薬局だより 逆流性食道炎について No5-1 No. H27 年 72 号 4 月 話題の新薬 タケキャブ錠 カリウムイオン競合型アシッドブロッカー 逆流性食道炎の薬物療法 生活習慣の改善だけでは、症状を完全になくすのは難 しいため、多くの患者さんは生活習慣の改善とあわせ て薬による治療を行います。主に胃酸の分泌を抑える 薬を使用します。胃酸を中和する薬、粘膜を保護する 薬もあります。 武田薬品は、カリウムイオン競合型アシッドブロッカー と呼ばれる、新しいカテゴリーのプロトンポンプ(H + ,K + -ATPase)阻害剤「タケキャブ錠」を新発売し た。本剤は、酸による活性化を必要とせず、カリウムイ オンと競合的な様式で可逆的にプロトンポンプを阻害 し、胃酸分泌を抑制する。また、本剤は酸関連疾患を対 象とした臨床試験において、ランソプラゾール(商品 ① プロトンポンプ阻害剤(PPI) 作用: 名:タケプロン)と同等以上の有用性が確認されている。 + H 分泌の最終段階である壁細胞のプロトンポンプ 薬価 10mg=160.10 円 20mg=240.20 円 を特異的に阻害し、強力に酸分泌を抑制する 初期治療は第一選択薬として推奨されている 副作用情報 イーケプラ錠 通常 8 週間まで投与される 種類: ネキシウムカプセル 20mg 大塚製薬から販売されている抗てんかん剤「イーケプラ パリエット(ラベプラゾールナトリウム)錠 10mg 錠」は、直近3年7ヶ月の間に同剤投与と因果関係が否定 タケプロン(ランソプラゾール)カプセル・OD 錠 30mg できない副作用として、「横紋筋融解症」が認められた オメプラール(オメプラゾール)錠 20mg 症例7例(うち死亡0例)が報告された。そのため、「重 副作用: 大な副作用」の項に「横紋筋融解症」が追記された。 発疹や肝障害など ② H2 ブロッカー 開けにくい包装で事故防げ 作用: 壁細胞の H2 受容体に対してヒスタミンと拮抗し、 暮らしの中で起きる事故の原因を究明し、再発防止につ 酸分泌を抑制する なげる消費者安全調査委員会は、子どもが医薬品を誤っ プロトンポンプ阻害剤に次ぐ強力な酸分泌抑制作 て口にする事故を防止するため、容器や包装を開けにく 用である くするための基準を作るよう、厚労省に提言する方針を 種類: 固めた。製品を使いにくいデザインにして子どもの事故 ガスター(ファモチジン)D・錠 10・20mg を防ごうという考え方は「チャイルドレジスタンス」と ザンタック(ラニチジン)錠 75・150 呼ばれる。ライターの場合、火遊びを防ぐため着火レバ アシノン(ニザチジン)錠 75・150mg ーを重くするなどの規制をして効果を上げた。薬でもこ プロテカジン(ラフチジン)OD・錠 5・10 の手法が導入されれば、年間8千件を超える子供の誤飲 タガメット(シメチジン)錠 200mg 事故の防止に効果が期待できそうだ。5歳以下の子ども 副作用: が誤って医薬品を飲んでしまう事故は 2012 年に 8388 件あり、吐き気や腹痛などを訴えたのが 869 件あった。 発疹、便秘、下痢、口の渇き、食欲不振など 東戸塚ホスピタル 薬剤部 DI室
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