秋田県立比内養護学校 たかのす分校教育プラン

平成27年度版
秋田県立比内養護学校
たかのす分校教育プラン
Ⅰ
学校の現状と課題 ・ 学校を取り巻く将来の状況の予測
【学校の現状と課題】
(1)本 校 は 北 秋 田 市 中 心 街 か ら 南 に 位 置 し , 吉 野 学 園 や 陽 清 学 園 等 の 施 設 に 隣 接 し て い る 。
周囲は民家はほとんどなく,開校は学園生のための学校であったことから,今も施設と
の区別がつかず学校としての理解が少ない状況にある。
(2)児 童 生 徒 数 は , 最 小 時 は 9 人 で あ っ た が , 高 等 部 の 設 置 に 伴 い 徐 々 に 増 加 傾 向 に あ り ,
本年度は45人の児童生徒が在籍している。小規模校校のよさを生かして,自立と社会
参加に向けた様々な取組を積極的に展開する必要がある。
(3)昭 和 5 2 年 の 開 校 で あ る 。 児 童 生 徒 数 の 増 加 に 伴 い , 特 別 教 室 を 給 食 用 と し て 活 用 し た
り,第二職員室として活用したりしている。高等部棟と作業棟は平成22年度に増築と
なり快適な環境下にある。
(4)吉 野 学 園 か ら 借 用 し て い る 農 地 を 活 用 し て , 中 学 部 ・ 高 等 部 と も に 農 作 業 に 取 り 組 ん で
いる。さらに地域資源を活用し,農作業の生産物を加工・販売して多様な学習活動を推
進する。
【学校を取り巻く将来の状況の予測】
(1)児 童 生 徒 は 学 園 生 よ り 通 学 生 が 多 い 。 学 園 生 は 全 体 の 3 割 程 で あ る が , 養 育 問 題 等 に よ
る施設措置も多く,この割合は横ばいの状況にあると考えている。また,本校通学生は
北秋田市と上小阿仁村からである。平成25年度からのスクールバス配置にともない,
利用者増が児童生徒増につながるものと期待している。
(2)少 子 化 に と も な う 学 校 再 編 が 一 層 進 む こ と が 予 想 さ れ る 。 自 立 と 社 会 参 加 に 向 け た 取 組
と し て 交 流 及 び 共 同 学 習 や 地 域 貢 献( 感 謝 さ れ る 体 験 )等 を 積 極 的 に 進 め る 必 要 が あ る 。
(3)本 校 に は 1 市 1 村 か ら 特 別 支 援 教 育 に か か る 支 援 要 請 が 多 く , 今 後 も 地 域 に お け る 特 別
支援教育推進の中心的な役割を担っていく使命がある。
Ⅱ
目指す方向性 ・ 学校像や幼児児童生徒の姿
【目 指 す方 向性 ・ 学校 像】
(1)「 地 域 と 共 に 生 き る 」「 特 色 あ る 学 校 づ く り 」 を 推 進 す る 。
(2)「 子 ど も の 思 い や 願 い に 応 え る 」 を キ ー ワ ー ド と し , 社 会 に 参 加 す る 力 を 育 む 教 育 活 動
を展開する
(3)地 域 の 特 別 支 援 教 育 の セ ン タ ー と し て の 役 割 を 積 極 的 に 担 う 。
【幼 児 児童 生徒 の 姿】
健康:心身ともに健康になろうと努力する子ども
誠実:喜びをもって精一杯努力する子ども
自立:自分のことは自分の力で成し遂げようと努力する子ども
【平成25年度~29年度】
[たかのす分校]
○恵まれた自然環境を生かし,児童生徒の自立と社会参加を実現する学校
○地域から学び,地域の活性化に貢献する学校
○小規模校の良さを生かし,職員が一体となった速やかな課題解決を図る学校
秋田県立比内養護学校たかのす分校
Ⅲ
具体的な目標 ・ 取組 ・ 推進指標
【具体的な目標】
(1)自 立 と 社 会 参 加 に 向 け た 教 育 課 程 の 見 直 し や 授 業 改 善 に , 計 画 的 に て い ね い に 取 り 組 む 。
(2)交 流 及 び 共 同 学 習 を ベ ー ス と し な が ら 「 地 域 の 人 に 感 謝 さ れ る 体 験 」 を 積 極 的 に 推 進 し ,
障害のある人への地域の理解啓発を図る。
(3)地 域 の 特 別 支 援 教 育 の セ ン タ ー と し て , 幼 保 小 中 高 及 び 教 育 委 員 会 や 福 祉 等 の 関 係 機 関 と
連携し,それぞれの役割が十分に機能するシステムを推進する。
(4)生 徒 指 導 に 係 る 不 適 応 ・ 問 題 行 動 に つ い て は 関 係 機 関 と ネ ッ ト ワ ー ク を 強 化 し , ス ピ ー デ
ィに柔軟に対応する。
(5)効 果 的 な 就 業 体 験 学 習 や 現 場 実 習 を 探 る と と も に , 関 係 機 関 と 連 携 し て 進 路 指 導 の 充 実 を
図る。
【具体的な取組・推進指標】
1 一人一人の自立と社会参加に向けた教育課程の見直しや授業改善
◎ キ ー ワ ー ド ( 集 団 で の 学 び 合 い )( 自 然 環 境 を 生 か す )
( 社 会 参 加 を 念 頭 に 地 域 と つ な げ る )( 感 謝 さ れ る 体 験 )
<小学部>作る・地域との交流を位置づけた生活単元学習の指導
保育園・小学校との交流及び共同学習
<中学部>作業学習製品の向上と地域での販売,老人施設・中学校との交流
高等部との合同作業等,高等部へのつながりを意識した学習活動
<高等部>本物の体験を目指す生活単元学習:絆カフェ・ショップの充実
地域資源を活用した作業学習製品の品質向上と販売と6次産業化
地域での継続的な貢献活動
<全 校>
○挨拶や清掃,係活動など,キャリア教育の視点に基づく小・中・高一貫した,基礎的
基本的な力の育成(道徳・日常生活の指導)
○全校での体力づくり(各学部の毎日の運動,年2回の全校マラソン大会・夏の水泳・
冬のスキー学習)とスポーツ関連の地域行事への積極的な参加
○「ふるさと踊りと餅っこ祭り」への参加
○部活動の活性化(地域との交流を生かしたユニホック交流大会など)
2 一人一人の豊かな地域生活を目指した地域生活支援
○居住地校交流(小:自宅生全員,中:2人以上)の推進
○障害者生活支援センター「ささえ」や自立支援連携協議会等との連携
○地域学校展やパンフレット作成・配布による地域への理解推進
○障害理解出前授業の実施(交流校中心:8校以上)とボランティアの活用
3 多様な教育的ニーズに応える教職員の専門性の向上
○全校体制での研究を通した授業改善・授業力の向上
○ 医 療・福 祉・ 地域の 専門 家の積 極的 な活用 (O T・P T, 作業学 習の 教科等 支援 )
○地域の小・中・高等学校での職員研修(教科の専門性を学ぶ)
4 関係機関と連携し,全校体制で取り組む生徒指導
○ 語 る 会 や ケ ー ス 会 議 を 通 し た 行 動 問 題 の 改 善 (未 然 防 止 )と 教 職 員 の 対 応 力 向 上
○ 児 童生徒 が自 分で身 を守 る意識 が育 つ防災 教育 と教職 員の 災害時 の対 応力の 向上
○保護者・施設と連携した防災訓練の実施
5 保 護 者 ・ 施 設 職 員 と 連 携 し 就 職 希 望 者 100% を 目 指 し た 計 画 的 な 進 路 指 導
○現場実習につながる効果的な就業体験学習の実施(年2回以上)
○高等部3年生担任・進路指導主事等を中心とした新規事業所(職場実習先・就労先)
の開拓(この先数年間を見越して)
○進路後援会の活用の工夫
6 自校解決力の強化に向けたセンター的機能の推進
○市町村教育委員会や関係機関と連携した地域研修会や巡回相談等による各校の
支援体制の充実
○高等学校特別支援隊等を活用した高等学校への支援の充実