第1土曜日に交流会を開く。パン作
りやお絵かき会などを通じて、参加した人たちの相談に乗る。
長女で、2006年に生まれたあんじさん(8)がダウン症。大塚さんは「先輩ママか
ら『ゆっくりだけど、着実に成長するんだよ』と聞かされて、私も不安が、少しずつ消え
ていきました。悩んでいる時に、話を聞いてくれる人がいるのは本当に幸せなこと。気軽
に足を運んでください」と来店を呼びかけている。
日本ダウン症協会の水戸川真由美理事は「障害を持つ子のお母さんには、リラックスし
て育児の相談ができる空間が不可欠。カフェやサロンなら敷居も低く、立ち寄りやすい」
と話している。
bochi―bochiの会は28日午後1時~同9時と、3月1日午前9時~午後4時、
大阪市東住吉区の市長居障がい者スポーツセンターでダウン症の子供たちをテーマにした
写真展を開く。約30点を展示する予定。問い合わせは、amato cafe(06・
4308・5751)へ。営業時間は水、木、金曜日の午前11時~午後2時30分と、
第2、4土曜日の午前11時~午後5時。
障害者雇用へ農場運営
読売新聞 2015 年 02 月 19 日
人材派遣業「シグマホールディングス」(東京)の子会社が、4月から東員町で障害者を
雇用して農作物を栽培する「シグマファームとういん」を運営することになり、町と同社
は18日、
「農・福連携のまちづくり」に関する協定を締結した。
農場を運営する子会社は「シグマサポート」
。同町長深の遊休地1・2ヘクタールを借り
て、タマネギ、サツマイモ、ゴマなどの栽培を始める。また、町の育苗研修交流施設を利
用して、野菜や果実の水耕栽培も行う。農業指導者を含めて社員3人が常駐し、障害者1
0人を雇用するという。
同ファームは、障害者総合支援法に基づき、障害者と雇用契約を結んで就労の機会を提
供し、必要な訓練を行う「就労継続支援A型事業」の指定を受ける予定。シグマグループ
が農・福連携のA型事業所を運営するのは初めてで、シグマサポートの梶野秀彦社長は「東
員で事業を軌道に乗せ、シグマファームを全国に展開していきたい」と語った。
協定調印式で、水谷俊郎町長は「健常者も障害者も誰もが普通に暮らして働けるまちづ
くりを目指す」とあいさつ。立会人として出席した鈴木英敬知事は「農・福連携には県を
挙げて取り組んでおり、今回の事業もしっかりサポートしていく」と話した。
障害者12人がプロと共演 3月1日、堺でミュージカル 産経新聞 2015 年 2 月 19 日
オーディションで選ばれた12人の障害者と、プロの劇団員十数人によるミュージカル
「My School~私の学校が廃校になる時」が3月1日、堺市南区の国際障害者交
流センターで上演される。センターは障害者の文化芸術活動の場として利用されており、
国から委託を受けて事業展開しているのがビッグ・アイ共働機構。同機構が障害者の自己
表現の機会を増やそうと企画した。上演まで2週間を切り、舞台稽古が熱を帯びている。
「せりふが間延びしてる。もっとテンポ良く」
センターの多目的ホール。兵庫県西宮市を拠点に活動する劇団アークス代表で、演出担
当の岸本功喜さん(33)から檄(げき)が飛ぶ。今回のミュージカルに劇団員が出演す
るのがアークスだ。
岸本さんが指示を出していたのは、今回のミュージカルの山場。
物語は、全校の子供を合わせて数人しかいない山奥の小さな学校が舞台となっている。
村の議会によって廃校が決まり、それを阻止するため、子供たちが「ある決断」をする。
その決断に親たちが驚くというシーンだ。
岸本さんの“ダメだし”は、劇団員、障害者キャストの区別はない。こう強調する。
「稽古場では、障害がある人だからという意識はありません。演じる人たち、それぞれ
に課題を出し、
『人に見せる演技』を要求しています。ただ、障害がある人たちの熱意はす
ごい」
出演者のオーディションは昨年11月2日に行われた。9~66歳の障害のある男女5
0人が参加。
「ダンス」「演技」「歌唱」で審査。その結果、聴覚障害、自閉症、知的障害、
発達障害などの12人が選ばれた。
出演者の中で、唯一の車いす利用者の辻ひとみさんは「自分のレベルを知りたくてオー
ディションを受けた。いまは、どこまでやれるかチャレンジしたい」と、目を輝かせる。
同機構の鈴木京子事業企画課長は「障害者にはプロのダンサーや俳優を目指す人もいる。
プロと同じ舞台に立つことで、次の目標が明確になれば」と話す。
公演は無料(事前申し込み必要)
。申し込み、問い合わせは同機構(電)072・290・0962。
どこにあるの? 福祉避難所
読売新聞 2015 年 02 月 19 日
NPO法人「兵庫障害者センター」
(神戸市中央区)が、阪神大震災20年に合わせて実
施した障害者らへのアンケート調査で、回答者の7割以上が、災害発生時に特別な支援が
必要な被災者を受け入れる福祉避難所(◎)の場所を把握していないことがわかった。同
センターは「震災から20年を経ても、災害時に障害者を守る態勢が十分とは言えない現
状が浮き彫りになった」として、自治体などに周知方法の改善を求めていく。
アンケートは昨年10、11月、障害者や難病患者の団体を通じて実施。防災意識など
について調査した。障害者本人が難しい場合は家族が記入し、294人から回答を得た。
「福祉避難所の所在地を知っていますか」の設問に「知っている」と回答したのは全体
の23・7%にとどまった。
また、この1年間に地域の防災訓練に参加したことがない人は75・8%に上り、「災害
時、避難所まで1人で移動する」と答えた人の割合は23・4%だった。
避難所生活での不安を尋ねた設問(複数回答可)では、
「障害への配慮」が最も多い45%。
「トイレなどの介護」や「医療ケア」を挙げた人は、いずれも2割以上いた。
同センターの井上義治理事は「阪神大震災では、必要な情報が得られずに自宅に取り残
された障害者がいた。災害時に障害者らが主体的に行動できるように行政はしっかり説明
してほしい。自治体や地域住民が日頃から積極的に障害者とかかわることが大切だ」と話
している。
(◎)福祉避難所 災害発生時、高齢者施設や学校など既存の施設を活用して障害者や要
介護の高齢者、難病患者らを受け入れる施設。車いすに対応するため、手すりやスロープ
を設置し、ポータブルトイレなどを備える。内閣府によると、県内では628か所(20
13年調査)が指定されている。
弥富「風の子スクエア」に特別賞
人にやさしい街づくり
中日新聞 2015 年 2 月 19 日
「人にやさしい街づくり賞」の特別賞を受けた「風
の子スクエア」=弥富市で
障害者の就労支援に取り組む弥富市鎌
倉町のカフェハウス「風の子スクエア」が、
高齢者や障害者が生き生きと暮らすため
の活動などを表彰する県の「人にやさしい
街づくり賞」の特別賞に輝いた。カフェハ
ウス内では障害のある人たちが明るい表
情で働いている。
風の子スクエアは、弥富市や三重県桑名
市で子ども向けのデイサービスなどを運
営する会社「主人公」(弥富市)が二〇一
三年春に開設した。身体・知的障害者ら十八~二十二歳の十人がメンバーとして働いてい
る。
カフェハウス内には、跳躍器具やボールなどの遊具を置く多目的ホールがあり、子ども
たちが遊ぶこともできる。訪れた人がゆっくりと過ごせ、メンバーには社会との接点にし
てもらう考えだ。
「自分が一番輝ける仕事を見つけられるように」と、メンバーはカフェでの注文取りや
材料の買い出し、ボール磨き、織物などにそれぞれ取り組んでいる。同社の飯田豊社長(5
1)は「ホールの貸し出しなど、ますます地域のニーズに応える場にしたい。そうするこ
とで、メンバーがもっと誇りを持って働ける場所になると思う」と話す。
人にやさしい街づくり賞は一九九五年度から始まり、二十回目の今回は計二十二件の応
募があった。日本福祉大の教授ら七人が選考委員を務め、「障がい者との共生社会の実現に
つながる活動として大いに評価できる」などと講評された。(鈴木啓太)
船形コロニー建て替えへ 新年度に検討会設置
河北新報 2015 年 02 月 18 日
知的障害者施設「船形コロニー」
(大和町)について、村井嘉浩知事は17日開会した県
議会2月定例会の本会議で、建て替えに向けた検討作業を新年度に開始する方針を表明し
た。一部施設が築40年以上経過し、老朽化が著しいため。県によると、2015年度の
早い時期に県の担当者や福祉関係者の「検討会」を設置。建て替えと修繕のどちらを選択
するか、建て替える場合の整備場所、機能などを議論する。
現在、コロニーでは1974~93年に完成した3棟が稼働し、209人が入所する。
建て替えの場合は、3棟のうち何棟を対象とするのかも話し合う。
コロニーをめぐっては前知事の浅野史郎氏が2004年、入所者を地域生活に移行させ、
県内の全ての知的障害者施設閉鎖を目指す「施設解体宣言」をした。宣言に先鞭(せんべ
ん)をつける形で県福祉事業団(現県社会福祉協議会)は02年、10年を目標にコロニ
ーを解体する方針を示していた。
これに対し村井知事は就任間もない06年、
「施設解体はインパクトがありすぎる言葉で、
誤解を招く」
「障害者の地域移行を推進する県の姿勢は変わらない」として、コロニー解体
の方針撤回を表明した経緯がある。
県障害福祉課は「地域移行は進めているが、施設に入所したいとの要望もある。入所者
が安心して過ごせるためには老朽化対策が必要だ」と説明している。
「菜の花とかかし祭り」準備
淡路・北淡中生ら
神戸新聞 2015 年 2 月 18 日
ユニークなデザインのかかしを作り上げた生徒ら
=北淡総合福祉センター
有名人やアニメキャラクターなどのユニ
ークなかかしが菜の花畑に並ぶイベント「第
8回久野々菜の花とかかし祭り」が3月8日、
兵庫県淡路市久野々地区である。18日には、
同市の北淡中学校1年生24人が近くの北
淡総合福祉センターで障害者や高齢者らと
準備に取りかかった。
地域活性化に向け、住民らでつくる実行委
員会が主催。今年は300体が菜の花畑約5千平方メートルで3月5~11日に飾られる。
祭り当日の8日午前10時から、和太鼓演奏やよさこい踊り、ぜんざいの振る舞いなどを
予定する。
生徒たちも交えた準備は福祉への理解などを目的に企画。2月9日にも1年生25人が
作業した。
木材の骨組みに発泡スチロールで肉付けし、髪に見立てた毛糸などを取り付け、衣服を
かぶせて仕上げた。日本エレキテル連合に妖怪ウォッチ…。今をときめく「人気者」が姿
を現すと笑みがこぼれた。男子生徒(13)は「キャラクターに似せたかかしを見て、小
さい子どもがはしゃいで楽しめる祭りにしたい」と話していた。
祭りの詳細は、実行委代表の上田愛直さんTEL0799・82・1755(佐藤健介)
豪華コチョウラン
三豊
読売新聞 2015 年 02 月 19 日
咲きそろったコチョウラン(三豊市高瀬町の高瀬荘で)
三豊市高瀬町の障害者支援施設「高瀬荘」で、利用者
が育てたコチョウランが咲きそろった。3月1日に施設
で開く即売会で、市価の半額程度で販売する。
入通所者の収入源の一つとして、施設がオープンした
1989 年から栽培を続けている。
コチョウランは、空調管理された3棟のガラスハウス
(計 1100 平方メートル)で栽培。白やピンク、紫色の花
を咲かせ、即売会では30センチ以上に成長した豪華な花約970本を売り出す。
即売会は午前8時半からで、売り切れ次第終了。1本株が 500~2000 円、2、3本株は
2000~4800 円。問い合わせは高瀬荘(0875・74・7811)
。
過重な勉強も虐待か、児童虐待相談は 20 年で約 70 倍に
日本経済新聞 2015 年 2 月 19 日
ここ 20 年、児童虐待の相談件数は約 70 倍に激増しています。全体の3分の1が「心理
的虐待」を占めるなど、内容も変化しています。
「過重な勉強や受験も、本来の意味での『児
童虐待』に当てはまるのではないか」と教育社会学者で武蔵野大学講師の舞田敏彦は指摘
します。
こんにちは。武蔵野大学講師の舞田敏彦です。児童虐待の英訳をご存じでしょうか。授
業で学生さんに尋ねると、かなりの確率で「チャイルド・バイオレンス」という答えが返
ってきます。子どもを殴る・蹴るというイメージからでしょうが、これは正しくありませ
ん。
子どもの虐待は有形の暴力だけに限られるのではなく、他にもさまざまなバリエーショ
ンがあります。それを示す前に、児童虐待の基礎統計をご覧いただきながら、話を展開し
ていくことにしましょう。
■児童虐待の相談件数は1年で6万 7000 件に
まずは、児童虐待の相談件数です。新聞などでもよく見かけるデータですが、図1は、
全国の児童相談所が受け付けて、実際に対応した事案の件数のことです。ここからわかる
ように、この 20 年間にかけて激増しています。1990 年度では 1000 件ほどでしたが、2012
年度では6万 7000 件にもなっています。近年の少子化傾向にもかかわらず、70 倍近くの
増加です。
これは、虐待の実数が増えたというよりも、人々がそれに敏感になり、通報が活発化し
たことによると思われます。2000 年に児童虐待防止法が制定され、その第6条で児童虐待
の通告義務が定められたのですが、この時期以降、件数の増加のスピードが増しています。
よく「虐待の相談件数が過去最悪に」などと報じられますが、この数が増えるのは悪いこ
とではありません。人々の道徳意識が鋭敏になったことの証でもあるわけですから。
■全体の3分の1が「心理的な虐待」
ところで、一口に児童虐待といっても、それにはいくつかのタイプがあります。上記の
法律で規定されているのは、身体的虐待、性的虐待、心理的虐待、そしてネグレクトです
(第2条)
。近年、虐待の相談件数が著しく増えているのですが、増加幅が大きいのはこの
中のどれでしょう。図2は、1997 年度と 2012 年度の内訳を比較したものです。
相談件数の激増もさることながら、タイプの内訳も変わっています。以前は身体的虐待
が半分を占めていましたが、最近ではその比重が減じ、代わって心理的虐待のウエイトが
高まっています。2012 年度では、全体の3分の1が心理的虐待です。
子どもに暴言を吐く親が増えた、ないしはそれが積極的に通告されるようになったこと
もあるでしょうが、最も大きな理由は 2004 年の児童虐待防止法改正です。これにより、
「児
童が同居する家庭における配偶者に対する暴力(心身に有害な影響を及ぼす言動を含む)
」
も心理的虐待に含まれることとなりました。子どもの面前での暴力などを伴う深刻な夫婦
げんかなども相当するわけです。
■早期受験も「虐待」になりうるか?
このように人々の道徳意識が鋭敏になり、概念の拡張がなされるのは結構なことですが、
そもそも児童虐待とは何かという原義(もともとの意味)に遡ると重要な部分が抜け落ち
ていることに気づきます。ここで冒頭のクイズの答えを申しますが、児童虐待を英語でい
うと「チャイルド・アビューズ(child abuse)」です。abuse を分解すると「ab(異常に)
+use(扱う)
」ですから、この言葉のもともとの意味は、子どもを異常な仕方で扱うこと、
すなわち「児童乱用」のようなものということになります。
昔は、この意味合いで児童虐待という語が使われていました。朝日新聞の新聞記事デー
タベースからは、
「児童虐待」というキーワードの最も古い記事として 1906(明治 39)年
9月 12 日の「児童虐待の弊」という社説が出てきます。そこでは、児童虐待の主要類型と
して3つが挙
げられていま
す。
記事の筆者
は、
「以上の三
項を以て、わ
が少国民に対
する現代社会
の虐待と為し、
国民体力の発
達を阻害し、
帝国将来の運命にも関する重大の事項なるを信ずる」と述べています。
当時から 100 年以上経った現在にあっても、これらに類する事態は見受けられます。子
が望まぬ早期受験を強制することなどは、上記の(2)に相当するといえるでしょう。過
去の記事で、小・中学生の自殺原因として「学業成績」「親の叱責」「入試の悩み」が多い
ことをみたのですが、こうした潜在的な虐待に苦しんでいる子どもは決して少なくないと
思われます。
先ほど述べたように現行法では児童虐待のタイプとして4つを想定しているのですが、
もともとの意味に近い「児童乱用」というのも加えたらどうかと、個人的には考えていま
す。工場で長時間働かされるような「abuse」はほぼ皆無になりましたが、今日では別の意
味の「abuse」が生じる条件が強くなってきているのですから(子どもの早期受験など)。
われわれは今、児童虐待という言葉の原義に思いをはせるべきではないで
しょうか。
舞田敏彦 1976 年生まれ。東京学芸大学大学院博士課程修了。博士(教育
学)
。武蔵野大学、杏林大学兼任講師。専攻は教育社会学、社会病理学、社
会統計学。著書に『教育の使命と実態』(武蔵野大学出版会)、『教職教養ら
くらくマスター』
(実務教育出版)など。近著は『平均年収の真実 31 の統計
から年収と格差社会を図解【データえっせい】』
(impress QuickBooks)
。
日経DUAL2014 年 12 月 18 日付の掲載記事を基に再構成
児童養護施設退所者の支援は?
前橋で都内の相談所長が講演
東京新聞 2015 年 2 月 19 日
「施設を出た子どもが何かあった時に頼れるセーフティーネッ
トが希薄」と話す高橋さん=前橋市で
児童養護施設などを巣立った後、なお支援が必要な子どもたち
をどう支えるかを考える研修会が十八日、前橋市総合福祉会館で
開かれた。施設を出た人たちの生活を支援している相談所「ゆず
りは」
(東京都)の所長高橋亜美さん(41)が講演。福祉や医療、
行政関係者ら三十人が参加した。 (伊藤弘喜)
高橋さんは、児童養護施設を退所した子どもらの傾向について、
親などからの虐待のトラウマ(心的外傷)を抱え、低学歴で、不
安定な非正規雇用に就きがちだと指摘。
「何かあった時に頼れる家
族もいない。セーフティーネットが希薄だ」と話した。
高橋さんは、原則十八歳で退所する児童養護施設や、施設を退
所した二十歳未満の人を支援する自立援助ホームに勤務した。こ
れら施設退所者の支援に取り組みたかったが、
「在籍している子で手いっぱい」だったとい
う。
ゆずりはの開設は二〇一一年。望まない妊娠や借金に直面した人や、生活困窮者たちか
ら年一万件を超える相談があるという。
研修会を主催した民間の退所者支援グループ「ヤング・アシスト」
(前橋市)も昨年十月、
退所者らが相談できる場「ひだまりサロン」を県内で初めて開所した。問い合わせはヤン
グ・アシスト=電027(289)3771=へ。
大阪府が性犯罪マニュアル 心情配慮し証拠採取促す
共同通信 2015 年 2 月 18 日
女性への性犯罪の認知件数が全国最多の大阪府が、警察や民間組織と連携し、性犯罪の
証拠物の取り扱い方法を全国で初めてマニュアルとしてまとめ18日、公表した。被害届
をためらう女性の心情に配慮した上で、体液や毛髪などの鑑定試料を採取、保管するよう
促し、いつでも捜査に協力できるようにする狙い。
全国の医療機関での使用を想定。大きなショックを受けた被害者が刑事告訴をするまで
には時間を要する場合もあり、証拠の保全が捜査の課題に挙げられていた。
府警によると、府内の性犯罪認知件数は増加傾向にあり、13年の強姦事件と強制わい
せつ事件は全国最多。(共同通信)
年金減額「やり場ない」 原告団、鳥取地裁に提訴
日本海新聞 2015 年 2 月 18 日
特例水準の解消を名目とした2013年 10 月からの年金減額は憲法違反として、鳥取県
内の年金受給者らでつくる原告団(増田修治団長)が 17 日、国を相手に減額の取り消しを
求める訴えを鳥取地裁に起こした。弁護団によると、全国で順次提訴が予定されている。
年金減額に苦しむ現状を訴える原告ら=17日、鳥取市東町
2丁目の鳥取県弁護士会館
年金は物価に連動して増減するが、政府はデフレ
経済下の2000年度から 02 年度にかけて特例措
置で水準を据え置いた。これにより本来より2・5%
高くなった水準を解消するため、12 年 11 月に社会
保障・税一体改革関連法で引き下げを決定した。
訴えでは、04 年の年金改正法では、特例水準の解
消は物価上昇局面で実行され、減額での解消は想定
されていなかったと主張。消費税増税が確定した上
での水準の引き下げは政府の裁量権の逸脱とも指摘
し、健康で文化的な最低限度の生活を保障した憲法 25 条などに違反するとしている。
原告団は県内在住の 60~80 代の男女 24 人。訴状提出のあと 15 人が鳥取市内で会見し、
境港市で夫と暮らす仁志澄子さん(73)は「医療費の負担は年々増え、消費税も上がり、
生活を脅かされている。毎回下げられてやり場のない思いだった」と話した。
厚生労働省年金局年金課は「訴状が届いていない今の段階ではコメントできることはな
い」としている。
月刊情報誌「太陽の子」、隔月本人新聞「青空新聞」、社内誌「つなぐちゃんベクトル」、ネット情報「たまにブログ」も
大阪市天王寺区生玉前町 5-33 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 社会政策研究所発行