タッチパネルのボタンレイアウトに関する研究 - Humanomics | 千葉大学

千葉大学人間生活工学研究室卒論概要(2006)
卒業研究区分:論文
タッチパネルのボタンレイアウトに関する研究
キーワード:screen design、touch panel
人間生活工学教育研究分野
02T0121H
佐藤
■研究の背景
タッチパネルを用いた自動券売機、コンビニエンススト
健太郎
(sec)
7.5
7
アのマルチメディア端末、ゲームセンター用のゲーム筐体
などが日常生活の様々な場面で見られるようになってきた。
6.5
タッチパネルは多機能化に対応しやすく、新たな機能を
6
導入するコストや手間が少なく、操作の際に目が表示から
5.5
離れない為、目と手との協調が容易であり、使いやすさの
5
心理的評価が高い。(操作してみて簡単に感じる)
2.5-2.5 2.5-5 2.5-10 5-2.5
5-5
5-10 10-2.5
10-5
Fig.1
タッチパネルは今後更に増えて行く事が予想される。タ
ッチパネルの画面デザインにおける、ボタンの大きさや間
(sec)
7
隔、提示位置、また複数の選択肢の提示方法など、ボタン
6.8
レイアウトに関する研究は重要性を増していくだろう。
6.6
■研究の目的
6.4
先行研究によりタッチパネルのスクリーンデザインにお
6.2
いて、最も重要な要因がボタンの大きさであることが示さ
6
れている。また形状ついても先行研究により、長方形より
も正方形。横長長方形よりも縦長長方形がよい事がわかっ
5.8
5.6
x-2.5
x-5
与えると示している研究と与えないと示している研究があ
(sec)
7
る。また先行研究では選択肢を提示する際に水平方向に配
6.8
置した方が、垂直方向に配置したときよりも操作しやすい
6.6
事が述べられている。
6.4
平方向と垂直方向の影響の違いに着目し、実験を行った。
x-10
Fig.2
ている。しかし、間隔についてはユーザビリティに影響を
本研究では間隔がユーザビリティに影響を及ぼすか、水
10-10
6.2
6
5.8
5.6
■研究の方法
2.5-x
5-x
10-x
被験者は 18-23 歳の健常な大学生 10 名(男性 5 名、女性
Fig. 3
5 名)であった。1 辺 20mm のボタンを縦5列横9列でレイア
水平方向のボタンの間隔は 10mm がほかに比べ有意にタ
ウトし、水平方向、垂直方向のボタン間隔をそれぞれ 10mm,
スク遂行時間が長かった、垂直方向の間隔は影響を与えな
5mm, 2.5mm で組み合わせ、9つのレイアウトを用意した。 かった。エラーはそれぞれのタスクで最大で 1 回、実験全
それぞれのレイアウトでボタン選択タスクを与えた。タ
体を通して 4 回しか起こらなかった。
スクは 10 回のボタン選択からなり、被験者にはできるだけ
早く正確に行うよう指示した。レイアウトはタスク遂行時
間、エラー率、主観評価(VAS 法)、感想の聞き取り調査に
より評価した。
■ 考察
まとめ
タスク遂行時間において、ボタンの間隔は水平方向のみ
影響を与えた。この為ボタンの間隔を設定する際、水平方
向により配慮が必要である。タスクが単純だったためか、
■
結果
間隔はエラー率に影響を与えなかった。
タスク遂行時間は Fig.1 の様になり、垂直方向と水平方
今後はボタンの大きさと間隔の関係に注意して、さらに
向の間隔で 2 元配置の分散分析をした。Fig. 2 と Fig 3 が
ボタンの間隔がユーザビリティに与える影響を調査する必
水平方向と垂直方向のタスク遂行時間である。
要があるだろう。