第2回瑞穂市保育研究会 講演の記録 演題「遊びと発達」 講師 : 国民健康保険 関ヶ原病院 主任作業療法士 山口清明先生 昔の子ども達は身近な環境が自然や公園、近所のお兄ちゃんなどがあり、子ども達自身 で自ら環境にかかわり、運動面での発達や対人関係、考える力が育まれ、たくましく生き ていた。しかし、今の子ども達はゲームやテレビなどが身近になっているため、運動能力 や考える力の低下につながっている。 昔に比べて話が聞けない子が増えたのは、体の中枢部が上手く育っていないことも関係 している。日々体操を取り入れて、元気いっぱい空間を使って動いていても、体の中枢部 は育っていかない。手足が固定された状態でゆっくり持続的に体を動かすような雑巾がけ や手押し車などを行っていくことで、中枢部が安定し姿勢保持に繋がっていく。 子どもたちは遊びを通して体の一つ一つの部位を動かしている。脳の前庭感覚を通して 体を動かし触る。様々な物に触れていくことで身体が育ち、実際に見て聴くことで脳が育 っていく。そのため、動く感覚(バランス)・筋肉の感覚・皮膚の感覚を、遊びを通して十分 に感じていくことが脳が育つ栄養素となっていく。 子どもたちの取り巻く環境の変化に伴い、運動能力の低下や脳を動かさないことへの影 響が大きい。そのため、保育士が体のどの部分が鍛えられているのか、どんな力に繋がっ ているのかを理解しながら、体に働きかけるような遊びを取り入れ、子どもたちと一緒に 楽しむことが大切である。自分にとって届けたい保育を十分に考え、子どもたちと関わっ ていくことが子どもたちの成長に繋げていきたい。
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