7.外来・病棟この一年 平成 18 年・19 年 - 産業医科大学

 7.外来・病棟この一年 平成 18 年・19 年
外 来 の こ の 一 年
外来医長 山 下 和 仁 平成 18 年度、19 年度の 2 年間、外来医長を勤めさせていただきました。この
2年間は第2内科のスタッフも大きく替わり、それに伴い外来担当医も大きく替
わりました。前任の高水間亮治先生から引き継いだのは、中島康秀前教授が退官された平成 18 年5月
からでした。8月には尾辻豊教授が赴任され、平成 19 年 6 月には太崎博美前准教授が市立八幡病院副
院長として赴任されました。平成 19 年 10 月には、竹内正明講師と園田信成助教が新たに赴任され、竹
内先生には火曜日、園田先生には火曜日と金曜日に外来を担当していただいています。平成 20 年4月
からは、徳永昌樹助教の後任として柴田達哉助教が腎臓担当として加わりました。
また、平成 19 年からは、月曜日の午後と金曜日の午前中に、
ペースメーカ・ICD 専門外来を行っており、
それぞれ安部治彦講師、長友敏寿准教授が担当されています。さらに、平成 18 年からは、ペースメー
カ電池交換術が「日帰り手術」も可能となり、
患者様の負担も少なくなっています。平成 19 年4月からは、
64 列 MDCT を用いた冠動脈造影 CT 検査も始まり、検査前の vital、投薬など外来看護師に協力して頂
いています。
第2内科学は、循環器・腎臓内科の外来診療を行っておりますが、外来担当医は火曜日が循環器 9 名、
腎臓2名、金曜日が循環器 6 名、腎臓2名で診療しております。それ以外の曜日は、専門修練医の先生
方に交代で診療に当たってもらっています。診療実績としましては、別表にもありますように患者総数
が、平成 18 年度 15,655 人から平成 19 年度 15,829 人と増加しており、診療報酬も2億 3300 万円から 3
億 700 万円と約 32%増加しております。外来紹介率も 88. 7%となっており、これはひとえに同門の先
生方や近隣の先生方から多数患者様をご紹介頂いている賜と思い、大変感謝しております。この場をお
借りして御礼申し上げます。
当院は大学病院であることから、産
業医科大学医学部の学生教育も担って
おります。毎週火曜日に、外来実習が
あり、尾辻教授が赴任されてからは外
来実習に心エコー図検査の専用枠を設
け、必ず心エコー図検査を行っていま
す。御承諾が頂けた患者様を最初に学
生が診察し、それから心電図、胸部レ
ントゲン写真、採血を行います。その
後の心エコー図検査には学生全員が見
学に行くようにしております。実際の
検査をみることによって、疾患に対す
内科外来前
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る理解もより深まるのではないかと考えております。一方、御承諾頂いた患者様には、可能な限り診療
時間の短縮を考え、患者さんの負担の軽減を図りたいと考えております。
第2内科学は臨床医学講座であり、診療、教育、研究の役割を担っております。窓口である外来診療
を今後ますます充実させ、学生教育、大学病院の診療レベル向上を通して皆様に貢献できることを目標
としております。同門の先生方、関連病院の先生方には、患者様の御紹介を始めとする様々な御支援に
は深く感謝しております。
今後ともご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
病棟のこの一年
平成 18 年度病棟医長 芹 野 良 太 電子カルテ・新研修医制度と病棟勤務のスタイルがどんどん状況が変わる中、
尾辻教授が赴任され、循環器・腎臓内科は大きく変わりました。このような入れ
替わりの時期マンパワーが少ないところで、専修医の先生を中心に院生、研修医その他の皆さまには病
棟勤務大変頑張っていただきました。また8A 病棟では VRE 騒動などもありましたが、病棟の看護ス
タッフの努力もありすぐに沈静化しました。その他大きな事故もなく病棟勤務の皆さまの活躍で一年が
おわりました。お疲れ様でした。
平成 19 年度病棟医長 田 中 正 哉 尾辻先生を教室にお迎えして、はや2年が経とうとしています。その間、尾辻
先生のアイデアで新しい試みが数多く取り入れられ、そのすべてがいい効果をみ
せています。昨年病棟医長を拝命しこの1年間教授回診にお伴させていただきま
したが、特に病棟でのカンファレンスの成熟度は高いものになっていると思いま
す。また教授回診時に垣間見える、尾辻先生の熱心な教育指導は、我が教室への
学生人気を押し上げており、今年の入局
希望者も群を抜いている状態です。
さて、8A 病棟にとってのこの2年間
は病院システム改変に伴う影響を大きく
受けた期間でした。まずは医師臨床研修
の義務化と伴に開始になったスーパー
ローテートの影響です。8週間毎に入れ
替わる研修医は、労働力ではなくあくま
で研修生。病棟医の負担が増える中で、
特に大学病院に着任したばかりで、電子
カルテに不慣れな専修医の先生が加わる
4−6月は、看護師へのしわ寄せもピー
8A病棟
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クになり病棟全体が悲鳴を上げていました。また3年前に発足した救急部の影響で救急症例が増加し、
その対応として院内後方ベッドのない我が大学病院では、空床利用で凌いでいる状態です。そのため救
急症例で満床になれば、予定入院ができなくなる、といった特定機能病院とは思えない対応を強いられ
ています。当然、救急症例の多い8A 病棟では目まぐるしいベッド移動を余儀なくされ、これもまた
病棟全体、特に看護師への負担を増幅させる結果になっています。このことは依然として病院上層部か
らの改善策が提示されないままで、今後も大きな不安材料です。しかし、そんな厳しい状況にも関わら
ず表に示すごとく、平成 19 年度は病棟入院患者総数、診療報酬ともに増加させる事ができ、8A 病棟
スタッフ全員に最高の賛辞を送りたいと思います。
診断群による包括請求システム、いわゆる DPC(diagnosis procedure combination)はまだまだ未成
熟なシステムで、医療費抑制が実現されるにはまだ時間を要すると思われます。効果的で効率の良い医
療を提供する為に、我々が即実践できることは病診連携をこれまで以上に密にすることであると考えま
す。そのためにも我々は、同門の先生方をはじめ近隣の先生方に信頼される診療実績を積み上げていか
ねばなりません。病棟医一同努力しておりますので、今後ともご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろし
くお願い申し上げます。
最後になりましたが、本年5月より園田 信成先生に病棟医長を引き継ぎます。貴重な症例を紹介し
て頂いた多くの先生方、本当にありがとうございました。
また野田師長をはじめ、協力して8A 病棟を支えてくださった全スタッフに感謝の意を表します。
8A病棟カンファレンス室
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循環器・腎臓内科診療実績
平成 18 年度
平成 19 年度
13,584
15,185
1,058
1,294
−
22.3%
7.8%
8.5%
15,655
15,829
233
307
−
31.8%
5.6%
6.6%
86.9%
88.7%
1,007
1,081
825
987
−
19.6%
8.7%
9.4%
稼 働 率 105.6%
107.2%
平均在院日数
19.6 日
18.7 日
産業医科大学病院全体診療報酬(百万円)
循環器・腎臓内科診療報酬(百万円)
伸 び 率
病院全体に占める割合
【外 来】
循環器・腎臓内科外来患者総数
循環器・腎臓内科外来診療報酬(百万円)
伸 び 率
病院全体に占める割合
外来紹介率
【入 院】
循環器・腎臓内科入院患者総数
循環器・腎臓内科入院診療報酬(百万円)
伸 び 率
病院全体に占める割合
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