頭部ガススタディにおける の有効性 69 スタディにおけるHDE散乱補正法

69 頭部ガススタディにおける
ガススタディにおけるHDE散乱補正法
の有効性
有効性の評価
大阪市立大学医学部附属病院 中央放射線部
中央放射線部 ○對間博之・山永隆史・山崎
勝
【目的】3D PETにて頭部ガススタディを行う場合
場合,
肺野などに高い放射能が存在し,これが視野外散乱
視野外散乱
成分として混入することが予測される.今回我々
々は
ガス吸入時の放射能比を測定し,これを模擬した
した
ファントム実験系で,Hybrid Dual Energy
Window(HDE)散乱補正法の有効性を評価した.
Fig.1 O2ガスの体内分布
マスク
(7.1MBq)
肺(131MBq)
脳+マスク+肺
脳+マスク
脳のみ(リファレンス)
頭部
Fig.3 視野外放射線の影響( HDE補正なし)
Counts
脳+マスク+肺(HDE補正なし)
脳+マスク+肺(HDE補正あり)
脳のみ(HDE補正あり,リファレンス)
肺野
【結論】頭部ガススタディ検査時には,頭部:マス
マス
ク:肺野=2:1:20となり,視野外(肺野)に10倍もの
もの
放射能が存在することを確認された.散乱補正を
を行
わない場合,視野外放射能の影響でスライス方向
方向に
若干の傾斜を生じたが,HDE散乱補正法を適用する
する
ことで,この影響を精度よく取り除くことが出来
出来た.
HDE散乱補正法を適応する場合には, Dead Time
Correctionの影響も考慮しなければならないが,
,臨
床において小脳に対する影響は小さいと考えられ
えられ,
有効な散乱補正法であることが示唆された.
脳
(12.3MBq) Fig.2 ファントムの配置
肺野
【結果】O2持続吸入時の放射能比は,頭部:マス
マス
ク:肺野=2:1:20であった.ファントム実験の結果
結果,
散乱補正を行わない場合,視野外放射能の影響でス
でス
ライス方向に若干の傾斜を生じた(Fig.3)が,
,HDE
散乱補正法を適用した場合,この傾斜成分が取り
り除
かれリンファレンスである脳のみを撮像した場合
場合の
カウントに近づいた(Fig.4) .また,臨床画像
臨床画像に
おいても,コントラストの改善が見られた
(Fig.5).
15cm
Counts 【方法】島津製作所製3D-PET(SET-3000B/L)にて
にて,
O2ガスを持続吸入した状態の全身画像を撮像し,
,頭
部,マスク,肺野の放射能比を取得した(Fig.1
Fig.1) .
被験者 52歳 男性 健常ボランティア
薬剤 O15-O2
(200MBq/min)
撮像 Eminence-B/L(島津製作所)
SYNETRAC収集(ベッド移動速度 1.1mm/sec)
この放射能比を模擬したファントム(Fig.2)を
を用
い,頭部領域のstatic収集を行い,HDE散乱補正
散乱補正の
有無で画像を作成した.
核種 F-18
撮像条件 Transmission 300sec ( 0.8mm/sec )
Emission( Static ) 600sec
再構成条件 FORE+FBP(cutoff 0mm)
この画像をもとにプロファイル解析によって視野外
視野外
散乱線の影響を補正前後で比較した.
頭部
Fig.4 視野外放射線の影響
散乱補正なし
HDE散乱補正 Fig.5 臨床画像 50歳 女性 左内頚動脈狭窄