遺跡・遺構のための音波探査に関する研究 桐蔭横浜大学 杉本研究室所属 T20E003 北澤 貴浩 背景 • 現在、古墳などの地下に埋もれた遺跡・遺構の探査 には様々な探査方法が用いられているが、それら は水分を多く含んだ土壌などでは、探査が困難で地 中を映像化することができない、そこで我々は横波 を使用することで地中を映像化していて、以前はハ ンマー法という振源を直接たたくという方法を用いて いたが、波形や周波数を変化させることができな かったので超磁歪振動子を使用したチャープ波の ほうが有用であるということがわかった。 目的 • 以前の研究ではLinear chirpとLog chirpのどちらの 分解能が優れていて、どのような深度に適している かをシミュレーションしていた。 その結果から深いほうがLog chirpのほうが優れて いるという予測が立った。 • 今回の実験では、深さ、材質の違う地中埋設物を超 磁歪振動子でLog chirpとLinear chirpを送ることに よりどのような応答を得られ、実際にシミュレーショ ンの予想どおりの結果が得られるかどうかを見てい く。 使用機器 ・Mc-SEIS ・超磁歪振動子 使用機器 ・ジオホン ・ファンクションジェネレータ 使用波形 Linear down chirp 1.5 今回使用する波形は 1 800Hz~300Hzの 0.5 0 0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 系列1 -0.5 down chirpで、出力時間は200ms とした。 -1 Linear down chirpは、全ての周波 数帯が均等に分布しているもので、 -1.5 Log down chirp Log down chirpは、低い周波数帯 のほうが多く含まれるものである。 1.5 1 0.5 0 系列1 0 -0.5 -1 -1.5 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 使用波形のフーリエ変換 • 前ページの波形では、違いが分からないので、 フーリエ変換したものを載せる。 Linear down chirp Log down chirp セットアップ図 TA-250 電源 ファンクションジェネレータ McSEIS 5m50cm 超磁歪振動子 50cm ジオフォン 埋設物 実験風景 ジオホンの配置 • 左の図のようにジオフォン を等間隔に12個設置する。 そして、そのジオフォン間 に超磁歪振動子を入れ、 作動させて応答を見る。 • 応答を見る際に1回のデー タでは精度が悪いので5回 データを取得し、加振する ことにより、精度の高い データとする。 • 今回の実験では、埋める 物や深さを変えて、9個の 埋設物を測定した。 埋設物の配置 実験結果 パスタ容器 深さ30cm 送振波Linear 中空タッパ 深さ50cm 送振波 Linear 中空タッパ 深さ70cm 送振波 Linear 中空タッパ 深さ70cm 送振波 Log 結論 ・ Linear chirpのほうは、うまく埋設物を捕らえられる のは、やはり50cmくらいまでで、それ以降の深いと ころを映像化しようとするとうまく映像化できずに目 的の埋設物は見えなかった。 対して、Log chirpは、50cmより深度の深い部分も なんとか捉えることができるということが分かった。 以上の結果から以前の研究のシミュレーションを元 に考えられたとおり深いところではLog chirpのほう が有用であるといえる結果が得られた。
© Copyright 2024 ExpyDoc