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『CTの最新技術紹介』
東芝メディカルシステムズ株式会社
営業推進
金原
明史
近 年 、 CT 装 置 に お け る 技 術 革 新 に は 他 列 化 や 被 ば く 低 減 技 術 な ど が あ り 、 さ ま ざ ま な
撮影環境の中で困難を克服、より低被ばくによる検査が進んでいる。
当 社 で は 、最 新 技 術 を 結 集 し た エ リ ア デ ィ テ ク タ ー AquilionONE が 第 3 世 代 へ 進 歩 。新
検 出 器 PURE PUREViSION Detector の 搭 載 に よ っ て Signal40%向 上 、 Noise28%低 減 に
よ り Image noise で 10% Down を 線 量 20% Down を 可 能 と し た 。
AquilionONE は 160mm の 範 囲 を 一 回 転 で 撮 影 が 可 能 で 、冠 動 脈 CT に お い て は 一 心 拍
で 撮 影 可 能 と な っ た 。こ れ ま で 高 度 石 灰 化 を 伴 っ た 冠 動 脈 撮 影 は 評 価 困 難 と さ れ て き た が 、
エリアディテクターにおける一心拍と非線形位置合わせ機能をもとにした冠動脈サブトラ
ク シ ョ ン 処 理 に よ り 高 精 度 な 石 灰 化 、ス テ ン ト の 除 去 が 可 能 と な っ た 。AquilionONE で は
一回転で得られるボリュームデータは同一時相の情報となるため連続回転による撮影
(Dynamic Volume Scan)で は 、動 態 画 像 の 情 報 が 4 次 元 画 像 と し て 得 ら れ る よ う に な っ た 。
そ の 他 、こ れ ま で CT 撮 影 が 困 難 と 考 え ら れ て い た 小 児 患 者 の 撮 影 を ONE Shot Scan に よ
り動きの影響を減らすと共にヘリカル撮影においておこなうテーブル移動なくし、安全な
撮影をも可能となった。
Aquilion シ リ ー ズ に は 、 こ れ ま で の CT 装 置 に は 無 か っ た 寝 台 左 右 動 機 能 も 搭 載 す る こ
とにより、患者様が寝台の中心に寝てもらった安定した状態で左右動が可能となり患者セ
ッ テ ィ ン グ を 安 心 か つ 容 易 と な り 、 画 質 は 世 界 最 薄 の 0.5mm ス ラ イ ス を 採 用 、 80 列 検 出
器の搭載により高画質と高速撮影の両立が可能となった機種も開発されている。
当 社 の 最 新 ア プ リ ケ ー シ ョ ン で は 、 SEMAR ( Single Energy Metal Artifact
Reduction): 金 属 ア ー チ フ ァ ク ト 低 減 再 構 成 を 搭 載 し て お り 、イ ン プ ラ ン ト 術 後 の 患 者 様
に お け る 金 属 ア ー チ フ ァ ク ト を 低 減 可 能 と な っ た 。 こ れ ま で CT 検 査 で は 金 属 ア ー チ フ ァ
クトを伴い評価困難であった画像を改善した。単純、造影画像のサブトラクション技術も
応用されていて、ラングサブトラクションでは肺塞栓の領域をカラーマップで抽出し肺血
流の評価に、骨軟部サブトラクションでは腫瘍における骨内浸潤を造影成分として抽出表
示することにより骨内範囲の指標、判断に応用できるようになった。その他、4 次元デー
タを元にした解析アプリケーションの開発が進められ、脳動脈瘤の形態観察や拍動の観察
に よ り 破 裂 リ ス ク 評 価 、 気 管 支 の 動 き を 把 握 し COPD、 間 質 性 肺 炎 、 気 管 支 軟 化 症 な ど の
領域で期待されている。骨関節では、関節の動きを解析、任意箇所の移動距離、2 点間の
距離変化、 角度変化を算出できるようになった。
放 射 線 治 療 へ の 応 用 で は リ ニ ア ッ ク 装 置 と 当 社 の CT 装 置 を 同 室 設 置 し 、 治 療 室 に お い
て リ ニ ア ッ ク と CT の 寝 台 を 共 用 し た 相 互 運 用 に よ り 画 像 誘 導 放 射 線 治 療 を 実 現 し て い る 。
イ ン タ ー ベ ン シ ョ ン へ の 応 用 で は 血 管 造 影 装 置 と CT 装 置 の 寝 台 を 共 有 し た 相 互 運 用 に
よ り 、 肝 細 胞 癌 に む け た CTAP や CTHA( Angio-CT) が 行 わ れ て い る 。 ま た 、 Angio-CT
の 救 急 外 来 へ の 設 置 に よ り 、 外 傷 例 に CT 検 査 を 施 行 し 、 緊 急 止 血 を 要 す る 重 症 外 傷 の 判
別にも応用され、高度救急医療現場において死亡率の低下が目指されている。