2D-TOF subtraction法の試み

2D-TOF
内田クリニック
subtraction法の試み
○村上峰人・喜田公章・岡大輔・池田吉幸・塩谷充啓
【序文】
四肢のMRA検査は造影剤を使用するのが主流である。その反面、非造影のMRAも多彩なシークエンスが
ある。最も重要なのは周辺部とインフロー信号のコントラストを明瞭化にすることで、その事を主体に考え
るとパラメーターはある程度制約される。今回、制約を受けない方法としてサブトラクション法の基礎的検討
を行った。
【目的】
MRAを低フリップアングルで撮像した場合コントラストは低下する。しかし、飽和による血流の連続性不良
(ジャギー)の影響は少なくなる。今回、コントラストの低下をsubtraction法で補うようなプロトコルを作成
したのでファントム実験にてプロトコルの検証を行った。
【方法】
インフローファントムを使用した撮像実験
1)フリップアングル可変でのインフローファントム撮像
Fig.1
2)流速可変でのインフローファントム撮像
3)CNR算出(Fig1)
【撮像条件】
TR25msec TE5.7msec FA10°~60°
FOV24cm シークエンス2D-FSPGR マトリクス256×160
スライス厚3mm ファントム流速0cm/sec~85cm/sec
【使用機器】
GE社製Signa Horizon LX1.0T 定常流インフローファントム(模擬血管ファントム)
インフロー部(マグネビスト水溶液0.1mmol濃度) インフロー周辺部(液状プロテイン食品)
【結果】
1)2)撮像結果(Fig2)
3)CNR算出グラフ結果(Fig3)
低フリップアングルでは流速を可変しても、飽和による信号低下の影響が高フリップアングルに比して少ない。
低フリップアングルではコントラストが低いのでsubtraction法で補う必要がある。
Fig.2
【結論】
低フリップアングルで飽和による信号低下の影響
が少ないなら、2D-gated-TOFを使用せずに撮像
パラメーターを自由に設定する事も可能ではないか
と考える。
【結語】
今回の方法はgated-TOF法が使用できない施設
でも撮像可能な方法であり、普通に撮像するより
はバックグラウントが抑制され良好な画像が得られる。
2回撮像なので撮像時間は延長するが動脈画像
と静脈画像(Fig.4)を作成できるので症例によっ
ては有用な方法だと考える。
Fig.3
Fig.4