あち健康プラン21【第1章 計画の概要】 [PDFファイル/436KB]

第1章
計画の概要
1.策定趣旨
長野県の平均寿命は、男性 80.88 年(全国 79.59 年)女性 87.18 年(全国 86.35 年)と、全国
一の長寿県になりました。本村においても、男性の平均寿命が 81.8 年と全 1898 市町村中 13 位
という全国に誇れる長寿村となりました。
(平成 22 年厚生労働省都道府県別生命表)しかし、そ
の一方で、長野県の健康寿命(寝たきりや認知症などにならないで過ごせる期間)の日常生活動
作が自立している期間は、男性 79.46 年、女性 84.04 年と、男性で 1.52 年、女性で 3.19 年の介
護を要する期間があります。
国は平成 12 年(2000 年)に、健康寿命の延伸をめざし、国民一人ひとりの健康づくりを社
会全体で支えていくための取り組みとして「21世紀における国民健康づくり運動(健康日
本21)
」を提唱しました。それを受け長野県では、
「信州保健医療総合計画」
「長野県食育推
進計画」を策定しました。
このような全国的な保健政策の流れを受け、
本村においても平成 25 年度から 2 ヵ年をかけて、
阿智村の地域特性にあった「阿智村健康増進食育計画」を、多くの村民のみなさんの参画のもと
策定いたしました。
今後、本計画を推進することにより、一人ひとりが取り組みやすい健康づくりの環境を整え、
健康寿命を延ばし、第5次総合計画における「だれもが健康で、心安らぐ村」そして、阿智村の
テーマである「住民一人ひとりの人生の質を高められる持続可能な発展の村」を目指します。
2.国の健康政策の経緯
S53~
第1次国民健康づくり対策
健康診査の実施
市町村保健センターの整備
保健師、栄養士等のマンパワーの確保
S63~
第2次国民健康づくり対策
~アクティブ80ヘルスプラン~ 平均寿命が80歳を超える
運動習慣の普及に重点を置いた対策
(運動指針の策定、健康増進施設の推進等)
H12~
第3次国民健康づくり対策
~21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)~
健やか親子21
一次予防重視 → 元気なうちから健康づくり
健康づくり支援のため環境整備
目標の設定と評価
多様な主体による連携のとれた効果的な運動の推進
・ H15 健康増進法の施行
・ H17 食育基本法公布
・ H18 食育推進計画
・ H18 医療制度改革関連法の成立
(老人保健法廃止、高齢者の医療の確保に関する法律)
・ H20 特定健診・特定保健指導の開始
・ H23 食育推進計画(第2次)
H25~
第4次国民健康づくり対策
~健康日本21(第2次)スタート~
3.健康づくりの考え方(ヘルスプロモーション)
国の提唱する「健康日本21」の健康づくりの考え方は、WHO(世界保健機関)が 1986 年に発
表したオタワ憲章が基になっています。WHO は健康づくりの目的を、
「健康とは、豊かな人生を
送るための一つの条件である」と定義しており、「健康になることが人生の目的ではない」と述
べています。当たり前のことですが、これは現代の過剰なまでの健康ブーム(健康至上主義)に
警笛を鳴らしているものです。健康情報があふれる今日、自分に合った適切な方法を選択できる
力を養うことは、現代の我々にとって重要な課題です。
次に WHO は、
「健康とは、病気や障がいの有無ではなく、身体的に、精神的に、社会的に、自
分なりにより良い状態(well-being)であること」と定義しています。病気や障がいがあっても、
自分なりにより良い状態であれば健康だということです。このことは「健康」が一部の人だけの
ものではなく、すべての人が享受できるものであることを語っています。そして、健康を享受す
ることは、基本的人権の一つ(健康権)であるとも述べています。
また、健康とは、身体的な状態だけでなく、精神的、社会的にも良好な状態であるということ
も、健康づくりを考える上において、重要な点です。
最後に WHO は、個人の健康が守られるためには、次のような社会的な環境の整備が必要である
と提唱します。「健康づくりのための基本的な条件と資源は、平和・住居・教育・食物・収入・
安定した生態系・生存のための諸資源・社会的正義と公正であり、健康の改善には、これらの基
本的な前提条件の安定した基盤が必要である」つまり、これらの前提条件が整備されてはじめて
個人は健康づくりに取り組めるということです。
国の公衆衛生活動は、日本国憲法25条を理念に置いています。WHO の健康づくりの考え方は、
憲法25条に通じるものです。阿智村の健康づくりは、WHO 憲章、そして憲法25条の理念に則
り、すべての村民を対象に、地域の健康づくりの底上げをすすめていくものです。村民一人ひと
りの健康が守られるための環境を整え、村民が主体的に健康づくりに取り組めるように、本計画
を推進していきます。
4.本計画の特長
本計画は、すべての村民を対象に、各ライフステージの発達課題に合わせ、5つの年代(乳幼
児期、あちっこ期、青年期、壮年期、高年期)に分けて策定しました。
さらに、国の「健康日本21」と「健やか親子21」「食育推進計画」を網羅した計画です。
これからの阿智村の健康づくりの指針となるものです。
5.計画期間と評価
本計画の推進期間は、2015 年度(平成 27 年度)から 2020 年度(平成 32 年度)までとし、2020
年度に評価を行い、その後の推進に反映させます。
6.策定方法
(1)策定骨子・策定方法の検討
村の健康づくりに関わる住民団体や関係機関で準備会を開催し、策定骨子や手順、分科会メ
ンバー等について協議しました。
(2)健康実態の把握・分析・評価
既存の保健統計資料や村民健康実態調査を分析したり、住民懇談会(分科会)などから村民
の声を集め、当村の健康実態を多方面から評価しました。
(3)健康課題の設定
当村の健康実態の評価と、国や県の健康水準などを比較しながら、村民の健康課題を明ら
かにしました。
(4)課題解決に向けた具体策の検討と目標の設定
住民や関係機関とともに、課題解決のための具体策を検討し、具体的な目標を設定しまし
た。
【日本国憲法 第25条】
すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければ
ならない。
健康づくり政策の経緯
2000 年(平成 12 年)
健康日本21計画策定
(健やか親子21)
2000 年から「健康寿命の延伸」と「早世予防」を目的とした、第三次国民健康づくり対策、「21世紀
における国民健康づくり運動(健康日本21)」が定められた。
2001 年(平成 13 年)
県の健康日本21計画策定
「健康グレードアップながの21」
2002 年(平成 14 年)
健康増進法公布
健康日本21地方計画策定
地方公共団体が策定する健康増進計画等、健康づくりのための法的基盤を整備するための事項が盛り込ま
れた。(健康増進法第 8 条 2 項)
2005 年(平成 17 年)
食育基本法公布
2006 年(平成 18 年)
食育推進計画
2008 年(平成 20 年)
老人保健法改正(廃止)
長野県食育推進計画策定
高齢者の医療の確保に関する法律
(特定健診・保健指導開始)
2011 年(平成 23 年)
2013 年(平成 25 年)
第2次食育推進計画
第2次健康日本21スタート
平成 25 年~34 年(10 ヵ年)の健康増進法に基づく、国民健康づくり運動の方針
① 健康寿命の延伸と健康格差の縮小
② 生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底
③ 社会生活を営むために必要な機能の維持及び向上
④ 健康を支え、守るための社会環境の整備
⑤ 栄養・食生活、身体活動・運動、休養、飲酒、喫煙、歯・口腔の健康に関する生活習慣の改善及び社
会環境の改善
2013 年(平成 25 年)
信州保健医療総合計画
「健康寿命」世界一を目指して
2015 年(平成 27 年)
阿智村健康増進食育計画策定
第2次長野県食育推進計画
信州の食で育む人づくり
策定フローチャート
村民公表
H27.3月
最終報告
阿智村議会
決
定
部
門
村長決裁
保健福祉審議会(保健医療分科会)
策定分科会
乳幼児期
0~6歳
策
定
部
門
あちっ子期
7~18歳
高年期
45~69歳
70歳~
保健委員
保健委員
保健委員
保健委員
食生活改善推進
けつえき探検隊
食生活改善推進
けつえき探検隊
食生活改善推進
けつえき探検隊
食生活改善推進
けつえき探検隊
食生活改善推進
けつえき探検隊
保育園保護者会
フレンズエイド
保育サポーター
まめっこ応援団
あっちぱぱず
農業改良普及員
主任児童委員
保育園
保護者(公募)
PTA 連絡協議会
養護教諭
学校栄養士
社会体育関係
子供の文化を考
える会
主任児童委員
保健所
学校教育
消防団
トリプルA
商工会
知識経験者
保健所
地域の活動者
・春日
・駒場
・伍和
・智里東
・智里西
・浪合
・清内路
トリプルA
高齢者クラブ
とくさ会
ごか食堂
婦人会
民生委員
シルバー人材
子育て支援室
鈴木
鈴木
H25.9 月~
H25.4 月~
H25.8 月
19~44歳
壮年期
保健委員
(保育士・栄養士)
準
備
部
門
青年期
中央公民館
井原・高間
山本 折山
飯田女子短期大学
社会福祉協議会
井原・高間
岡庭
準備会
民生課
(事務局)
飯田女子短大
・健康増進係
・自立生活支援センター
・福祉係
・保健係
飯田保健福祉
事務所
市民委員
保健委員
食生活改善推進員
けつえき探険隊
農政係
子育て支援室
学校教育係
中央公民館
社会福祉協議会
消防防災係