1.アルカリ金属元素 A.単体 周期表1族に属する水素以外の元素をアルカリ金属という。元素の中で最も陽性が強い。アルカリ金属 は、すべて価電子を1個もっているので、1価の陽イオンになりやすい。イオン化傾向は大きい。単体は すべて軟らかい銀白色の金属。 *水との反応* [常温の水と激しく反応し、水素を発生する] 2Na+2H2O→2NaOH+H2 *空気中ですぐに酸化される* [石油(灯油)中で保存する] 4Na+O2→2Na2O *炎色反応* アルカリ金属の化合物やその水溶液は、それぞれの元素に特有な炎色反応を示す。 *融解塩電解で製造される* 水溶液の電気分解では単体が得られないので、融解塩電解で製造されている。 塩化ナトリウムを高温で融解させて電気分解すると陰極にナトリウムが析出する B.化合物 1.酸化物 アルカリ金属の酸化物はすべて塩基性酸化物で、水と反応して水酸化物になる。 また、酸と反応して塩を生成する。 Na2O+H2O→2NaOH Na2O+2HCl→2NaCl+H2O 2.水酸化物 アルカリ金属の水酸化物はすべて白色の固体で、イオンからなる物質としては比較的融点が低く、 加熱すると、ほとんど分解せずに融解する。また、水によく溶け、その水溶液は強い塩基性を示す。 固体・水溶液ともに皮膚や粘膜を激しく損傷する。また、固体・水溶液とも、二酸化炭素を吸収して 炭酸塩を生じる。2NaOH+CO2→Na2CO3+H2O さらに、二酸化炭素を通じると炭酸水素塩になる。Na2CO3++H2O+CO2→2NaHCO3 *潮解* 水酸化ナトリウムNaOHや水酸化カリウムKOHの固体を湿った空気中に放置すると、水蒸気を吸収 して水に溶ける。この現象を潮解という。 3.炭酸塩・炭酸水素塩 炭酸ナトリウムNa2CO3や炭酸カリウムK2CO3は白色の固体で、水によく溶け、その水溶液 は塩基性を示す。また、炭酸水素ナトリウムNaHCO3や炭酸水素カリウムKHCO3は白色の 固体で、水溶液は弱い塩基性を示す。 炭酸塩や炭酸水素塩に希塩酸や希硫酸などの酸の水溶液を加えると、二酸化炭素を発生する。 Na2CO3+2HCl→2NaCl+H2O+CO2 NaHCO3+HCl→NaCl+H2O+CO2 炭酸ナトリウムNa2CO3や炭酸カリウムK2CO3は、加熱しても融解するだけであるが、 炭酸水素ナトリウムNaHCO3や炭酸水素カリウムKHCO3を加熱すると、容易に分解して 二酸化炭素を放出して炭酸塩になる。 2NaHCO3→Na2CO3+H2O+CO2 *風解* 風解(ふうかい)はある種の水和物から全部または一部の水が失われる現象で、潮解と反対の現象。 <ナトリウムの反応のまとめ> O2 融解塩電解 Na HCl NaCl Na2O Cl2 H2O 電気分解 NH3 CO2 HCl HCl H2O H2O,CO2 NaOH Na2CO3 CO2 NaHCO3 加熱 <アンモニアソーダー法> 酸化カルシウム 水酸化カルシウム 水 炭酸カルシウム 炭酸ナトリウム 二酸化炭素 炭酸水素ナトリウム 塩化ナトリウム 塩化アンモニウム 水 アンモニア 塩化カルシウム
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