ダントリウム静注用20mgの溶解方法と注意点

「使用上の注意」等は添付文書をご確認ください。
ダントリウム静注用20mgの溶解方法と注意点
ダントリウム静注用20mgの使用に際しては混注を避け、単独投与してください。
本剤の溶解には日局注射用水60mLを使用してください。
生理食塩液、5%ブドウ糖液等を用いないでください(塩析、pH変動等により、混濁・沈殿等を生じる
おそれがあります)。
点滴ルート内で他剤と接触しないよう、必要に応じてダントリウム投与前後に注射用水でルートを
フラッシングしてください。
<溶液調製法>
通常、1バイアルに日局 注射用水60mLを加え、振り混ぜ、溶液が澄明になったことを確認の後、使用する。
<適用上の注意>
(1) 調製時: 本剤の溶解に際しては、日局 注射用水以外を使用しないこと。
また、本剤使用に際しては、混注を避け、単独投与すること。
(2) 投与時: 本剤は、溶解時pHが高く(約9.5)、血管外に漏出した場合に壊死、
腫脹、発赤等を起こすおそれがあるので、静脈内投与に際しては
溶液が血管外の組織へ漏れないよう厳重に注意すること。
(3) 保存時: 溶解後の溶液を保存する場合は、直射日光を避け、
5℃から30℃の温度条件にて保存し、6時間以内に使用すること。
投与時、ラベルを吊り下げて
使用することができます。
≪参考≫ダントリウム静注用のpH変動試験及び希釈試験
一般名
又は成分
単位/容量
[溶解液の
種類]
ダントロレン
ナトリウム
水和物
20mg
[注射用水]
又変
は化
最点
終pH
pH
変
化
所
見
8.701)
微濁
9.8
(20mg/ 8.802)
60mL)
微濁
試
料
pH
11.803)
(黄色
澄明)
希釈試験
20mL
500mL
0
30min
1hr
3hr
9.2
+
9.4
+
9.3
+
9.3
+
0
30min
1hr
3hr
8.3
+
8.4
+
8.4
+
8.4
+
浸
透
圧
比
約1
(20mg/
60mL)
1) 0.1N HCIを0.27mL滴下した際のpH(変化点pH), 2) 0.1N HCIを0.3mL滴下した際のpH(変化点pH), 3) 0.1N NaOHを10.0mL滴下した際のpH(最終pH)
●試料:
●pH変動試験:
●希釈試験:
1バイアル(20mg)を注射用水60mLで溶解した。
0.1N HCl、0.1N NaOHにより、上限を10mLとして滴定を行い、外観変化が認められた場合は、この時のpH(変化点
pH)及び滴定量を測定した。また、外観変化が認められなかった場合は、10mL滴下時のpH(最終pH)を測定した。
外観変化の認められるものについては変化点pHにおいて、さらに20mLおよび500mLの蒸留水を加えて良く撹拌し、
外観変化の状態を希釈直後、30分、1時間、3時間、室温にて観察した。 表中、数値はpH、+は外観変化あり。
ダントリウム静注用20mg
【効能・効果】
・麻酔時における悪性高熱症
・悪性症候群
【用法・用量】
・麻酔時における悪性高熱症
通常、ダントロレンナトリウム水和物として、初回量1mg/kgを静脈内投与し、症状の改善が認められない場合には、
1mg/kgずつ静脈内に追加投与する。なお、症状により適宜増減できるが、投与総量は7mg/kgまでとする。
・悪性症候群
通常、成人にはダントロレンナトリウム水和物として、初回量40mgを静脈内投与し、症状の改善が認められない場合には、
20mgずつ追加投与する。年齢、症状により適宜増減するが、1日総投与量は200mgまでとする。通常7日以内の投与とする。
2015年10月作成