横手清陵学院高等学校 中期ビジョン(五カ年計画) 本校が目指す5年後の姿(具体的な目標) 1 学校の現状や課題 平成26年度に創立10周年の諸事業を終え、これまでの数多くの成果を振り返り、新たな 10年を見据えて、次の点についてはさらに取組を強めて進めていきたい。 (1)これまでの、グローバルな視点、ものづくり教育、思いやりを育む教育実践などが様々な 形として成果に表れてきたが、中高一貫教育校としての本校の魅力を増すために、進学、就 職面での実績の向上が課題となる。進学に関しては国公立大合格者が例年40名前後となり、 医学部医学科や難関大学に合格する力も付いてきた。この現状に甘んじることなく、さらに 向上させていくためには、創立当初から力を注いできた英語教育の充実とSSH(スーパー サイエンスハイスクール)の成果である理数教育が取組の柱となる。また、就職に関しては、 早期段階での内定100%と優良企業への就職を維持していくために、継続的、組織的なキ ャリア教育が重要となる。 (2)生徒の能力や学力を伸長させるために、本校ならではの中・高の接続が課題となる。その ためには、6年間を見通した教育課程や部活動指導など他の公立中学校にはない利点を活か しながら、本校中学入学生と高校から入学した生徒が共に競い、互いに高め合う環境作りを 進めていく必要がある。 (3)生徒の卒業後の進路を十分に保障していくために、さらなるキャリア教育の充実が課題と なる。そのためには、学校独自の形式で作成した6年間を見通したキャリア教育の全体計画 にそって、共通認識のもとに、人間関係形成・社会形成能力、自己理解・自己管理能力、課 題対応能力、キャリアプランニング能力等を育成するより実効性のある取組を展開し、絶え ず、その成果について検証していく必要がある。 (4)地域の少子化の進行に伴い小学生が減少し、統合中学校も新設されたことから、中学校入 学生の定員を確保することが課題である。そのためには、中高一貫教育校としての利点を見 直しながら、本校の魅力を地域や小学校にアピールしていくことや、小学校との連携の強化、 他校にない本校ならではの様々な体験型プログラムを構築していくことが重要となる。 2 学校を取り巻く将来の状況の予測 第七次秋田県高等学校総合整備計画(素案)が発表され、今後10年間の中学校卒業者数の 予測が示された。各地区の生徒減少はとどまることを知らず、県南地区では平成35年3月の 卒業生が2077名と、およそ500名ほどが現在より少なくなる予想である。小学校卒業生 についても同様の傾向で、このことは、各中学校における生徒確保の取組に大きく影響を及ぼ すものと思われる。また、高校においても志願者数に直結する、特色ある学校作りが重要となる。 このような状況のなかにあって、本校の中学校には中高一貫教育の魅力と確かなメリットが 求められ、高校には、進学、就職におけるよりきめ細かな指導と充実した実績、また、その継 続・維持が求められるものと予想される。 本校が目指す5年後の姿(具体的な目標) 3 目指す方向性や学校像 本校の教育目標は「21世紀を主体的に生き抜く人材の育成」である。また本校が目指す学 校像は次の5点である。 (1)励まし、思いやり、支える言葉に満ちた学校 (2)国際化・情報化に対応できる学校 (3)地域環境に関する学習を大切にする学校 (4)ものづくりを通して豊かな心を育む学校 (5)地域に開かれ、地域とともに発展する学校 実現に向けては、「探究心を育み21世紀を生き抜く教育」、「ものづくりによる人間教育」、 「国際・情報に対応した教育」を柱に、探究心や課題解決力、豊かな心と自己管理力、また、 向上心、コミュニケーション力の育成に努めていく。中高一貫教育校としての特色を活かし、 6年間を見通した教育活動全体によって思いやりの心を培うとともに、自らを律し心豊かにた くましく生きる心を育成する指導を充実させる。 (1)普通科においては、SSHの成果である理数教育と創立当初から力を入れてきた英語教育 を軸にして、探究心と探究力を育成する探究活動を中学校から推進し、未来の科学者、科学 技術者育成を目指す。また海外留学や英語外部試験の受験を奨励し、国際社会に目を向けた 広い視野を持つ、外国語に高い関心と能力を有する人材の育成を進める。 (2)優良企業や地域から高い評価を得ている総合技術科においては、小、中、高の連携を重視 したものづくり教育を推進することによって、一層の地域貢献に努める。さらに大学、関係 機関との連携により、資格取得指導、先端技術指導を通して高度なスキルを備えたものづく り人材を育成する。 (3)中学校においては、探究活動を系統的、組織的に充実させ、高校の探究活動へとつながる 探究心の萌芽と探究力の育成に努める。また、英語教育の一層の充実を図り、高校において 留学できる力を育成する。中高一貫教育の利点等を活かした、他校にはない体験型プログラ ムを取り入れるなど、特色ある活動を展開していく。 具体的な取り組み等 4 5年間で達成を目指す具体的目標 具体的な取り組みは次の4点である。 (1)探究活動の推進 文部科学省より指定を受けたSSHは、全校規模で科学的な探究心を育む取組を実践しな がら理数教育に力を入れた結果、医学部医学科や国公立難関大学への合格や科学コンテスト への入賞という形で実を結んだ。探究活動による探究心の育成は問題解決力の育成につなが り、その効果が学習活動に好影響を及ぼした成果と考えられる。この探究活動を中学校から 6年間を通した学習活動の柱として充実させ、これまで同様、英語教育にも力を入れながら、 早い段階から理系大学への進学意識を明確にした取組を継続的かつ系統的に行う。これによ って、普通科定員105名、総合技術科70名の中から国公立大学合格者を50名程度まで 引き上げ、併せて医学部医学科を含む難関大学への合格者を複数出したい。 探究活動では、中学校における「探究ジュニア」、高校普通科における「探究基礎」、 「探究」、 高校総合技術科における「探究発展」を推進し、情報を受け取る力(情報収集力)、受け取っ た情報をもとに考える力(思考力)、思考の中から的確に判断する力(判断力)、自分の考え を他者に分かりやすく表現する力 (表現力)などの能力の育成に努める。 (2)国際教育の推進 本校では平成18年以来韓国ジョンバル高校と姉妹校関係を結び、交流を行ってきた。ま た、創立当初から英語教育に力を注ぎ、これまでに数名の長期留学生を海外に送り出すなど、 国際教育の推進に努めてきた。今後は、中学時代から留学を意識させる取組を展開し英語教 育を一層強化し、中学生全員英語検定3級以上の合格、高校において毎年1人以上の留学生 を送るなど、高校での留学の推進と、国際教育推進事業への積極的な参加、留学生の受け入 れ等、留学環境を整備し、国際的視野を持つ生徒の育成を進める。 (3)ものづくり人材育成 優良企業や地域から高い評価を得ている総合技術科の充実やものづくりによる人間教育を 目標に、中学校からの系統的なものづくり教育と、地域と密着した取組を展開し、将来、日 本や地域社会に貢献できるものづくり人材の育成を行う。 具体的には、地域イベントへの協力や小学生、中学生への技術指導、教材製作についての 指導者講習会を実施する。また、大学や関係機関等の出張講義を積極的に活用するとともに 本校施設設備を開放し、他高校生や中学生・教員等に対する技能指導について検討する。資 格取得については、これまでになかった難易度の高い検定への挑戦も視野に入れ、ジュニア マイスターゴールド、ジュニアマイスターシルバーの割合で全国トップを目指す。 (4)中学校と高校の接続の充実 中高一貫教育校の利点を活かし、学習面においては学力認定テストを実施することによっ て習熟の深化を図り、中・高の接続時に、より一層学習意欲を向上させる。また、様々な角 度から授業改善の取組を行い中高一貫教育の質の向上を図る。特別活動面では中学から育て る継続的な指導にも力を入れ、運動部において全県ベスト4以上の団体競技を複数出し、ま た、全国レベルの選手を毎年輩出する。
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