神経痛や双極性障害など幅広く応用されている薬剤である。脳内の

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薬剤 師が発見 した カルバ マゼ ピンによる徐脈症例
○ 竹縄 一幸 1,小池 慶彦 1,草野 歩 1,加藤 裕芳 1,浅山
莱)
亨 1(1東邦大大橋病院
[
はじめに]
カルバマゼピンは部分てんかんの第一選択薬であり、てんかん以外 にも三叉
神経痛や双極性 障害など幅広く応用されている薬剤 である。脳 内のナトリウムチャネル
遮断により抗てんかん作用を示すが、心筋でのナトリウムチャネル にも作用し、ごくまれな
副作用として、洞不全,徐脈などの心筋伝導障害の報告がある。血 中濃度測定を通して
カルバマゼピンによる徐脈を経験したので報告する。
[
症例]
心筋梗塞、慢性心不全、持続性心房細動の既往を持つ患者。多発性脳梗塞で入
院時に、偶然右前頭葉髄膜腫 が発見され、開頭腫癌摘 出術を受 けている。術後 、症候
性てんかんに対してカルバマゼピンが投与され、循環器 内科 、脳神経外科で兼科してい
た。脳梗塞後の意欲低 下、認知障害 に対して、抗認知症薬の投与が開始された後 に、
意識 消失 、高度徐脈 等の症状を示 し、頻 回に入院搬 送を繰 り返した。各種検査が行わ
れたが、原 因は不明とされていた。血 中濃度測定報告時に、カルテに記載された既往症、
併用薬 、搬送時の所見等から、カルバマゼピンの副作用を疑い、抗痘撃薬の変更を医
師に打診した。
[
結果]抗疫撃薬がカルバマゼピンからレベチラセタムに変更となり、症状は消失した。
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考察]
本患者では、循環器 内科 においてシベンゾリン投与で洞停止 、t
の既往があり、心筋ナトリウムチャネル感受性が高いと考えられた。抗認知症薬の開始後
に意識消失発作の頻度が上昇しており、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬の追加 によ
るコリン作用が、カルバマゼピンによる徐脈症状をさらに増強したと考えられる。このよう
に医師には推定しにくい複雑な機序を持つ薬剤 の副作用の発見には、薬剤師の関与が
不可欠と考えられる。薬剤 師の病棟-の常駐等、臨床の場 に薬剤 師が常に存在すること
が、薬物療法の改善に繋がると思われる。