糖尿病治療が心筋再分極異常に与える影響の検討

臨床研究のお知らせ 札幌医科大学医学部 循環器・腎臓・代謝内分泌内科学講座では 2014 年 7 月 18
日から 2016 年 3 月 31 日にかけて、以下の共同研究を行います。 なお、本研究は、札幌医科大学附属病院 臨床研究審査委員会の審査を経て、病
院長の承認を受けています。 「糖尿病治療が心筋再分極異常に与える影響の検討」について
●はじめに 脂肪摂取の増加、運動不足などの生活習慣の変化により、近年、糖尿病の発
症が増加してきています。糖尿病の合併症として、眼、神経、腎臓の障害がお
こることはよく知られていますが、心血管疾患の発症も糖尿病がない人と比べ、
2〜4倍多いことが明らかになっています。最近の大規模な臨床試験では、2
〜5年間の血糖コントロールでは、心血管疾患の発症や予後を改善できないこ
とが明らかとなりました。
一方で、心電図を詳細に解析することで(具体的には QT 時間の延長や QT
時間の変動など)、心筋再分極の異常がある人は、ない人と比べて心臓突然死な
ど死亡率が高いことが知られています。糖尿病では心筋の再分極の異常が高率
におこることがわかってきましたが、この異常が血糖のコントロールにより改
善するかは不明です。心電図を詳細に解析することで、糖尿病患者さんの心血
管病の発症や予後の推定ができる可能性があります。今回、心電図でみられた
心筋再分極異常が糖尿病の治療により改善しうるかを検討します。 ●研究対象 当院において、2007 年 4 月から 2012 年 10 月までの間に、血糖コントロール
のために入院した 2 型糖尿病患者さんで、糖尿病の治療前後で心電図を記録し
た方を対象にしています。 札幌医大第二内科(循環器・腎臓・代謝内分泌内科)の関連病院に通院して
いる患者さんでは、2007 年 4 月から 2013 年 12 月までの間に糖尿病と診断され
治療を開始し、治療前後で心電図を記録した方を対象にしています。 ●患者さんの経費負担など 心電図記録を用いて解析を行います。また、血液データの解析は通常の診療
で行う検査の範囲で施行します。この研究を行う事で患者さんに通常診療以外
の余分な負担は生じません。 ●患者さんの個人情報の管理について 本研究では個人情報の漏洩を防ぐため、個人を特定できる情報を削除し、デ
ータの数字化、データファイルの暗号化などの厳格な対策をとっています。本
研究の実施過程およびその結果の公表(学会や論文等)の際には、患者さんを
特定できる情報は一切含まれません。 ●患者さんがこの研究に診療データを提供したくない場合 2007 年 4 月から 2013 年 12 月までの間に、糖尿病と診断され、心電図検査を
施行された方の中で、この研究に診療データを提供したくない方は、下記まで
ご連絡下さい。 ●研究期間 (病院長承認日から)2016 年 3 月 31 日まで ●医学上の貢献 研究成果は、糖尿病による心血管合併症の発症と予後予測に有用である可能
性があり、適切な治療戦略の選択・治療効果判定を行う上での貢献が期待でき
ます。 ●問い合わせ先 〒060-8543 札幌市中央区南 1 条西 16 丁目 札幌医科大学附属病院 循環器・腎臓・代謝内分泌内科学講座 本研究責任者 三木 隆幸 同研究分担者 丹野 雅也 TEL 011-611-2111 内線 3225、教室(平日) 内線 3232、11 階北病棟(休日・夜間) FAX 011-644-7958